60年代の連続殺人事件を手がかりに社会を分析した名論考―【書評】『まなざしの地獄』 2008年12月24日 0時配信 ツイート シェア 本書は1968年から69年にかけて日本を震撼させて連続射殺事件を手がかりに、当時の日本社会の実態と、都市の非条理を浮き彫りにし、個人―特に青年たちの「生」の実像的意味を分析した論考書である。 時は行動経済成長期。「金の卵」として東京にやってきた青年たちにとって、上京は「自己解放」をも意味す...