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書籍情報
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なぜあの営業マンは1億円の商品をいともたやすく売るのか

定価 :

1,500円+税

著者 :

瀧本 真也

ISBN :

4761271191

ISBN :

978-4761271190

瀧本 真也

たきもと しんや
1964 年、静岡県生まれ。株式会社シンクパス代表取締役、一般社団法人全国住宅営業認定協会代表理事。
不動産営業を経て、1990 年に住宅FC本部の株式会社アイフルホームテクノロジー入社。 スーパーバイザーとして全国100 社以上の加盟工務店の立ち上げと、経営者、マネジャーおよび営業マン指導を行う。在職中は、スーパーバイザーを統括するOFC課長、FC企画課長、西日本支部長を歴任。
2006 年10 月に「ビジネスを成功に導く正しい考え方を伝える」ことを理念に、建築業界専門の経営コンサルティング会社として、株式会社シンクパスを設立。大手住設メーカーをはじめ、工務店・ビルダー・リフォーム会社およびFC本部等、幅広い分野で実践的なコンサルティングを手掛けている。特に高額商品の営業には定評があり、コンサルティング領域は住宅関連の枠を越え、保険営業や自動車営業などの分野でも活躍、現在も全国を飛び回る。
注文住宅営業マンとリフォーム営業マンの地位と品格向上を目的に2010 年4 月、日本初の住宅営業スキルの第三者認定機関である一般社団法人全国住宅営業認定協会を設立し、代表理事に就任。認定資格「住宅販売士」「リフォーム提案士」を制度化し、 全国に1000 名以上の資格取得者を輩出している。

