だれかに話したくなる本の話

書き下ろし小説と撮り下ろし映画が1つになってリリース―業界初の試みをレポート

累計約600万部を売り上げる人気ミステリー・エンターテイメント小説『千里眼』シリーズの最新作『千里眼 キネシクス・アイ』が3月25日に刊行される。

 臨床心理士であり元・航空自衛官の岬美由紀を主人公とする本シリーズは今年で10年目。そんな節目の年に刊行される『千里眼 キネシクス・アイ』は、書き下ろしの小説と撮り下ろしの映画DVDをセットにし、一つの作品としてリリースするという、これまでの常識を打ち砕く新しい試みがなされている。

 新刊JPニュース編集部は、3月16日に角川書店で行われた『千里眼 キネシクス・アイ』記念試写イベントに潜入。この話題の作品の核心に触れるべく、取材を試みた。

 まず、主演の奥田恵梨華さんが現れ、映画内で頻繁に登場する自動車「アストン・マーティン・DB9」の前で写真撮影。



 『サラリーマンNEO』(NHK)や、3月28日公開予定の映画『鑑識・米沢守の事件簿』など幅広く活躍する奥田さん。その美貌に目が釘付けになってしまった。

 続いて、場所を移動して記者会見が行われた。


 記者会見には奥田さんのほかに、『千里眼』シリーズの作者である小説家の松岡圭祐氏や、角川書店代表取締役社長の井上伸一郎氏も同席。(写真:左から奥田さん、松岡氏、井上氏)


 著者の松岡氏は、「映画を先に観ても、小説を先に読んでも満足できる作品を作るのはとても骨が折れたが、自分の脳の中を映像化させる機会が持てたことは刺激的だったし感謝している」とコメント。

 この「映画と小説を一緒に」というアイデアは井上氏が松岡氏と昼食をとっているときに湧いてきたアイデアであるとか。


 奥田さんは「主演の岬美由紀を演じるのは楽しかったし精一杯やったけど、終わってみると“もっとこうすればよかった”と思うところもある」と、女優としてのプライドを覗かせた。


 最後はフォトセッション。小説と映画を一つに、という試みは業界初ということで、御三方の表情には“やり遂げた”という充実感が漂っていた。

 熱狂的なファンが多いことで知られる『千里眼シリーズ』。
 記者会見の後には映画版の試写会が行われたが、会場に詰めかけた人々は皆満足そうに帰って行った。

 書き下ろし小説と撮り下ろし映画が1つになって価格は2520円(税込み)。
 これまでありそうで、でも誰もできなかった究極のメディアミックスが3月25日、いよいよ人々の手に渡る。
(レポート/山田洋介)