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見える化すればお金は増える!書き込むだけでみるみる貯まるマネバナノートの作り方

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解説

「幸せはお金で買える・買えない」論争に終止符をうつ決定的アドバイス

突然だが、あなたは今の年収に満足しているだろうか。

100%満足している人など稀で、多くの人は「もっと年収が上がれば……」と思っているのではないだろうか。

もちろん、年収が高いに越したことはない。しかし、数千万の年収を手にしながら家庭崩壊してしまう人もいれば、年収数百万でも穏やかに幸せな生活を送る人もいる。そう考えると、お金は幸せを運んでくれるとは限らない。

私たちはお金とどう向き合えば幸せになれるのだろうか。

まず「自分はどうお金を使えば幸せになれるのか」を明らかにする

「幸せはお金で買えない」と言う人がいる一方で、「お金がないから幸せになれない」と嘆く人がいる。冒頭でも書いたように、「お金と幸せの関係」については、一筋縄ではいかない問題だ。

そこで参考にしたいのが、『見える化すればお金は増える! 書き込むだけでみるみる貯まるマネバナノートの作り方』(集英社刊)の著者、長岐隆弘さんの「まずは、お金で買える幸せをきちんと『見える化』してみよう」という考え方だ。

「お金で買えない幸せ」がある一方で、「お金があれば手に入る幸せ」も確実に存在する。自分の場合、どんなことにどうお金を使えば幸せなのか?
これを把握することが「見える化」だ。

親を通じて自分の価値観を知る

本書では、この「見える化」のために、いくつかの質問を紹介。これらの質問に一つ一つ自問自答し、その思考プロセスをノートに記録していくことで、自分のお金に対する価値観が明らかになるという。

例を挙げてみよう。

  • 子どものころ、親からどんなふうにお小遣いをもらっていましたか?(お小遣いの頻度や金額)
  • あなたの親のお金の使い方を思い出してください。(出費を惜しまないものや、出費を渋るもの、自分もマネしたい使い方、マネしたくない使い方など)

これらはどちらも、あなたの親のお金に対する価値観を知るための質問。これによって、その親から影響を受けているはずの自分について考える足掛かりにするというわけだ。

「結局、自分はお金に何を求めているのか」を知る

さらに、質問例を紹介しよう。
今度は自分の価値観を知るための質問だ。

  • あなたの前に魔法のランプの妖精が現れ、「すぐに使い切らないと消えてしまうお金をプレゼントしよう!」といわれたら?ただし「貯金」は不可。
  • お金の使い方で「いいな」と思うものと「イヤだな」と思うものは?
  • あなたにとってお金とは何ですか?

これらを自問自答し、書き出していくことで、自分がお金に求めるもの、つまり価値観が見えてくるはず。本書ではさらに多様な質問を紹介し、「自分とお金」について考えるヒントを投げかけている。

「お金に振り回されない人生」を送る上で重要なのは、「いざお金を手にしたとき、自分は何をしたいのかを明確にしておくこと」だと説く長岐隆弘さん。
お金との付き合い方に悩んでいる読者なら気づきの多い一冊なのではないだろうか。

(新刊JP編集部)

インタビュー

不幸なお金持ちと幸せなお金持ち。両者の決定的な違いとは?

長岐さん高田さん写真

かつて、20世紀を代表する億万長者として知られ、「地球上の富の半分を持った男」と呼ばれた人がいました。映画『アビエイター』で、レオナルド・ディカプリオさんが演じた主人公のモデルとなったハワード・ヒューズさんです。

彼は18歳のとき、父の急死によって莫大な遺産を手にしますが、3度の結婚、麻薬中毒による深刻な精神衰弱など、波乱万丈な人生を送ったといいます。彼がお金によって人生を狂わされたとするのは早計ですが、「お金と幸せの関係」について考えずにいられないケースと言えるでしょう。

今回は、『見える化すればお金は増える! 書き込むだけでみるみる貯まるマネバナノートの作り方』(集英社刊)の著者・長岐隆弘さん、また長岐さんとともに「お金と幸せの関係」について考えるための場「マネバナ」を主宰する高田洋平さんにお話をうかがいました。

一筋縄ではいかない「お金持ち」の定義

―― まず、「マネバナ」がどんなものなのかを、ご説明いただけますか。

長岐:「マネバナ」という言葉には、「マネーの話」と「マネーの話を咲かせよう」という二つの意味を込めています。
現在、私たちは「マネバナラウンジ」といって、マネバナができる場を運営しているのですが、そこでは年齢も性別も職種も関係なく、様々な人がざっくばらんにお金について語らうことができます。