CONTENTS

目次
  1. はじめに
  2. 第1章
    営業マネージャーは月末がキライ!?
    1. 今月もまた「月末」がやってくる
    2. なぜ、こんなに違うのか?「月初の見込み」と「月末の結果」
    3. 計画未達は、果たして誰のせいか?
    4. 売りたければあなたの管理方法を変えなさい!
  3. 第2章
    高額商品を売りまくる優秀営業マンには共通点があった!
    1. 優秀営業マンの「売れるしくみ」を知ろう
    2. 優秀営業マンも、最初は「知識も経験もない新人営業マン」だった
    3. 優秀営業マンたちの頭のなかは8×4=32の法則で動いてる
    4. 高額商品を売るときに絶対必須のヒアリング「8項目」
    5. 高額商品に対する購買意欲は必ず「4つのステップ」で上がっていく
    6. 優秀営業マンが実践する問診型営業
    7. 優秀営業マンが瞬時に見分ける「お客さまの4つの性格」とは?
    8. 優秀営業マンたちはお客さまの「購買心理」を熟知している
  4. 第3章
    あなたを必勝に導く8×4=32の法則
    1. 8×4=32の法則を体現した契約ナビゲーション
    2. 「契約ナビゲーション」シートを使えば今日から優秀営業マン
    3. 契約ナビゲーションは「見込みと結果のギャップ」から生まれた
    4. 8つの項目 その1 「購買動機」
      なぜ購入したいのか、購買動機を聞き出そう
      1. ステップ1 購買意思を確認する
      2. ステップ2 購買理由をしっかりと聞く
      3. ステップ3 現状の不満や不安を確認する
      4. ステップ4 購入後のイメージを連想させる
    5. 8つの項目 その2 「購入希望時期」
      お客さまから購入希望時期を聞きだそう
      1. ステップ1 購入希望時期があるのか、いつかを聞く
      2. ステップ2 その時期までに欲しい理由を聞く
      3. ステップ3 希望時期から逆算して購入スケジュールを立てる
      4. ステップ4 購入予定時期を確定させる
    6. 8つの項目 その3 「予算」
      お客さまから予算を聞き出そう
      1. ステップ1 年収・自己資金・月返済可能額をヒアリングする
      2. ステップ2 総費用と資金計画を提案する
      3. ステップ3 資金計画に納得しているかを確認する
      4. ステップ4 資金調達のメドを確認する
    7. 8つの項目 その4 「差別化」
      あなたの会社のよさをお客さまに伝えよう
      1. ステップ1 あなたの会社のどこに興味をもったのかを確認する
      2. ステップ2 あなたの会社のUSP(強み・特徴)を2つ伝える
      3. ステップ3 お客さまがあなたの会社のUSPに共感しているかを確認する
      4. ステップ4 お客さまはあなたの会社のファンになっているかを確認する
    1. 8つの項目 その5 「類似商品の有無」
      現在、どんな類似商品をもっているかを聞きだそう
      1. ステップ1 単刀直入に類似商品の有無を確認する
      2. ステップ2 類似商品と今回の商品の違いをどう考えているのかを聞く
      3. ステップ3 今回の商品を購入する条件を確認する
      4. ステップ4 どうなればすべての条件が整うかを確認する
    2. 8つの項目 その6 「決定権者」
      お客さまからキーマンを聞きだそう
      1. ステップ1 商品は何であれ、「家族構成」を確認する
      2. ステップ2 キーマンは誰かを確認する
      3. ステップ3 キーマンに同意を得る
      4. ステップ4 家族全員の同意を得る
    3. 8つの項目 その7 「競合」
      他者のどの商品を気に入っているかを聞きだそう
      1. ステップ1 競合の有無を確認する
      2. ステップ2 競合先(競合会社か商品)を教えてもらう
      3. ステップ3 競合している理由を確認する
      4. ステップ4 競合他社より優位性のある提案ができたかどうかを確認する
    4. 8つの項目 その8 「プラン」
      希望のプランに沿った見積もりを出していこう
      1. ステップ1 要望のヒアリングと優先順位付けを行う
      2. ステップ2 第1回目のプランを提出し、修正点を確認する
      3. ステップ3 第2回目のプラン提案と最終修正点を念押しする
      4. ステップ4 最終クロージング「夢の背中押し」
  1. 第4章
    営業マンとマネジャーのための「契約ナビゲーション」活用法
    1. さぁ早速、契約ナビゲーションを使ってみよう!
    2. 不動産営業で活用する契約ナビゲーション
    3. 活用自在!多業種で活用できる契約ナビゲーション
    4. 営業マネジャーの管理は週1回の顧客進捗確認だけでOK!
  2. 第5章
    「初回接客」で商売が決まる 高額商品販売と営業マンの役割
    1. 営業マンの99%が陥る「売り手目線のワナ」
    2. 高額商品だからこそ初回接客には「ホイラーの法則」が有効
    3. 商品の説明はいらない 「お金の話」に力を入れよ!
    4. 初回接客に必須 3種の神器=映像・字幕・音声
    5. 高額商品を売るあなたは信頼できるアドバイザー
    6. 高額商品の売り方がわかればもう月末は怖くない!
  3. あとがき

BOOK REVIEW

書評

 デキる営業マンと、そうでない営業マンは、どこに差があるのでしょうか。コミュニケーション力、人間力、積極性…「営業力」にはさまざまな要素がありますが、なかなか思うような結果を出せずにいる営業マンは、その営業力を一刻も早く身につけたいと考えているはずです。

 そこで参考にしてもらいたいのが『なぜあの営業マンは1億円の商品をいともたやすく売るのか』(かんき出版/刊)です。著者の瀧本真也さんは25年前に住宅営業の仕事を始め、現在は住宅業界専門の経営コンサルティングを手がけています。
 住宅業界は高額商品を扱うという意味で、営業マンにとってはかなり難易度の高い分野といえます。しかし、瀧本さんがこれまでに「世の中がどんなに不景気になろうとも、高額商品を売りまくる優秀な営業マンたち」を大勢見てきたなかで見つけた彼らの共通点があるといいます。について、次のように述べています。

ここでは本書であげられている数ある共通点から2点、重要なものをピックアップしてご紹介しましょう。

■営業マンとしてやるべきことを実行している

 「営業マンとしてやるべきこと」とは何なのでしょうか。瀧本さんの言葉を借りれば、「お客さまとの間で必ず確認しなければならない8項目を、自分本位のタイミングで闇雲に聞いたりせず、必ず、お客さまの心理変化に沿って順序立てて聞いていく」(P57より引用)ということになります。

