ページトップへ

評価制度導入で会社は必ず伸びる

このエントリーをはてなブックマークに追加
アマゾンへのリンク『体の痛みが13秒でスーッと消える! すごい整体』

体の痛みが13秒でスーッと消える!すごい整体

  • 著者:
    上原 考一
  • 出版:
    SBクリエイティブ
  • 定価:
    1280円+税
  • ISBN-10:
    4797393351
  • ISBN-13:
    978-4797393354

本書の解説

肩や腰、首、背中など、長年使ってきた自分の体ですから、次第にあちこちに不調が出てくるのは仕方のないことです。

慢性的な体の痛みに対して「できれば完治させたい」と思うのは当然として、どうしても辛い時に「今、この瞬間だけでもいいから、少し楽になりたい」と願う場面も、きっと多いはず。

本書は、慢性化した体の痛みが我慢できないほど辛い時に、その場で症状を軽くして乗り切るための方法を授けてくれます。

腰や首、膝など、さまざまな部位を扱っていますが、たとえばデスクワークの大敵「肩こり」はこんな動きを意識すると、症状が楽になるかもしれません。

体の痛みにストレッチやマッサージは逆効果!

デスクワークによる肩こりの症状の多くは、首のつけ根から方や背中にかけての筋肉が、同じ姿勢を取り続けることによって疲労・緊張してしまうことが一つの要因となっているそう。ひどくなると、肩に痛みが出てきたり、吐き気や目まいをもよおしたりします。

こんな症状があると、ほとんどの人は自分で自分の肩を押したり叩いたりしますが、本書によるとこれはあまり意味がないといいます。ストレッチやマッサージにいたっては逆効果になることもあるようです。

肩こりの改善は、肩周辺の筋肉の緊張をとることに尽きます。そしてそのためには、患部を完全に脱力できる状態を作ることが大切になるようです。

では、具体的にどんなことをすれば、肩回りの筋肉の緊張をとることができるのでしょうか。本書で紹介しているのはとてもシンプルなやり方です。

まずは立ってひざを軽く曲げ、痛む方の肩に首を傾けてみましょう。こうすると、痛む肩がぶらんと下に垂れ下がるはずです。

その状態で、ゆらゆらと肩を前後にゆっくりと揺らします。やることはこれだけ。揺らし終えたら頭を正面に戻して、ゆっくり立ち上がりましょう。この動作を行うことで、肩から背中にかけての広い範囲の筋肉の緊張をゆるめることができるといいます。

痛みの改善のカギ「ゼロポジション」とは

本書の痛み改善法の基本にあるのは「ゼロポジション」という姿勢です。

先述の「肩こり」における、首を傾けて痛む方の肩を下にぶらんと垂らす姿勢のように、体のどの部分にも、痛みが消えたり軽減したりする自然な体勢があります。これが「ゼロポジション」で、患部がもっともラクでリラックスできる姿勢です。

本書では、このゼロポジションを作ってから、体をゆらゆらと揺らすことで筋肉の緊張をほぐすセルフケアを、体のさまざまな場所について解説しています。

慢性化した痛みは、完治させようと思ったら長い時間がかかることが珍しくありません。

「その前に、ちょっとでも楽になりたい」

そう考える人にとって、本書は得るものが多いはずです。

インタビュー

「猫背」も「脚組み」も悪ではない

――体の痛みが13秒でスーッと消える! すごい整体』についてお話を伺えればと思います。まずは上原さんが提唱されている「FS整体」とはどのようなものなのかを教えていただきたいです。

上原:「FS」というのは「フリースタイル」の略です。つまり、やり方を決めつけない整体、ということですが、実際は「やり方」というよりも「考え方」に近いんです。

一般的な整体やマッサージのほとんどは、体を揉んだり押したりというアプローチで行いますが、私はそれを一切やりません。なぜかというと、揉んだり押したりすることで、その部分の筋繊維が切れて炎症を起こしてしまうからです。それでかえって痛みが出てしまったりする。

―― それは、強く揉みすぎていたり、程度の問題ではないですか?

