だれかに話したくなる本の話

自由人・高橋歩が日本一人旅で見た景色とは?―【書評】『愛しあおう。旅にでよう。』

1972年東京生まれ。自由人。」
 本書はそんな肩書を持つ著者・高橋歩氏がつづる旅ノートである。誰もが一度は憧れたことがあるだろう「自由人」を名乗る著者は、その肩書を読んでも自由そのものだ。

 大学中退、アメリカンバーの経営、自身の自伝を出すための「サンクチュアリ出版」の設立。26歳で結婚。結婚式の3日後、すべての肩書きをリセットし、妻とふたりで世界一周の旅に出る。その後、沖縄に移住し現在はゲストハウスやアートなどを扱う会社、4社の代表として、2児の父として、世界を気ままに漂流している。

 そんな高橋氏がコースも、目的地も決めず、ナビも持たず、沖縄から北海道まで一人旅を楽しむ。世界を旅した彼が見る日本とは。2人の子供と妻をおいて出る一人旅とは。

 スタートは沖縄。懐かしいような寂しいような写真をめくりながら、いつ自分の地元が現れるかドキドキしながらページをめくっていく。

 この旅ノートを読み終えると、「家族」「愛」「自由」のフレーズが頭に残った。それは一人旅の寂しさと解放感から認識できるものかもしれない。
(新刊JPニュース編集部)

◆『愛しあおう。旅にでよう。』
著者:高橋歩
出版社:A-Works
定価(税込み):1470円
発売中