だれかに話したくなる本の話

日本サッカーのレジェンド「キングカズ」に学ぶ、挫折を乗り越えるための姿勢

日本サッカー界のレジェンドといえば「キングカズ」こと三浦知良選手だ。

プロ32年目となる今シーズン。
3月12日、第3節のザスパクサツ群馬戦で自身の持つJ2最年長得点記録を50歳14日に更新するゴールを決めた。

長きに渡り、プレーやパフォーマンスでサッカーファンを楽しませてくれるカズ。50歳となった今も、変わらずそのプレーで観る者を魅了し続けている。

そんなカズが、『BOA SORTE KAZU 三浦知良フォトブック』(三浦知良著、東邦出版刊)というフォトブックを今年2月に出版した。

カズの50年を振り返るという意味合いとは違う本書。冒頭で「僕は基本的に振り返ることが好きじゃない。後ろには夢がないからだ」と語るように、過去を懐かしむために企画された本ではない。
カズにとって昔の写真を見返す行為は、「過去を振り返るというより、かつての“今を必死に生きる自分“との対話に近い。過去の自分から刺激を受け、これからも一分一秒も無駄にせず、サッカーに打ち込んでいこうと気が引き締まる」ということなのだ。

15歳で単身ブラジルへ渡りプロ契約を果たし、Jリーグ創立時からスター選手として活躍し続けているカズ。だが、そのサッカー人生はご存じの通り、栄光ばかりではない。 1993年の「ドーハの悲劇」、98年、夢だったワールドカップ直前での日本代表落選…。ゼロ円提示も受けている。

大きな挫折を何度も経験し、その度に乗り越えてきた。
「挫折を何度も乗り越えてきた経験があるから、悔しさや失望感を、底から這い上がるエネルギーに変えられる力が自分にはあると思っている」とカズ自身も語っている。

サッカー選手に限らず、多くの人が成功と失敗を繰り返し、人生を歩んでいく。
カズが言うように、成功したときにおごるかおごらないか、失敗したときにあきらめるかあきらめないかで、その後に大きな差が出るのだ。

「もう一度J1でプレーするというのが僕の目標の一つだ」という。J2で戦う横浜FCのJ1昇格。そして、J1でカズダンスを踊る姿を見たいファンは多いだろう。

カズの言葉から刺激をもらったり、素晴らしい写真の数々を見て「ヴェルディ時代のコカ・コーラのロゴが入った緑のユニフォームが懐かしい」なんて思ったりもするかもしれない。

本書を読んで一番思うのは、サッカー選手としてはもちろん、人間として「カズはやっぱりかっこいい!」ということだ。そして、スタジアムに足を運んで、生でサッカーを楽しみたくなる1冊だ。

(新刊JP編集部/T・N)

BOA SORTE KAZU 三浦知良フォトブック

BOA SORTE KAZU 三浦知良フォトブック

キングカズ、50歳。プロサッカー選手。
待望の公式メモリアルブック。

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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