だれかに話したくなる本の話

世界最小の国「バチカン市国」元大使が語る秘密のベールの内側

世界最小の国「バチカン市国」元大使が語る秘密のベールの内側(*画像はイメージです)

イタリアのローマ市内にある小国「バチカン市国」。
日本では「世界最小の独立国家」として知られているが、カトリックの総本山ということからキリスト教世界では誰もが知る存在だ。宗教への関心が低めの日本にいると、その影響力や発言力はぴんとこないかもしれないが、世界から一目置かれる国なのだ。

『バチカン大使日記』(中村芳夫著、小学館刊)そんな日本では知られていないバチカンについて、「大使」としての経験を交えて紹介する、なんとも貴重な本だ。

バチカン大使日記

バチカン大使日記

ビジネス界出身大使が見たカトリックの聖地

「日本経済の司令塔」経団連に身を置くこと半世紀。土光敏夫ら歴代会長に仕え、生え抜きトップとして事務総長まで務めあげた筆者は突如、世界13億の信徒を束ねるカトリックの総本山に民間大使として赴くことになった。

経団連とバチカン、対極に立った筆者ならではの日常の “気づき”は、資本主義の限界から現代日本の課題まで多岐に及ぶ。地道な人脈作りに始まり、あれよという間に教皇訪日を実現、そしてコロナ禍のなか帰国するまでの1500日。