だれかに話したくなる本の話

東京タワーを通して日本の50年を振り返る―【書評】『東京タワーが見た日本 1958‐2008』

近年、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などで話題となった東京タワー。昭和のノスタルジックな世界を象徴し、昨年で50周年を迎えた日本を代表する建物だ。

 本書では、5人の作家たちによる東京タワーにまつわる短編小説、一般公募された東京タワーのエピソード、東京タワーが建設されていく様子やライトアップされた東京タワーを撮影した写真を掲載。

 そしてダッコちゃん人形や「ドラゴンクエスト」ブーム、バブル景気など日本で流行したモノや出来事を写真や資料を交え、東京タワーが見た50年間の日本を紹介している。東京タワーは電波塔、観光名所という役目以上にたくさんの人に思い出や感動を与えてくれていることが伝わってくる。

 2011年地上デジタル放送完全移行後、東京タワーはどうなるのか明確に決まってはいない。しかしこれからも日本を代表する存在であり続けてほしい。333メートルの高さから日本を見ていてほしいものだ。
(新刊JPニュース編集部)

◆『東京タワーが見た日本 1958−2008』
著者:堺屋太一
出版社:日本経済新聞出版社
価格(税込み):¥1,995
発売中