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だから差がつく! やっぱり美人は、かかりつけの美容皮膚科を持っていた

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解説この本の解説

目鼻立ちが整っていても、肌がくすんでいて、疲れ切った顔をしている人と、顔の作りは普通だけど、肌がツヤツヤとしていて健康的な人。

実際に会ってみると、後者の方が魅力的にみえるものです。肌というのは顔立ち以上にその人の第一印象を決めるものなのかもしれません。

本書は、流行に流されない、本当にキレイになる肌ケアを教えてくれる一冊。

「毛穴パック」に「肌断食」など、話題のスキンケアにまつわるあんなことやこんなことを、あなたは知っていましたか?

「毛穴の詰まり」は取れば取るほど……

鼻の毛穴に角栓が詰まって黒く見える「イチゴ鼻」がイヤで、毛穴パックやピーリング石けんで角栓を取るのが習慣になっている人は多いかもしれません。

ただ、これを繰り返しすぎると毛穴の詰まりが頑固になり、次第に角栓を取ろうとしても取れにくくなってしまいます。結果、余計に毛穴が目立つことになってしまうかも。

本書の著者で、はなふさ皮膚科理事長の花房火月さんは、「角栓は、外部の雑菌などから毛穴を守るために、体が自然につくり出すもの。肌が健全に代謝をしていれば、自然に取れていきます」と、角栓を意図的に取ることのリスクを指摘しています。

また、毛穴の黒ずみを気にするあまり、コンシーラーやファンデーションで隠そうとするのも、逆効果なのだとか。それらが毛穴に残ると、酸化して黒く見えてしまうといいます。

「肌断食」をやってはいけない人とは

今、スキンケアの分野でブームになっているのが、化粧水や乳液、クリームなどの保湿製品をまったく使わず、せっけんで顔を洗うだけにする「肌断食」です。

「皮膚は本来、自分でうるおい、保護する力がある」ということで、あえて皮脂やホコリを洗い流すだけにするのが「肌断食」の考え方。これ自体はまちがったことではありません。

しかし、日本人にはもともと乾燥肌で、必ず保湿を必要とする人が10%ほどいるそう。このタイプの人が肌断食をしてしまうと、肌荒れがひどくなってしまいます。

「保湿が絶対に必要な人」かどうかを知るために、花房さんは「手のひらの親指のつけ根を見る」ことをすすめています。

ここにある細かいしわが、他の人と比べて明らかに深い人は、フィラグリンと呼ばれる天然保湿因子が少なく、肌が乾燥しやすいのです。

20代も…今女性に急増中の肌トラブルは「いぼ」

高齢者に多いイメージがある一方で、今20代~50代の女性に急増している肌トラブルが「いぼ」です。

いぼには加齢によってできるものと、ウイルス性のものの二種類。今増えているのは後者のウイルス性のもので、男性にはほとんど起こらず、女性だけに増えていることから、スキンケアや化粧の習慣が関連していることが予想されるといいます。

皮膚の免疫が低下すると、普段は感染しないようなウイルスにも感染しやすくなってしまいます。そして、皮膚の免疫を低下させている一因は「こすりすぎ」です。

洗顔や化粧の時、つい顔を強くこすってしまう癖がある人は要注意。肌を美しく保つためには「盛らない、焼かない、こすらない」が鉄則だと覚えておきましょう。

本書には、この他にも、肌本来の力を引き出すメソッドや生活習慣、化粧品選びなど、「マイナス10歳肌」を実現するための様々な方法が取り上げられていますが、最近では定期的に美容皮膚科にかかり、肌のメンテナンスをする人も増えているそう。

肌の衰えが気になる人、肌トラブルに悩む人は、自分のスキンケアが正しいかどうかチェックしてみるとともに、専門医に相談するという選択肢も頭に入れておくといいかもしれません。そちらについてのアドバイスも本の中でされていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

INTERVIEW著者インタビュー

肌のくすみやたるみ、シミやしわ。
女性にとって肌の老化は受け入れがたいものかもしれません。

だからこそ、最新の化粧品やスキンケアグッズは常にチェックしているという女性は多いはずですが、「それらにお金を費やすだけでなく、定期的に専門医にかかり、肌のメンテナンスをすべき」と語るのは、美容皮膚科医の花房火月さん。

今回は、花房さんの著書『だから差がつく! やっぱり美人は、かかりつけの美容皮膚科を持っていた』(雷鳥社刊)の内容を踏まえながら、その主張の理由について、そして効果的なスキンケア手法について語っていただきました。

著者 花房火月さん写真

クリームだけで十分!肌保湿の最適解

―― まず、本書をお書きになった経緯についてお聞かせ願えますか?

