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聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック

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本書の解説

知らないうちに難聴は進行している?今日からできる「耳の不調」の改善策とは

聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック

相手の話していることが聞き取れないことがある。日頃からキーンという耳鳴りがする。そんな人は、聴力の衰えや難聴が始まっているかもしれません。

2017年には、堂本剛さんが突発性難聴になったことを発表して話題に。また最近では、人気声優の明坂聡美さんが突発性難聴になり、役の降板と音楽活動の休止を余儀なくされました。

耳の不調や難聴は、加齢によって起きるものと考えられがちです。ところが、実際に、年齢とは関係なく誰にでも起こり得る症状。
意外に身近な耳の不調や難聴。一体、何に気をつければいいのでしょうか?

これまで3万人以上の耳の不調を治療し、『聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック』(学研プラス刊)の著者でもある今野清志氏は、「自律神経を整えること」が一番の改善方法だといいます。具体的にどうすればいいのか。本書から改善のためのポイントを紹介してみましょう。

「耳の不調レベル」をチェックしよう

難聴は知らず知らずのうちに進行していることが多いもの。そこで、まずは今の自分の耳の状態を知っておくことが大切です。
あなたは次のチェックリストにどれだけ当てはまっているでしょうか?

  • □ TVやラジオの音が大きいと言われることがある
  • □ アナウンサーの声やニュースは聞き取れるが、バラエティ番組の会話が聞き取れないことがある
  • □ 話し声が大きいとよく言われる
  • □ 後ろから声をかけられて気づかないことがある
  • □ 複数の人と会話でうまく聞き取れないことがある
  • □ 電話での会話は声が聞き取りにくい
  • □ ヘッドホン、イヤホンをよく使う
  • □ 雑音が多い場所で長時間過ごしている
  • □ よく耳鳴りがする

当てはまるものが「0~2個」の人は、今のところ問題ありません。
「3~4個」の人は、聴力が衰えているかもしれないので、生活習慣の見直しが必要かもしれません。
そして、5個以上当てはまる人は、耳の健康が損なわれ、難聴が進行している可能性があるようです。
意識的に対策を心掛けたほうがいいでしょう。

耳の不調を改善する「生活習慣」のポイント

人間の五感は、自律神経と深いかかわりがあります。
自律神経は、心臓や消化器官の働き、血液の循環、呼吸や体温調節など、生命維持の司令塔。そんな自律神経には、緊張や興奮したときに働く「交感神経」と、リラックスした状態や睡眠に作用する「副交感神経」があります。

耳は細やかな働きをして栄養を多く必要とする器官のひとつです。「二つの神経のバランスが崩れると、血流不足になって耳にもダメージが現れる」と今野さんは言います。

自律神経を整えるには、不規則でストレス過多な生活を見直すことが必要です。特に慢性的に疲れやストレスを抱えている人は、意識してリラックスする時間をつくることが大切。また、暴飲暴食を控え、少しでも運動することを心掛けたいところです。

しかし、生活習慣を変えるのはなかなか難しい、という人もいるのではないでしょうか。そんな人は、日頃から耳に入ってくる音を意識してみるといいかもしれません。

「自然音」を聴いて自律神経を整える

私たちが日常的に聞いている音は、大別すると「自然音」と「人工音」の二つがあります。

自然音は、6000ヘルツ以上の周波数が高い音で「高周波」が多いといわれています。
高周波は、音が響きあい、繊細でゆらぎのある脳にやさしい音。脳を活性化させて自律神経を整える働きがあるのです。

一方、人工音は、周波数が低く大雑把で単調な音が多い、脳が不快に感じる音。それが脳にストレスを与え、音を聴き取る感覚を鈍らせるのです。

最近は、自然を長時間流している動画やCDもあるので、そういったものを活用するのもいいですし、実際に、休日を使って海や山など自然が感じられる場所に出かけるのもおすすめです。

また、都心でも木々や噴水のある公園は、自然音に近い音を発している場所はあります。通勤通学中にイヤホンで音楽を聴くことをやめれば、鳥のさえずりや虫の声を聴くことができます。
試しに今日一日、どれだけ自然音を聴けるか耳を澄ましてみてはいかがでしょうか?
(ライター:大村 佑介)

疲れた耳の調子を整える「耳エクササイズ」

ほとんどの人があまり気にかけない「耳」の調子。目のように「かすんできた」「ぼやけてきた」といった自覚がしにくので、気づかない間に、聴力の衰えや難聴が始まっていることもあります。

近年では、イヤホンを使って大音量で音楽を聴くために起こる「イヤホン難聴」などもあり、耳の不調は、年齢を問わずに起こっています。そんな耳の健康を保つための方法を『聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック』(今野清志著、学研プラス刊)から、紹介していきましょう。

