だれかに話したくなる本の話

宮部みゆきさんの『孤宿の人』ノベルス版が大ベストセラーに 若い人に受け入れられる

歴史専門出版社の新人物往来社より刊行されている小説『孤宿の人(こしゅくのひと)』のノベルス版がベストセラーとなっている。著者は直木賞受賞作家である宮部みゆき氏。上下巻の2部構成で定価各924円(税込み)。新書判。

 本作は2005年6月に同社から刊行されたハードカバー版を、新書サイズであるノベルス版にして再び刊行したもの。新人物往来社としては初のノベルス版での刊行物で、今年5月23日の発売以来、約1ヶ月で上下巻合わせて26万部を突破した。もともとハードカバー版でも上下巻合わせて29万部を売り上げたが、このノベルス版はそれをはるかに超える勢いだという。
 新人物往来社は本作の人気について、「宮部みゆきさんの小説は根強い人気がありますが、この小説は宮部さんの時代ミステリーの最高峰と言ってもいいでしょう。その作品がノベルス版になり、若い人たちが値段的にも気軽に購入できるようになったことがベストセラーになった理由だと考えています」と分析する。
 また、同社初の新書サイズでの刊行については「このサイズの書籍は若い人に読まれているという印象があります。今回、新書判の書籍を出せたことで出版社としての選択肢が非常に広がったと思います」とコメントしている。