だれかに話したくなる本の話

3000キロの旅の末に捕獲され食べられる 絶滅危機のウナギの生涯

3000キロの旅の末に捕獲され食べられる 絶滅危機のウナギの生涯(*画像はイメージです)

悔やんでも取り返しのつかないことを悔やんだり、まだ起きていない未来のことを不安に感じたり…。

私たちが生きられるのは「今」のこの一瞬だけ。しかし、それでも過去を思い出したり、未来を想像せずにはいられないのが人間だ。こうした想像力は人間だけが授かった特権だが、想像力によって不安にさいなまれたり、過去を悔いて苦しんだりするのも、また人間だけである。

一部の哺乳類を除いた動物や魚、昆虫など他の生き物はそうではない。さまざま生き物たちの生涯と死にざまを紹介する『生き物の死にざま はかない命の物語』(稲垣栄洋著、草思社刊)をひも解くと、種に組み込まれた本能に従い、「今この一瞬」だけを生きる生物たちの姿が浮かび上がる。

生き物の死にざま はかない命の物語

生き物の死にざま はかない命の物語

テレビ、新聞、雑誌、SNS等で多数紹介されたベスト&ロングセラー『生き物の死にざま』、待望の姉妹編が登場!
涙なくして読めない科学エッセイ。

生き物たちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──
土の中から地上に出たものの羽化できなかったセミ、南極のブリザードの中、
決死の覚悟で子に与える餌を求め歩くコウテイペンギン…
生き物たちの奮闘と哀切を描く珠玉の27話。生き物イラスト30点以上収載。