たまには耳を休ませる「耳リセット&耳トレ」

耳が疲れているときは、耳まわりの細胞への酸素と栄養が滞りがち。そこで軽いマッサージで血流を促してあげましょう。

  1. 1.両手の人差し指で、両耳を30秒、軽くふさぐ
  2. 2.次に、聴こえやすいほうの耳を軽くふさぎ、聴こえにくいほうの耳で30秒、音を聴く
  3. 3.今度は、2とは逆の耳で30秒、音を聴く
  4. 4.最後は両耳を使い、意識して音を聴く

「耳リセット&耳トレ」は、リラックスして、ゆっくり深呼吸をしながら行うのがポイント。また、目を閉じながら行うと、耳に入ってくる音に意識を集中しやすくなります。

耳まわりの血行を促進する「耳マッサージ」

耳が疲れているときは、耳まわりの細胞への酸素と栄養が滞りがち。そこで軽いマッサージで血流を促してあげましょう。

【上下マッサージ】
  1. 1.手のひらを頬に向けるようにして、耳の裏に親指、耳の前側に人差し指を置いて、耳の付け根をはさむ
  2. 2.親指と人差し指の腹が常に耳の付け根に触れるようにして、10秒間、耳全体を上下にやさしくさする(左右各10秒)
【前後マッサージ】
  1. 1.人差し指と中指で「V」の形をつくり、耳の前と後ろをはさむ
  2. 2.人差し指と中指の腹で側頭部に軽く圧をかけながら、耳を前後に揺らす(左右各10秒)

朝の通勤通学の電車の中、家事や仕事に一段落ついたお昼の休憩時間、夜の入浴中など、すきま時間を使って一日数回マッサージすることで、耳の疲れを癒していきましょう。

耳に効く「手のツボ押し」

手には耳の不調改善を期待できるツボが多くあります。いくつか紹介していきましょう。

【自律神経を整える「指間穴(しかんけつ)」】
指間穴イラスト

「指間穴」は、自律神経のバランスを整えるツボ。
両手の指を組んで、指の腹で10秒間、優しく揉みほぐすように押します。

【耳鳴りや難聴になったら「外関(がいかん)」】
外関イラスト

「外関」は両手の甲側、手首から指三本分の位置にあります。
反対の手で10秒間、ゆっくりと揉みほぐすように刺激しましょう。

【ストレス解消のツボ「合谷(ごうこく)」】
合谷イラスト

「合谷」は、親指と人差し指の付け根にあるツボ。ストレス解消、痛みや体のコリなど幅広い症状に効くと言われています。
反対の親指の腹で10秒間、揉んでいきましょう。

◇  ◇  ◇

今野氏は、「耳が不調をきたす最大の原因は血流の悪化」にあると言います。
24時間、細やかな働きをする耳は、そのぶん多くの栄養を必要とする器官のひとつ。血流が滞ると、耳まわりの細胞に栄養が届きにくくなり、十分な働きができなくなってしまうことも。
耳に不調を感じる人は、ちょっとした時間に耳のマッサージやツボ押しで「耳の血流」を促すことを習慣にしてみてはいかがでしょうか?

(ライター/大村佑介)

耳の不調を感じたら「サウンドメディテーション」で自律神経を整える

誰かと話していると、相手の言葉が聞き取りにくくなった。TVの音量がうるさいといわれる。よく耳鳴りがする……。そんな耳の不調は、自律神経の乱れが原因かもしれません。

人間のさまざまな器官をコントロールする働きを持つ自律神経は、疲弊して乱れると、五感の衰えにもつながります。五感の一つである「聴覚」も例外ではありません。
では、耳の不調を感じたら何をすればいいのでしょうか?

聴神経を刺激する「サウンドメディテーション」

聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック』(学研プラス刊)の著者、今野清志氏は、乱れた自律神経を整え、聞こえの悪さを改善するには、「サウンドメディテーション(音の瞑想)」が良いといいます。

特に自律神経のバランスを整える刺激になるのが「自然音」。

日常生活にあふれる「人工音」は、そのほとんどが低周波です。低周波は大雑把で単調。脳が不快に感じて、ストレスを生み、音を聴き取る感覚を鈍らせるといいます。
一方、「自然音」は、高周波です。音が響きあい、繊細でゆらぎのあるやさしい音は、脳を活性化させて自律神経によい影響を与えるといいます。

「自然音」を聴くのには、実際に自然のある場所へ出かけるのが一番ですが、動画やCDを活用するのもひとつの方法。動画であれば、「自然音 森」などと検索すれば、簡単に見つかります。

一口に「自然音」といっても、様々なロケーションがあります。そこでおすすめのロケーションと聴き方のポイントを紹介してみましょう。

気持ちを鎮める「森林」の音

森林の写真

森林の中にいると、小鳥のさえずり、草木のざわめき、やわらかな風の音など、様々な音色が聴こえてきます。実際に、森林の中にいるようなイメージで、五感を研ぎ澄ませながら森林の音を聴くことで気持ちが落ち着いてきます。
また、音が聞こえてくる方向や距離を感じるのもポイント。音の種類を聴き分けることで、耳の注意力を上げることができます。

