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書籍名:対話流-未来を生みだすコミュ
ニケーション
出版社:三省堂
著者名:清宮 普美代 北川 達夫
価格:1,575円
ISBN:4385364370
ISBN:978-4385364377

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アマゾンで本書を購入する 書評

会議やミーティング等の議論で、参加者それぞれの意見が対立し、最終的には反論の応酬になってしまったという経験はないだろうか。「議論」という言葉から、おたがいが激しく意見を戦わせ、ぶつかり合うという、好戦的なイメージを持つ人は多いはずだ。

かつてはそのような、「対決」スタイルの議論が世界的にも主流だったが、ここにきて大きな変化が起こっているようだ。
本書は、元外交官で、現在は日本教育大学大学院教授の北川達夫氏と、新しい会議スタイルを提案する『質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?』の著者である清宮普美代氏が、「対話」をテーマに繰り広げた対談の記録だ。

この対談では日本の教育現場やビジネスシーン、また世界で起きている問題など、様々なテーマに触れるが、一貫して、より生産的なコミュニケーションをとるために必要な「対話力」の重要性について語られている。
相手を論破することは何も生まない。お互いの違いを認め合い、意見をすり合わせることで、コミュニケーションは初めて、創造性を帯びることになる。

最も生産的なコミュニケーションのスタイルは何か、ということを徹底して追求した本書は、ビジネスの場だけでなく対人関係全てに通用する内容。管理職に就く人はもちろん、フラストレーションばかりが溜まる会議をしている人には参考にしてほしい一冊だ。
(新刊JP編集部)

目次


第1部 問うことから始まる


第1章 質問をデザインする

質問だけの会議/モチベーションの上がらない質問/正解のない時代/「何が本当の問題か」 を問う/違和感のハンドリング/国際紛争における対話/問題解決のための「訊く」と「聴く」/ 「問う力」は「変わる力」/価値観を吊り下げる/議論から相談へ/「違い」を活かす

第2章 多様化のマネジメント

権威の喪失―協同学習のジレンマ/ファシリテーション力/「個と集団」の解釈/教える側の人 材を育てる/変容するリーダー像/伝統的な道徳観との葛藤/多様な個により構成される世界 のなかで

第3章 問い続ける力

現場で学ぶ/リフレクション―体験をモノにする力/「思考の枠組み」を問い直す/対話がもたら す「考えて働く」環境/グローバル・スタンダードの学力/質問から始まる相互理解/自分も変わ り、相手も変わる/始まりを疑うー―古今東西共通の哲学/協働する力、ともに学ぶ楽しさ/新 たなつながりの可能性

■コラム 質問会議のポイント

第2部 対話思考のトレーニング


第1章 スキル1 メタレベルの合意形成―歩み寄りのポイントを探る

「闘うコミュニケーション」から「歩み寄るコミュニケーション」へ/相手の正当性を段階的に認める /妥協―歩み寄りによる合意/価値観に遡る質問/感情の留保/対話する集団、話し合いの 文化/

第2章 スキル2 PISA型読解力―情報を取り出す力・推論の力を鍛える

PISA型読解力とは何か/情報を取り出す力―インフォメーションからインテリジェンスへ/解釈 ―点と点を結ぶ/主張のオリジナリティを求める前に/「推論のはしご」をチームでかける 第3章 スキル3 エンパシー型コミュニケーションー相手の思考のプロセスをたどる エンパシーという発想/直感の背景を問う/シンパシーとエンパシー/他人の思考プロセスを たどる―エンパシーのワーク1/思考の幅を広げる問い/価値観の絶対化を解く―エンパシー のワーク2/他者と協同する意義/オープンマインドになる環境/型の功罪/「生きる力」を支え る対話力

■コラム 対話的発想のための演習課題

第3部 対話の世紀


第1章 新しい始まり

「壁のない世界」の出現/「文明の衝突」と「文明の対話」/世界の再編成―地域統合と個別性 への回帰/アジア圏と日本/パラダイム・シフト/変わり続けていく力

第2章 対話の場を拓く

変化することは成長すること/協同学習の場の設計/チームで得る成長実感/「学ぶ力」として のコミュニケーション力/人間関係の希薄化/チーム内の多様性を担保する/同調でも対立で もなく、対話を/姿勢と意欲

第3章 自分軸をつくる

スタンダードのない時代/軸をつくる教育/自分の未完成さを認識する/ローカルという価値/ 学習者中心主義/学びをつなぐ

あとがき