だれかに話したくなる本の話

“指がきれいな男性”がモテるのはどうして?

指がきれいな男性はモテる」という話を聞いたことはありませんか?
 生活総合情報サイト「All About」が2006年に行った「異性の体のパーツのどこをチェックするか?」というアンケートでも、女性が気にする男性のパーツの1位は「手(指含む)」だったそうです。これは一体どうしてなのでしょうか。
 『そんなバカな!―遺伝子と神について』(文藝春秋/刊)などの著作で知られるエッセイストの竹内久美子さんは『女は男の指を見る』(新潮社/刊)でその不思議を分かりやすく説明してくれます。

 竹内さんがこの不思議を解明するための手がかりの1つとしているのがイギリスの動物行動学者、ジョン・T・マニング氏の研究です。
 マニング氏の論文には、Hox遺伝子というものが登場します。Hox遺伝子は胚発生(受精した卵が細胞分裂を繰り返しながら、だんだんその動物らしい形になっていく過程のこと)の際に重要な役割をなす遺伝子で、染色体のある領域には10個くらいの遺伝子がずらりと並んでいます。そして、この固まり(クラスター)は4つあり、それぞれ乗っている染色体も違っています。実はこのHox遺伝子に不思議を謎解く大きな鍵があるのです。

 各クラスターにある10個ほどのHox遺伝子の一番肝心な点は、並んでいる順とその遺伝子が形作りを担当する身体の部分がほぼ順番通りに対応しているということです。胴体においてはHox遺伝子の番号の若い方から頭に近い方を担当していき、番号が進むにつれ、胴体の端、つまり生殖器や泌尿器に近い方を担当していることが分かりました。さらに胴体と同じように腕や脚も、付け根から末端までの形成を順番に受け持っていたのです。
 そして、竹内さんは「胴体の末端である生殖器や泌尿器と、腕や脚の末端である指は、共通のHox遺伝子によって作られていることになる。工事の担当者が同じなら、その『出来上がり具合』も同じレヴェルになっているはずだ」と推測します。

 実際、マニング氏は『二本指の法則』(村田綾子/訳、早川書房/刊)において、52人の若者の人差し指の長さと彼らの「痛くない程度に、きわめてゆっくり伸ばしたペニスの長さ」の相関を調べています。そして、指が長いとペニスも長いという相関があることを示したそうです。
 もちろんこれは「長さ」についての相関であり、「ペニスが長いから良いってものでもない」という意見もあるでしょう。しかし、女性が男性の伸びやかで美しい指にドキッとしてしまったり、セクシーさを感じてしまう無意識の裏側には、指とペニスになんらかの相関があると言えるのかも知れません。

 ほかに本書では「どうしていつもおっぱいは膨らんでいるのか」「浮気で得をするのはオスかメスか」「ハゲの男は病気に強い」などといった人間の不思議を、動物行動学の知見から分かりやすく説明します。本書を読めば、色気や魅力、相性などといった人間の謎が、クリアになるはずです。
(新刊JP編集部/金井元貴)