 優秀な営業マンはまず、医者が患者に問診するかのように様々な質問を投げかけることで、お客から「Why(なぜ)、When(いつまでに)、How money(いくらで)、What(どの会社の商品を)、Where(どこで)、Who(誰が決定権を持って)、Which(ほかに検討しているものは)、How to(見積もり)」といった8つの情報を聞き出していきます。
 そして、この8つの情報それぞれについて、お客の「警戒心をもって近づく」「興味を持ち始める」「感情が高まる」「決断したいが迷う」といった4つの心理変化に合わせて、「状況を確認する」「最適な提案をする」「提案内容を理解してもらう」「納得してもらう」という4つのフローで働きかけをしていきます。
 これは「8×4=32の法則」といい、瀧本さんによるデキる営業理論の中核をなす考え方です。

■お客の性格を的確に見極めた上で接客している

 もう1つ、ご紹介しましょう。それは「お客の性格を的確に見極める」ことです。
 この「性格」は「ソーシャルスタイル」といい、4つの類型からなると瀧本さんはいいます。

  • 感覚型 ― 自分の気持ちに正直。変化を好み、リスクも取れるタイプが、単調なことを嫌うことも。
  • 友好型 ― 強調的な態度が取れる「誠実で柔軟」なタイプ。あまりリスクは取りたがらない傾向。
  • 主導型 ― イニシアチブを取れるリーダータイプ。実利主義なので感情より能率や効率を優先することも。
  • 理論・分析型 ― 合理的に考えられ、アドバイスを求められるタイプ。慎重で綿密、体系的な思考をする。

 優秀な営業マンほど、短い時間でお客がどのタイプの性格なのかを見抜き、ブレのない接客をするといいます。相手がどんなタイプか瞬時に見抜くためには熟練が必要かもしれませんが、お客と接する際、頭のなかにこれらの枠組みを用意しているだけで自ずと接し方も変わってくるはずです。

 本書では、「売り込まなくても、お客が買いたくなる」ような「売れる仕組み」が解説されています。また、この仕組みにおいて一貫しているのは「徹底してお客の声に耳を傾ける」ということ。
 営業職に就いて間もない人はもちろん、ある程度、営業職の経験を重ねてはいるが壁に突き当たっているという人にも発見の多い一冊といえるでしょう。

(新刊JP編集部)

INTERVIEW

著者インタビュー

1億円売る営業マンが最初にお客さんに聞くこと

 経団連が10月30日に発表した、年末ボーナス(賞与・一時金)の一次集計によれば、大手企業(従業員500人以上の245社)の平均額は91万697円で過去最高レベルとなった。世の営業マンたちにとっては、年末商戦を迎えるにあたって朗報といえるだろう。
 『なぜあの営業マンは1億円の商品をいともたやすく売るのか』(かんき出版/刊)著者の瀧本真也さんは約25年にわたって住宅営業に携わってきた。本書では、家という高額商品を売るなかで発見した、営業の普遍的な「法則」が解説されている。営業マンとして、お客の心を開かせ、掴み、契約まで持っていくには何がポイントなのかを中心に話をうかがった。

――執筆経緯から教えてください。

瀧本:私は以前、ある住宅フランチャイズのスーパーバイザーとして、新築住宅の営業マン1500名ほどをマネジメントしていました。すると、同じ商品を同じ価格で売っているにもかかわらず「こんなにも差が出るものなのか」と思うほど、ひとによって営業成績に違いが見られました。そこで「売れる営業マンと売れない営業マンは何が違うんだろう?」と疑問に感じたのが出発点です。
そして売れる営業マンはどんな営業活動をしているのか、観察やヒアリングを繰り返すうちに、彼らは本当に流れるように、お客さんと「会話」をしていることが分かりました。また、その会話はある一定の法則にしたがって生まれていることも分かってきたんです。その「法則」を広く色々な方にお伝えしたいと思い、本を書きました。

