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書評
ボブ・バーグ/ジョン・デイビッド・マン氏の著書は「外れがない」とよく評される。
全て実用的で分かりやすく、尚且つ新しい。
最新刊となる本書もそれに漏れることなく、読み応えのある内容となっている。
さて、本書では「フレームワーク」をテーマに書かれている。そもそも、「フレームワーク」とは何か分からない人も多いと思われるので、その定義を本書から引用させてもらうと、以下のようになる。
現実を観察する方法として構成する、仮定、概念、価値、慣行の集まり
簡潔に述べると、「何かの概念や考え方を自分なりに束ねて、整理をして、考えやすくするもの、覚えやすくするもの」である。例えば言葉。これも1つのフレームワークである。
「リンゴ」という言葉を見聞きして想起されるのは、まさしく果物の「リンゴ」である。しかし、この「リンゴ」を解体すると、例えば色や形、匂いといったものから、味、歴史、使用用途、樹木など様々な要素からイメージが成立していることが分かる。つまり、「言葉」はさまざまな細かい要素をそれぞれの場所に当てはめて1つにまとめる「フレームワーク」としての役割を果たしているのだ。
これをビジネスに当てはめてみると、「戦略の3C」や「マーケティングの4P」「5W+1H」などのものは全てフレームワークにあたる。
本書ではこのフレームワークの基本的な考え方から、どのように身に付けていけばいいかなどを事細かく説明してくれる。
ビジネス思考力は一朝一夕で身につくものではない。ビジネス思考力という癖をつけるには毎日の鍛錬も必要である。勝間氏自身も、「ビジネス思考力だけで成り立ってきたような企業に長年勤めてきた」という環境のもとで、鍛えられてきたのである。
勝間氏も本書の中で次にように言っている。
大事なことは、自分でフレームワークをさまざまな経験や学びの中から1つでも多く見付だして、頭の中で整理し、更に新しいフレームワークを作っていくことになります。フレームワークは言葉を紡ぐことと同じで、概念を言葉に昇華することで、新しい考え方や知識を身につけることができるのです。ですから、できれば、フレームワークも一つ一つ、自分で見つけていってほしいのです。
本書を読んだから、ビジネス思考法が身につくのではない。読んだあとに起こる、あなたの意識と行動の変化こそが、この思考法を身に付けるための最大の要因であることを忘れてはならないことを付け加えておく。
プロフィール
●著者
●装画
矢野信一郎
『夢をかなえるゾウ』(水野敬也著)のガネーシャのイラストで一躍有名に。新進気鋭の画家。
●訳者
木村博江
美しくわかりやすい日本語訳で定評がある。『犬も平気でうそをつく?』(スタンレー・コレン著)など訳書多数。
