突然ですが、幸せになる女性と不幸になる女性の違いは、何だと思いますか? また、いま不幸な状況に置かれている女性が幸せを手に入れるにはどうすればいいのでしょう?
著者の田中美香さんは、一度「どん底」を味わいながらも幸せを手に入れた女性。本書は、上で書いた問いにヒントを示してくれます。
20代前半で“玉の輿”結婚をしたものの、30代前半で離婚。700平米、10LDKの豪邸生活から一転、四畳半アパートで母ひとり子ひとりの生活からの再出発を余儀なくされました。
田中さんは当時、まったく社会人経験がありませんでしたが、前夫が不動産事業を手掛けていたこと、そして何より歩合給が高かったことから、不動産会社で働きはじめます。入社後3か月にはトップセールスを達成し、その後、数年をかけて独立資金3000万円を貯め、独立を果たします。さらには年下男性と再婚し、いまでは幸せな生活を送っています。
なぜ田中さんはこのような状況をくぐりぬけ、幸せな生活を手に入れることができたのでしょうか。それに対して田中さんは、女性が幸せになれるかどうかは「お金のために働く」か「お金を働かせる」かのどちらを選びとるかによって決まるといいます。
不幸な人生へ転落しかねない「お金のために働く」生き方とはどのようなものなのか。いくつか具体例を紹介しましょう。
おごられグセがついている
男性との食事会やデートでは「おごってもらって当然」と思っていませんか?
もし思っていたとしたら、それは危険です。田中さんは「そのたった数千円から数万円のツケは、いつかどこかで支払うことになる」ものだと言っています。
では、どのような形でツケを支払うことになるのか。相手の下心を受け入れることであったり、おごってくれた相手の彼女候補のリストから外れてしまうこと等、さまざまなケースがありうるでしょう。
さらにいえば、ツケを支払う相手はおごってくれたその人ではない可能性すらあります。なぜなら、おごられグセがついてしまうと、日常生活のあらゆる場面で自分でも気づかぬうちに、誰かに貸しをつくってしまうことがあるからです。そしていつしかツケを支払うことに追われるようになり、お金のために働かざるをえなくなるのです。
ダメ男にハマってしまう
本書によれば、ダメ男にハマってしまう女性は総じて自尊感情が低いといいます。本人のなかに「どうせ、私こんなだから…」というネガティブな感情があるために、ダメ男を引きよせてしまうのです。こうして「どうして、あんなにイイ子なのに、あんなダメ男と付き合ってるの?」という状況が生まれます。
このような関係の行きつく先は、どのようなものなのでしょう。「私じゃなきゃ、ダメなの」とダメ男を支えることに喜びを感じたり、男性のダメさにペット的な愛情を感じてしまったりといったパターンが代表的です。
「ダメ男から必要とされている」状況そのものがアイデンティティになっている。そう感じたら、それはすでにお金のために働いている可能性が高いといえるでしょう。
安いものに飛びついてしまう
「安いモノ」や「ディスカウントされたもの」に飛びついてしまう。これもお金のために働いている女性の特徴といえます。このような女性は一度“バーゲン・センサー”が働いてしまうと歯止めがきかなくなり「こんなに安いなら、買っておかなきゃ!」と、衝動的に無駄な買い物をしてしまうのです。
こんなことを繰り返していたら、お金がいくらあっても足りません。お金のために働かざるをえなくなるのも当然でしょう。
「お金のために働く」女性の特徴的な行動のみを取り上げてきましたが、本書では、その対極にある「お金を働かせる」行動についても言及されています。
本書を読むことで、自分がどちらの生き方を選択しているのかが分かるだけでなく、もし「お金のために働いている」ことに気づいたら、その状況を抜けだすヒントも得られるでしょう。