だれかに話したくなる本の話

未公開写真と回想によりジョン・レノンを語る―【書評】『ジョン・レノン ロスト・ウィ−クエンド』

1973年秋から75年初頭の約1年半を、ビートルズのメンバーであったレノンは“lost weekend”つまり、「失われた週末」と表現している。
 妻であるオノ・ヨーコと別居生活を送っていたこの時期をレノンと一緒に過ごし、公私の両面で支えたのが、本書の著者であるメイ・パン氏だ。

 本書では、長年、靴箱に入れられてクローゼットの中にしまわれていた未公開写真とレノンの近くにいたメイ・パン氏ならではの貴重なエピソードが公開されている。
 例えば、レノンがドラムをたたいている珍しい写真、息子と写っている父親としての顔、メイ・パン氏や友人と過ごしている楽しげな写真、そしてメイ・パン氏と過ごしたアパートの様子やレコーディングの様子を綴った文章など、当時過ごした日々が描かれている。

 多くの貴重な写真に回想を加えた本書からジョン・レノンの素顔を垣間見られるのではないだろうか。
(新刊JPニュース編集部)

◆『ジョン・レノン ロスト・ウィ−クエンド』
著者:メイ・パン
翻訳者:山川真理
定価(税込み):2940円
出版社:河出書房新社
発売中