お金に対する考えを様々な人と交換し合い、他人の人生を疑似体験することで、それまで自分では気づけずにいたお金に関する「刷り込み」に気づきリセットできる。

マネバナの狙いは、お金をめぐる価値観を見直すことにあります。

―― たしかに多くの日本人は、お金の話をすることに後ろめたさを感じているため、そうやって改めて「お金の話をしてもいいですよ」と言ってもらえないと、お金の話をしづらい状況はあると思います。

高田:まさにそのような方々のために、こうした場をつくりました。またゆくゆくは、このような特別な場へ行かなくても、気軽にお金の話をできるような文化が日本中に広がっていけばいいなとも思っています。

「こういう異性がタイプ」「どういうシチュエーションで告白すると、成功確率が高くなるのか」といったように恋バナをする感覚で、マネバナがお金に関しての体験談や失敗談を気軽にシェアし合えるような場になればうれしいですね。

―― 本書では、マネバナを進めていくなかで、主宰者側から「あなたにとっての『お金持ち』の定義は何ですか?」と問いかけることもあると書かれていましたが。

長岐:はい。ただこの質問だけだと、ほとんどの方が、「欲しいものを欲しいだけ買える」、「棚買いできる」といった「何でも買える人像」をイメージしたような答え方しかできません。

そこで次に、「お金がいくらあったら、幸せですか?」という質問を重ねてみる。それでもまだ漠然とした答えであることが多い。大きく分けて、お金に自由を求める人と安心を求める人の2パターンがあります。

さらに、「具体的にどういう状況になれば、あなたは自由や安心を得られたと思えるんですか?」と問いかけて初めて、参加者がそれぞれにバリエーションに富んだ答え方をし始めます。

このように、お金について考えたり話すことで、「自分は、どんな人生を送りたいか」についての考えを深めることにつながるんです。

―― マネバナをすることで、自分の人生について考えざるを得なくなるというわけですね。ちなみに長岐さん流「お金持ち」の定義は、どのようなものでしょうか。

長岐:目的と目標があって、それを叶えるだけのお金があること、ですね。

―― そのような定義に辿り着いたのはなぜでしょう?

長岐:私は以前、銀行員の仕事をしていました。いわゆる「お金持ち」に会う機会も沢山ありましたし、銀行員という仕事柄、お金と真正面から向き合う環境にいたわけですが、そうした日々を送るなかで、「お金があるだけでは幸せにはなれない」と痛感したんです。

手元に100億円あったとしても、むちゃくちゃ不健康で「いつ死ぬか分からない」状態にあれば幸せとは言いがたいですし、親から莫大な資産を受け継いだとしても、お金を増やす方法を知らなければ、資産が減る不安にさいなまれる日々を送ることになる。

お金と幸せの関係は、「幸せはお金では買えない」、「お金がないから幸せになれない」など様々な考え方があるかと思います。でもまずは「お金で買える幸せ」をきちんと見える化することが重要、というのが現時点での私の結論なんです。

自分にとって何が幸せなのかをはっきりさせる。逆に、それさえはっきりさせることができれば、「じゃあ、その幸せを手に入れるために、いくら必要なのか」という具体的な額を出せる。これが、その人にとっての「お金で買える幸せ」です。

ここまでくれば、漠然とお金のことで悩むことはなくなる。この状態へ持っていくことが、「幸せなお金持ち」になるための第一歩だとも考えているんです。

―― 「幸せなお金持ち」とは、どのような状態を指すのですか。

長岐:使う額よりも稼ぎが多い、たとえば月に100万円使う人であれば、稼ぎが100万円以上あること。これがひとつ目の条件です。もうひとつは、月に100万円以上稼げる状態を一生涯にわたってキープし続けられることです。

ちなみに、ここでいう稼ぎには不労所得も含まれます。つまり、投資によって月に100万円稼げるのなら、それはそれでまったく問題ありません。

―― 今のお話を聞きながら、自分のなかには、「働いて稼ぐことが善」という思い込みがかなり強くあるなと感じました。

長岐:そういう方は少なくありません。以前マネバナに来てくださった、ある整体師の方は、親世代からの「一生懸命働ければ幸せになれる」という刷り込みが原因で人生に行き詰まりを感じておられました。

整体の仕事で思ったような稼ぎを得られない状況に対し、「自分の努力が足りないからだ」と自分を責めてしまっていたのです。でも、いくら努力をしてスキルアップをしても、いっこうに稼ぎは多くならない。

しかも、整体師に肉体労働的な要素が強いことを考えれば、これから歳を重ねるにつれ、どんどん仕事は辛くなってくるし、いつ働けなくなってもおかしくない。「身体が動かなくなる=稼げなくなる」という不安がどんどん大きくなっていたわけです。