上原:いえ、肩こりや腰痛といった体の痛みを改善するには、その周辺の凝り固まった筋肉を弛めればいいので、本来揉んだり押したりする必要はないんです。

凝りや痛みを軽減するには、そもそもなぜその部分が凝っているのかと考える必要があります。全身の筋肉はつながって連動していますから、凝っているのが肩だったとしても、肩だけに問題があるとは限りません。足に問題があって肩に来ていることだってあります。

痛みの本当の原因に対処して、患部を揉んだり押したりすることなく痛む部分の筋肉を弛めていくのがFS整体の基本的な考え方です。

―― 今お話されたような整体の手法は独特なものです。この手法をどのように作り上げていったのかをお聞かせ願いたいです。

上原:僕自身がもともと20年以上椎間板ヘルニアを患っていて、悪い時は寝ることもできないような状態だったんです。もちろん歩けないし、パンツも靴下も自分ではけなくて、妻にはかせてもらっていました。

どうにかしたいと思っていろいろな治療院を渡り歩いても、とにかく寝てくださいと言われて、痛みをこらえてやっとの思いで寝たら、今度は上からグイグイ揉まれる。楽になりたくて行っているのにかえって辛い思いをすることに疑問を感じていました。

それで、自分で体のことや痛みについて、自分で試しながら勉強をするようになりました。たとえば、痛くて前屈ができないという時に、まっすぐ前屈するのは痛くてダメだけど、少しだけ体をねじって角度を変えるとできたりする。

こういうことを試行錯誤しながらやっているうちに「きれいに前屈ができなくても、すこし角度を変えてできるなら、それでもいいじゃないか」と思うようになったんです。つまり、痛みを抱えた状態でも自分が動きやすい動き方はあるわけで、それを探っているうちに最初はできなかったことが徐々にできるようになってくるということに気づいたんです。

もちろん、きちんとした整体の勉強も積んでいますが、それに加えて自分の体で試しながら今のスタイルになったというのが実際のところですね。

―― 動きで痛みを軽減するのはともかく、姿勢を変えることで痛みを軽減させることを繰り返していると、骨格が歪んだりしそうです。

上原:本でも書いているのですが、きれいな姿勢でいることが健康にいいというのは思い込みです。少なくとも、姿勢を正せば痛みが改善するわけではありません。

たとえば猫背にしたって、悪いことのように言われますが、あれは自分が楽だからあの姿勢に行きついているんです。

―― 猫背になっていることに気がつくと、つい姿勢を正してしまいますが、そのままでもいいんですか?

上原:ずっと猫背でいれば、姿勢を正した時には首や肩に張りや違和感を覚えるはずです。長時間同じ姿勢でいればそうなるのは当たり前で、それはそれでいい。私が言いたいのは、楽な体勢を求めて少しずつ姿勢を変えるというのは自然なことだということです。

これと同様に、椅子に座って足を組むことを、骨格がゆがむからよくないと思っている人がいますが、そんなことはありません。姿勢を正しく保てないことを気に病む必要はないんです。

―― しかし、姿勢について一般的に言われていることとはかなり違います。上原さんの整体院にやってくる方に説明してもなかなか理解されないのではないですか?

上原:そうですね。「僕は常識と真逆のことをやるので、それを否定するんではなくて、とりあえず受け入れて聞いてください」という話はしていますが、なかなか難しいです。

ただ、どんな人も「もっと楽になりたい、痛みをなくしたい」という思いは同じです。「楽になりたいなら、少しだけ僕の考え方を受け入れて、試してみましょう」というとわかってくれる方が多いですね。

―― 比較的年齢層が高めの方に向けて書かれた本という印象を持ったのですが、上原さんが考えている想定読者はどのような方々ですか?

上原:体に痛みを抱える人なら誰にでも役立つように作っていますので、特に年齢層を決めているわけではないです。

うちには中学生や高校生もたくさん来ます。スマホやパソコンを使う時間が増えたせいか、中高生でも腰痛や肩こりが出る子が増えているんです。

―― 先入観がないぶん、子どもの方が上原さんの整体理論を受け入れやすそうです。

上原:大人と比べるとかなり柔軟ですね。だから、やはり症状の改善も早いですよ。もともと子どもの場合は体が痛いといっても、大人ほどの体の狂いがないこともありますが。

ただ、やはり僕のところに来ている時間よりもそうでない時間の方が圧倒的に長いので、「来ない時にどう過ごすかが大事だよ」という話をして、生活習慣の改善を指導したり、本で書いているようなセルフケアの方法を教えたりしています。あとは日常生活での体の動かし方ですね。

―― 「体の動かし方」とはどのようなものですか?