――その「法則」が、本書に出てくる「8×4=32の法則」でしょうか。

瀧本:そうですね。「8×4=32の法則」は、営業マンがどんな順番でお客にヒアリングし、商談をまとめていけばよいのか、一連の流れをまとめたものです。
営業マンは得てして、様々なテクニックを駆使して売りたがるものですが、買う側は一通りの買い方しか求めていない。
「8」は、営業マンがお客さんに必ず聞かなければならない8つのことです。営業マンはお客から「Why(なぜ)、When(いつまでに)、How money(いくらで)、What(どの会社の商品を)、Where(どこで)、Who(誰が決定権を持って)、Which(ほかに検討しているものは)、How to(見積もり)」といった情報を引き出す必要があります。
「4」はお客さんの購買意欲の変化に4つの段階があることを意味します。具体的には「警戒心をもって近づく」「興味を持ち始める」「感情が高まる」「決断したいが迷う」という順番で変化していきます。
つまり「8×4=32の法則」とは、お客さんから聞きださなければならない8つのことそれぞれについて、4つの心理変化に合わせてヒアリングをしていきましょうということを言っているんです。

――購買意欲の4つの変化のうち最初の段階である警戒心をもっているお客さんに対して、営業マンはどのように「最初の一声」をかければよいのでしょうか。

瀧本:お客さんが「YES」と答えやすいような質問を投げかけることです。たとえば、モデルハウスの展示場に来てくれたお客さんに対しては「いつか、どこかで、お家づくりをお考えですか?」と声をかける。
「いつか」だから「今」でなくていい。「どこか」だから「当社」でなくてもいい。つまりこのように問いかけられると、お客さんは「YES」と答えやすく、また何より安心できるんです。
営業マンは、お客さんから「YES」を引き出し安心させた上で、「なぜ家を建てたいんですか?」と訊けばいい。そうすれば「今はアパートに住んでいるんだけれど、将来的には戸建てに住みたくて…」といった具合に話が深まっていきます。自然と「会話」になっていくんです。
逆に、いきなり「家づくり、お考えですか?」とストレートに訊いてしまうのはご法度。お客さんは「いや、今日はたまたま目の前を通りかかっただけで…」と心理的にブロックしてしまい、話をそこから先へ発展させるのが難しくなってしまうんです。

――そのように「最初の一声」をかけられるようになるには、営業マンは普段からどのようなことを心がけ、トレーニングしておけばよいのでしょうか。

瀧本:「最初の一声」にかぎらず、お客さんとの間でちゃんと「会話」をするために意識してほしいのは、つねに相手目線になって言葉をかけることです。そこで参考にしてほしいのが、私の会社が提供している研修メニューのひとつに「お医者さんごっこ」というロールプレイがあります。二人一組になり、医者役が患者役に問診するというものです。このロールプレイを通して、優れた営業マンが必ず実践している「問診型営業」を体感してもらうことを目的としています。
実際にやってみると分かるのですが、どんな人でも「お医者さん役をしてください」と言われれば、何の苦もなく「今日はどうされましたか?」という「最初の一声」をかけることができる。その後も自然と「その症状は、いつ頃からですか」「どのような痛みですか」「特にどのへんが、どれくらい痛みますか」「まずは、どうしたいですか」といった言葉が出てきます。そして、このように質問を重ねていけば、訊かれるほうは自然と安心し、本心を打ち明けてくれるようになる。そのことを実感していただくために、このロールプレイをしてもらうんです。
ここで重要なのは、営業マンはお客さんの心を開かせるために、特別なことをする必要はないということを理解することです。特別なことではなく、当たり前のことを当たり前に訊く。たったそれだけのことで相手は安心してくれるものなんです。

優秀な営業マンは人格を自由に変えられる

――本書では、お客さんの気持ちになって話を進めるためにも、営業マンは相手の性格のタイプに合わせた接し方をすることが重要だと書かれていますね。

瀧本:ヒアリングをするうちに、優れた営業マンの多くが「お客さんの性格を見分ける能力」を身につけていることが分かってきました。
私たちはそれぞれ「ソーシャルスタイル」と呼ばれる、コミュニケーション上の「クセ」を持っています。そこで、相手がどんなクセを持っているのかを知っていれば、スムーズにコミュニケーションをとれるようになるはずです。
ソーシャルスタイルは4種類あります。自分の気持ちに正直で変化を好み、リスクも取れるタイプの「感覚型」。協調的な態度をとれる一方、あまりリスクは取りたがらない「友好型」。実利主義者で感情より能率や効率を優先する「主導型」。そして、慎重で綿密、体系的な思考をすることができる「理論・分析型」です。
自分と性格的に似ているタイプの人との会話は弾むものなので、「どの商談が盛り上がったか」を振り返るだけでも、自分や相手のタイプの手がかりは得られるでしょう。

