だれかに話したくなる本の話

「ビタミンC大量点滴療法」とガン治療の現在を知る一冊―【書評】『ビタミンCはガンに効く』

ンは日本人の2人に1人がかかる病気だ。この数字を見ると、私たちにとってガンは決して他人事ではないことが分かるだろう。

 ガンの治療薬では抗がん剤や放射線治療が一般的だが、治療中は髪の毛が抜けるなど副作用が強い。副作用がどうして起こるかというと、抗がん剤や放射線はガン細胞を攻撃するだけでなく、健康な細胞も攻撃して破壊してしまうからだ。

 そして現在、ガン治療である栄養素が注目されている。それが、「ビタミンC」だ。ビタミンCによる治療法は副作用がほとんど起こらない。

 点滴によってビタミンCを投与し、血中のビタミンC濃度をあげる。すると、抗がん剤や放射線治療の副作用の軽減してくれるという。また、正常な細胞には害を与えずにガン細胞だけを選択的に殺す働きもある。こちらは2005年にアメリカの国立衛生研究所によって研究が報告されている。

 ビタミンCは「肌荒れに効く」だけの栄養素ではなく、医療の分野で非常に可能性を含んだものであるということが分かる。2人に1人がガンにかかる時代、一読しておくだけでも、備えになる一冊だ。
(新刊JPニュース編集部)

◆『ビタミンCはガンに効く―「ビタミンC大量点滴療法」のすべて』
著者:澤登雅一
出版社:ディスカバー・トゥエンティワン
定価(税込み):1050円
新書判/発売中