でも、こうした不安と戦っている方は少なくないのではないでしょうか。「働けなくなったら、稼げなくなる」という不安はどんな職業にもつきまとうものですから。それに、いまの時代、「やりたいこと」だけで充分な稼ぎを得られている人なんて稀でしょう。

―― やはり、「やりたいこと」で稼げている人は稀ですか…。

長岐:そう思います。この整体師の方の場合、マネバナへの参加をきっかけに不動産投資を始め、本業以外の収入源を得たことで余裕ができ、本業が稼ぐための手段ではなく、社会貢献をするための手段になったそうです。

こうした例からも、投資等の活用によって収入源を複数持つことは、本業にも良い影響を与えるだけでなく、お金の悩みを解決する一つの方法になるといえます。

ひるがえって、このように投資効果をうまく享受するためにも、「そもそも自分の人生の目的は何か」をはっきりさせることが重要だと考えています。

「老後破産」への不安を断ち切る方法

長岐さん写真

年金生活をする高齢者世帯の7割が「老後破産」のリスクに晒されているとのデータもあるほど深刻化している、老後の経済問題。ここまで深刻化してくると、もはや誰にとっても他人事とはいいがたい状況です。

しかし、たとえば30代の読者にとっては、30年後、40年後の社会がどうなっているかなど未知数。もちろん備えがあるに越したことはありませんが、むやみに不安ばかりを募らせて「今」をおろそかにしてしまっては元も子もありません。

こうした不安をできるだけ小さくし「今」を充実させるために、お金とどう向き合っていけばいいのか。

あとで後悔しないためのお金との付き合い方

―― インタビュー前編では、マネバナをすることで、参加者が大きく価値観を揺さぶられるというお話がありました。ですが、参加者の年齢が上がれば上がるほど、その価値観を揺さぶることは困難なのではとも感じました。これまでの参加者のなかで最高齢はおいくつぐらいでしたか?

高田:50代の夫婦が参加してくださったことがありました。「いままではまったくお金に向き合ってこなかったけれども、定年退職が迫ってくるなか、残りの人生で実現したいことを考えたい」ということで。

そこでマネバナでは、旦那様ご自身、さらには夫婦で実現したいことについて話し合っていただきました。話し合ううち、実現したい目標がはっきりしてきて、旦那様が「今のままの働き方では実現できないだろう」と気づいて。

そこで初めて、「じゃあ目標を実現するには、どんな働き方がいいんだろう」という話になり、最終的には少しずつ投資を始めてみることになりました。

―― 「人生の棚卸し」という感じですね。

長岐:過去の延長線上だけで考えてしまうと、その先にある「ゴール」は見えてしまうもの。そして多くの人は、それが見えてしまった時点で、「本当はやってみたいこと」を諦めてしまうんですよね。

でも、現状はいったん置いておいて、やってみたいことを明確にし、そこから逆算して今やるべきことに落としこむ……という作業を丁寧にやれば、若かろうが老いていようができないことはない。これが私たちの考えです。

ここでのポイントは、積み上げ式ではなく逆算で考えられるようになること。そして、このような思考の転換を促すのがマネバナなんです。

―― マネバナをする前後で、思考のベクトルが真逆になるわけですね。

長岐:実際、参加者の方に「何をしたいのか?」と突き詰めて訊いていくことで、人生の目標を明らかにしてみると、「それ、巨万の富がなくても実現できますよね」という話に落ち着くことが少なくありません。

たとえば、世界一周旅行が目標なのであれば、せいぜい100万円ほどあれば実現できるよねといった具合にです。

いきなり「人生で実現したいことは?」と大上段に構えても難しいでしょうから、まずは「最高の一日の過ごし方」をイメージしてみる。次に、そのような生活にはいくら金が必要なのかを計算してみる。あとは、想定される残りの人生分だけ掛け算をすればいい。

たったこれだけのことで、「自分はいくらあれば幸せになれるのか」が明らかになるんです。間違っても「老後破産」などのような言葉に躍らされて、むやみに不安になるなんてことはなくなります。

―― たしかに、漠然と「お金持ちになりたい」と目標設定してしまうと、その目標に苦しめられそうです。逆に、「これだけのお金があれば幸せになれる」と定義できれば、必要以上にお金に振り回されずにすむんでしょうね。

高田:漠然と「お金持ちになりたい」と思っている人ほど、「何か勉強しなきゃ」と慌てて株の勉強を始めたりします。でもくどいようですが、そういうことをする前に、自分の価値観を明らかにすることが大事なんです。

長岐:まず「自分はどうありたいのか」をはっきりさせた上で、自分に合ったお金との付き合い方を選ぶというのが正しい順番だと思っています。

―― ちなみに、本作品は特にどのような読者に手にとってほしいと思われていますか。今、お話をうかがいながら、就職活動中の人などのように、何かしら人生のターニングポイントに立っている人にとって、役に立つ内容なのではと感じたのですが。