ゆらぎが感じられる「海の波」の音

海の写真

海の波音は、心を穏やかにする音です。浜に打ち寄せるチャプチャプという静かな波。少し強い風によって打ち付けるような波。一定のリズムがあるようでないのが波の音の特徴。

波のように規則的な音と不規則な音が調和された状態を「1/f ゆらぎ」と呼びます。
このゆらぎの音は聞いているだけで自然と心が落ち着いてくるので、自分のリズムを整えるのにおすすめ。目を閉じて、広い海や青い空といったどこまでも広がる空間をイメージしながら聴きましょう。

副交感神経を活性化する「秋の虫」の音

秋の写真

秋の夜の音といえば、スズムシやコオロギなどの虫の声。
少し高い虫の声は、イライラしたり緊張したりした気分をすっきりさせるのにうってつけ。副交感神経が刺激され、リラックスすることができます。
虫が鳴き始めてから鳴き終わるまでの「音の変化」を感じるように耳を澄ませてみましょう。

日常にある音で「気づく」トレーニング

電車内の写真

自然のある場所になかなか出かけられない。もっと身の回りにある音で耳の調子を整えたい。
そんな人は、日常生活の中で、音に気づくトレーニングをしてみるといいでしょう。

私たちは普段、多くの自然音と人工音が入り混じった音に囲まれて生活しています。
たとえば通勤通学中には、自動車やバイクの走る音に交じって、スズメやハトの鳴き声、街路樹が風に揺れる音を聴くことができます。雨の日や川の近くを歩けば水の音を聴くこともできます。

また、人工音ではありますが、電車内に響く走行音には「ホワイトノイズ」という自然音の一種が含まれており、リラックス効果があるといいます。
こうした日常生活の中の「自然音」を意識して耳で拾っていくことで、耳のトレーニングになります。

◇ ◇ ◇

実際に自然の中に身を置くときは、目を閉じて、様々な音から自然そのものを感じ取るようにしてみましょう。 また、動画やCDで自然音を聴くときには、耳を澄まさないと聴こえないくらいの音量に設定します。そして、音から感じる情景をイメージして、どんな音が聴こえるかを意識するのがポイント。 1日1分でも良いので、リラックスして楽しみながら、継続的、定期的に聴くことが大切です。

(ライター/大村佑介)

書籍情報

目次情報

  1. 1自律神経を整えて 耳をよくする

    1. 耳鳴り・難聴で悩む人は2000万人以上います
    2. 耳鳴りは耳の悪化のサイン!
    3. 耳の不調チェックリスト
    4. 疲労、睡眠不足、ストレスが耳の不調を引き起こします
    5. 自律神経を整えれば耳の不調は改善できる
    6. 自然音=高周波で自律神経を整える
    7. 耳よりコラム1 難聴・耳鳴りを防ぐ、生活習慣【日常生活】
  2. 2「聴くトレ」で 耳の不調を改善

    1. 好きな音をどんどん聴いて五感を刺激しよう
    2. 本書付属CD収録リスト
    3. トラック 2・3 五感力を高める
    4. トラック 4・5 ゆらぎを感じる
    5. トラック 6・7 音の広がりを感じる
    6. トラック 8・9 低い音を聴き取る
    7. トラック 10・11 高い音を聴き取る
    8. トラック 12・13 音の遠近を感じる
    9. トラック 14・15 音の速さを感じる
    10. 耳よりコラム2 難聴・耳鳴りを防ぐ、生活習慣【睡眠】
  3. 3章 さらに耳がよくなる 耳トレ&マッサージ

    1. 耳トレ 1 耳リセット
    2. 耳トレ 2 耳のマッサージ
    3. 耳トレ 3 耳のツボ押し
    4. 耳トレ 4 手のツボ押し
    5. 耳トレ 5 首揺らしマッサージ
    6. 耳トレ 6 ホットスプーンマッサージ
    7. 耳トレ 7 腸揺らしマッサージ
    8. 耳よりコラム3 “第二の脳”を刺激して自律神経を整える
    9. 耳トレ 8 ワン・ツー・スリー呼吸法
    10. 耳よりコラム4 血流の流れを整えて耳の健康寿命をのばす

著者プロフィール

今野清志(こんの・せいし)

日本リバース院長。目と耳の美容室院長。目と耳の美容学院学院長。
中央大学卒 業後、東京慈恵会医科大学のアイソトープ科に出向して医学を学ぶ。
予防医学の 重要性に気づき、薬を使わない治療法の確立を目指し、中国北京国際針灸培訓中 心・中国中医科学院で中医学を学ぶ。現在は日本橋茅場町本院と東中野分院にて 施術を行う。
2001年に確立した独自のメソッドで、3万人以上の耳の不調を治療。
主な著書に『耳は1分でよくなる!』『自律神経は1分で整う!』( ともに自由国民 社)、『たった10秒の「耳トレ」』(SBクリエイティブ)など。