上原:私たちが普段やっている日常生活の動作は、体の本来の構造に則していないものが案外多いんです。

たとえば、朝起きる時は仰向けの状態で体を起こすという人が多いと思いますが、これって腰にはかなり負担の大きな動きで、一度うつぶせになってから膝と腕を使って体を起こす方が断然楽なはずです。

―― なるほど。

上原:やってみるとわかりますが、椅子から立ち上がる時もそうで、まっすぐ上に立ち上がるよりも、少し頭を前に傾けて、膝から前に転がる感じで、一歩二歩足を立つ方向に出しながら立ち上がる方が楽です。

ぎっくり腰でうちに来た人でも、施術以前にこのやり方を教えるだけで椅子から痛みなく立ち上がれることもあります。

―― 体に痛みを抱える人は、負担の少ない動かし方を知るだけでもかなり状況は変わってきそうです。

上原:そう思います。だから、自分で自分の体を痛めないように、こうした動きについても教えています。

体の痛み改善のカギ「ゼロポジション」とは

―― セルフケアについてもお聞きしたいです。各部のセルフケアのくわしい方法はここでは省略しますが、基本的には「ゼロポジション」という脱力した体勢を作って、ゆらゆらと患部を揺らすことで筋肉を弛めていくということですか?

上原:そうですね。患部だけでなく、連動している周辺の筋肉も動くことになるので、広い範囲の緊張が緩んでいきます。

先ほどもお話しましたが、筋肉の筋肉はつながっていますから、患部の筋肉だけにはたらきかけてもダメで、その周りの連動する筋肉にもはたらきかけないと、根本的な解決にはつながりません。

―― 「ゼロポジション」というのはどう理解すればいいのでしょうか。

上原:要は患部がニュートラルな状態です。肩にしても腰や他の部分にしても、慢性痛の場合どんな体勢を取っていても痛いということはあまりないはずで、痛みがない楽な状態が必ずあります。それは、言い換えれば「可動域にあそびがある状態」ですから、そこから少しずつ動かして、可動域を広げていくということですね。

―― 「心因性の痛み」というのも初めて聞く言葉でした。

上原:これは脳の働きによるものです。 慢性痛の場合、長期間毎日痛みを感じ続けるわけで、それによって痛みが脳に刷り込まれるといいますか、脳が痛みを学習します。そうなると実際の状態以上に「痛い」と認識してしまうんです。本人も「この動きをすると痛い」と思い込んでしまう。

だから、痛みを改善するには、まず脳の痛みの認識を解除してあげないといけません。そこで、ゼロポジションが重要になるわけです。患部が痛くない態勢を作って、そこから少しずつ体の形を変えていくと、普段痛くてできなかった動きができたり、それまで曲がらなかったところまで体が曲がったりする。

それによって「痛くない、うごく」という感覚をもう一度脳に認識させることが痛みの改善には重要なんです。

―― 自然治癒力を高めることの重要性についても書かれていました。この自然治癒力を意識的に高める方法がありましたら教えていただきたいです。

上原:本の中では生活習慣についても書いていますが、まずは痛みが良くなるというイメージを持つことが回復を早めるためには大切です。

このイメージができている人は、「動きを変えたら痛みが軽減した」という経験をすると、それをきっかけにすごく良くなる。治る方向にスイッチが入るんです。

―― スイッチが入るというのは、先ほどのお話にあった「痛いという思い込み」が解けたということですか?

上原:そうですね。ただ、「ここを弛めればこの人の痛みは良くなる」というフィジカルな意味での「スイッチ」もあるんです。それを見つけて、痛みの改善のサポートをするのが私の仕事です。

―― 最後になりますが慢性的な体の痛みに苦しんでいる方々にメッセージやアドバイスをいただければと思います。

上原:今は様々な情報が錯そうしているので、情報に流されないようにしていただきたいですね。

情報自体は有用なものですが、人によって合う合わないというのは必ずあります。それに気づくためにも自分の感覚は大切にしていただきたいです。

体の痛みについても、様々な方法が情報として入ってくると思いますから、まずはいろいろ試してみて、効果があると感じたことをやればいい。今回の本で書いているやり方も、試してみて害のあるものではないので、ぜひやってみていただきたいです。
(新刊JP編集部)

簡単なポーズで痛みが取れた!イメージイラスト

書籍情報

目次情報

  1. 序章 「体の痛み」は自分で消せる!
  2. 第1章 痛みの記憶を「脳」からリセット
  3. 第2章 症状別 たった13秒で痛みが消える!
  4. 第3章 痛みと永遠にさよならする9つの予防習慣

著者プロフィール

上原 考一

著者近影

整体師。
一般社団法人ボディーバランス上原 院長。施術家歴14年。
これまでに、1万8000人を超える患者の痛みを解消。複数回の手術歴を持つ重度ヘルニア患者や、原因不明の腰痛と偏頭痛に悩まされ続けてきた現役の外科医、また、オリンピック選手として活躍するトップアスリートなど、つらい体の痛みに悩まされてきた患者たちから「最後の砦」と称され、厚い信頼を得ている。