高田:まさに、そういう方に読んでいただきたいですね。あとは、婚活中の方にもうってつけだと思います。

昨今の婚活事情について関係者に話を聞いてみると、男性は「40歳以下の女性を」と言い、女性は「年収300万円以上の男性を」と言っていることが分かる。つまり、互いに見た目や年収などのスペックだけでパートナーを選ぼうとしているんです。

でも、「価値観の違い」が原因で離婚するカップルのなんと多いことか。要するに、結婚生活において大事なのは、スペックよりも価値観だということだと思うんですよ。

―― そこでいう価値観のなかには、当然、お金に対する価値観も含まれるわけですね。

高田:その通りです。たとえば、お金を貯めたい人と使いたい人が結婚したら、その先にはかなり辛い結婚生活が待っているでしょう。

だからこそ、マネバナを使って自分の価値観をはっきりさせた上で婚活に臨み、「この人だったら価値観が合うかも」という人と一緒になってもらいたい。こうした考えが婚活市場に浸透するだけで、かなりの数の離婚を回避できるのではと考えています。

―― いまのようなお話をうかがっていると、すでに結婚した若いカップルがどのようにマネバナを活用しているのかも知りたくなります。

高田:旦那様は銀行マンで結構な高給取り、奥様もファイナンシャルプランナーの資格を持っていて不定期ながらかなりの稼ぎを得ているという夫婦の例を話しましょう。

旦那様はかなり忙しく、朝の6時には家を出て、帰宅時間は22、23時という毎日。1日12時間労働はざらという感じ。ちなみに、「夫婦の夢は?」と尋ねてみたところ、「ハネムーン以来のアフリカ縦断旅行をしたい」とのことでした。

この夫婦は、すでに貯金が3000万円ほどあったのですが、それでも「もっとお金を貯めなきゃ」という思いが強すぎて、働きまくっていた。そこであるときにマネバナをして、「もう一度アフリカへ行くためには何が必要だと思いますか?」という問いかけをしたんです。

―― その結果、どういう話に行き着いたんでしょうか?

高田:「お金を稼ぐことよりも、夫婦の時間を作ることが大事だ」という話になりました。そこからさらに、「夫婦の時間を作れるような働き方って?」「自分たちの生活に最低限必要な額は?」と、次々に夫婦で話し合うべきテーマも出てきましたね。

このケースから言えるのは、マネバナによって夫婦のコミュニケーション量が明らかに増えているということ。当然、夫婦ともに日々の行動に納得感や充実感も感じやすくなります。このプロセス自体に幸福感を感じることができるというわけです。

―― 最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。

高田:「自分はお金がないから何もできない」といったような、お金に縛られるあまり不自由になってしまっている人にこそ、マネバナを使って少しでもポジティブになってもらえたら嬉しいですね。

長岐:お金との関わり方を考えるにあたって、つくづく大事だなと思うのが「順番」です。まずはお金で解決できる部分をはっきりさせて解決してしまえばいい。

そのためにも、まずは本書を使って、「お金についての自問自答」をしていただき、きっかけをつかんでいただけたらと思っています。

書籍情報

目次

  1. 第1章 お金に対する考え方を「見える化」しよう
  2. 第2章 あなたのお金の悩みを解決するには「マネバナ」が必要だ!
  3. 第3章 これがお金持ちになるための「究極の7つの質問」だ!
  4. 第4章 「究極の7つの質問」への答えによってあなたの“お金マインド”を「見える化」する!
  5. 第5章 マネバナを咲かせてお金を増やす7つのステップ!
  6. 第6章 マネバナノートであなたの夢は実現できる!

著者プロフィール

長岐 隆弘(ながき・たかひろ)

不動産鑑定士/不動産投資家プロデューサー
一般社団法人不動産投資家育成協会 代表理事
アセットライフマネジメント株式会社 代表取締役

メガバンク行員時代の知識と経験をもとに、不動産投資などの資産運用により、
月100万円以上の「お金を増やすしくみ」を築いて「経済的自由」を実現。
現在は不動産鑑定士として活躍するかたわら、
累計400名を超える不動産投資家を世に送り出す
一般社団法人不動産投資家育成協会の代表としても活躍。
どんな人でも、知識ゼロ、貯金ゼロから【5年間で現金資産1億円を築く】という
独自の投資理論は、将来に不安を感じるサラリーマン、OL、主婦、学生などの
投資家予備軍にも多大な影響を与え続けている。
不動産や資産運用に関する書籍を9冊出版しており、累計10万部を突破。
代表作に『銀行員だけが知っているお金を増やすしくみ』(集英社)がある。