――本書でもうひとつ興味深かったのは「クロージングでは別の性格を演じることも必要」と書かれていた点です。これは具体的にどのようなことなのでしょうか。

瀧本:クロージングとは、営業がお客さんとの間に契約関係を結ぶこと。つまり営業活動における「仕上げ」の段階です。そして高額商品であればあるほど、人はこの段階に来て、迷ったり悩んだり不安になったりすることが多い。ここで営業マンが対応を間違えると、契約を取り逃してしまいます。
最近、住宅業界には「決めること」が苦手な友好型のお客さんが来ることが多い。これはおそらく、「消費税が5%から8%へ上がったタイミングでも決めきれずにいたが、今後さらに2%上がるとなるとさすがに…」と重い腰をあげて、家の購入に踏み切ったんでしょう。でも、このように「買う気満々」でいるお客さんでさえ、友好型の営業マンだと押しが弱いため話がいっこうにまとまらない。ところが、営業マンが「主導型」を演じると、あっさり話がまとまることが多いんです。

――でも、人によっては自分と真逆のタイプを演じることは難しいと感じる営業マンも少なくないのではないでしょうか。

瀧本:おっしゃる通りです。したがって、担当者が自分で対応するのが難しければ、上長が同席して替わりに真逆のタイプを演じたり、あるいは適任の営業マンへスイッチしたりといった対応をすればいいでしょう。

――なるほど。クロージングの場面で顕著とはいえ、今のソーシャルスタイルの話は営業のどのような場面にも使えそうですね。

瀧本:はい。その意味では、このくだりを特に読んでもらいたい読者層はマネジメントの立場にある方々ですね。マネージャーは部下に対してこまめに「今のお客さん、性格どうだ?」と声をかけてほしい。部下の性格はマネージャーがいちばんよく分かっているので、「お客さんと合わない」ということであれば、先ほども話したように何らかの策を講じてほしいんです。
チームで戦っていかなければ、目標数値を達成し続けるのは難しい時代になってきていますからね。

――クロージングに関して、本のなかで瀧本さんは「お客さまがしっかりと納得して契約をしたかどうかが重要」とも書かれています。お客さんが本当に納得した上で物を買うために、営業マンは何をすべきでしょうか。

瀧本:お客さん自身が「これを買ったら、いちばん喜ぶのは誰か」ということを、できるだけ早い段階でイメージできるように話を持っていくことが重要だと思います。そうすることで、お客さんは「買ったものをどのように使っていくのか」のイメージを描くことができる。このイメージが固まれば固まるほど、お客さんの納得感は増すと思います。逆にいえば、このイメージが固まっていないと少しでも感じられるのなら、さらに具体的な説明をする必要があるでしょう。
人間、「誰かに納得させられたもの」だと、あとで必ず「この選択は間違っていたのでは…」と不安がフラッシュバックしてくるものです。なので、最後の最後はお客さん自身にしっかりと考えてもらい、イメージを固めてもらって、自分で納得のいく結論を出してもらうことが重要だと思います。
優秀な営業マンほど「これで最後になります。いかがされますか」と言ったあとは、5分でも30分でも、じっと黙ってお客さんの決断を待つことができる。その意味では、いかにして「お客さんが納得する場」をどう作るのかが営業の仕事とも言えるかもしれません。

――最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。

瀧本:まだまだ「話し上手=腕の良い営業マン」というイメージが一般的だと思います。でも、これからの営業マンにとっては「聞き上手であること」がとても重要になってくる。ですから、自分の営業スタイルに悩んでいるという方は、「自分は聞けているかな」と疑問を持ちながらこの本を読むことで、スランプを脱するためのヒントを得られるのではないかと思います。

(了)

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