花房: 私の専門分野である美容皮膚科は、今世界的に注目されていて、先進国であればどこでも増えているのですが、その一方で美容皮膚科についての整理された情報はほとんどありません。

そういう事情で、美容皮膚科とはどんな科で、どんな施術をするのかということを、一般の方にもわかりやすく解説する必要があると思い、書かせていただいた次第です。

―― 確かに、美容皮膚科という名前はまだ日本では浸透していません。

花房: 昔からあるのですが、本格的に注目されはじめたのは10年ほど前からです。この10年で爆発的に増えている分野ですね。

―― 本の中で、肌のメンテナンスのために美容皮膚科に通う方が増えているとされています。一方で、こういったジャンルは美容整形外科の守備範囲と重なるようにも思えますが、両者の違いについて教えていただきたいです。

花房: たとえば手術によって目の形を変えるとか、もっと鼻を高くするなど、顔の形そのものを変える施術を行うのが美容整形外科です。それに対して、美容皮膚科はレーザーや注射などで、皮膚を若々しくきれいに整えるための施術をします。

大きなポイントは、美容整形外科の施術の多くが、一度行ってしまうともとに戻すことが難しいのに対して、美容皮膚科の施術は、効果の持続期間が長くても2年ほどで、万が一うまくいかなかった場合でも、いずれもとに戻る点です。これは大きなメリットだと思います。

美容皮膚科に通う方が増えている背景としては、高齢化があります。60代、70代になってもきれいでいたいという女性の方は多いですが、年齢的にいってもなかなか美容整形という選択肢は取りにくい。美容整形まではやりたくないけれど、きれいになりたいという人の受け皿になっているところがあるんです。

―― 美容は、特に女性にとって大きな関心事です。それだけに「肌を美しく保つ秘訣」といったことについては膨大な情報が飛び交っています。こうした情報のなかに、花房さんからみて間違っているのではないかと思えるものがありましたら教えていただきたいです。

花房: 「肌断食」は気になっていますね。あれはやってもいい人と、やってはいけない人がいるんです。

―― どういうことですか?

花房: 「肌断食」は、保湿も含めてスキンケアをやめることで健康な肌を取り戻すというものですが、元々が乾燥肌の人はきちんと保湿してあげないと、余計に肌を乾燥させて痛めつけてしまうことになります。

都内に限っても冬はとても乾燥しますから、元々乾燥肌でない方でも乾燥に伴う肌トラブルを発症しやすい状況です。特にこの時期は、保湿はしっかりしていただきたいですね。

―― 保湿というと、化粧水やクリームなどを何種類も重ねてつける方もいますが、花房さんはクリームだけで十分だというご意見ですね。

花房: 保湿剤のなかではクリームが一番理に適っているというのはあります。化粧水、乳液、クリームを全部つける方もいるのですが、医学的にはあまりメリットを感じません。単に保湿というだけであればクリームだけで問題ないと考えています。

―― 化粧品選びについてもお聞きしたいです。一朝一夕に効果が出るようなものではないため、どうしてもあれこれ試しすぎて、どれがいいのかわからない状態になる方が多いのではないかと思いますが、どういう基準を持って普段使う化粧品を選べばいいのでしょうか。

花房: これは難しい質問ですが、医師によるアレルギーテストをやったうえで、無添加、無香料のものを選ぶというのは前提としてやっておいた方がいいかなと思います。

―― 自分が「効きそう」と思ったものを買うべきというアドバイスがありましたが、こうした気持ちの部分が美容に与える影響についてどのようにお考えですか?

花房: 化粧品に限らず、気持ちはあらゆることに影響を与えます。高血圧や高コレステロールも、偽薬でかなり改善されますからね。

ニキビなども、40%くらいは偽薬でよくなってしまう。私は以前に、新薬の治験に携ったことがあるのですが、製薬会社が開発した薬の効果が、偽薬の効果にたびたび負けてしまうんです。もちろん、効き目のある薬を作りたくて開発するんですけど、それでも一定数は偽薬の効果に勝てず、お蔵入りになってしまう。

そういう意味で言えば、高価な化粧品を買って「やっぱりすごい!」となるのは、薬の成分的なものよりも「高価なものだから効くはず」という気持ちの部分が大きいように思います。

著者 花房火月さん写真

顔にイボができやすくなるNG肌習慣

―― 肌トラブルについて、最近相談されることの多いものはどんなトラブルですか?

花房: 酒左という赤ら顔の病気と、いぼですね。特にいぼの相談が多くて、なかでも「ウイルス性のいぼ」が増えているのではないかというのは、学会の方でも報告されています。

原因として考えられるのは、「肌のこすりすぎ」です。メイクや洗顔、スキンケアの際に肌をこすりすぎると肌のバリア機能が低下して、ウイルスに感染しやすくなってしまう。その証拠に、いぼが増えているのはもっぱら女性で、メイクをしないため女性より肌をこすらない男性は増えていません。もちろん、男性にもいぼはできるのですが、その多くはウイルスではなく、加齢性のものです。

―― 以前、知人の30代の女性から、「仕事からの帰り道に電車の窓に映った自分の顔を見ると本当に落ち込む」と言われたことがあります。こうした「夕方・夜の疲れた顔」の改善方法がありましたら教えていただきたいです。

花房: 夕方になるとむくんだり、逆に脱水気味で萎んだ感じになるということもあるのですが、夕方や夜の電車で窓に映る自分を見る時は逆光になって顔の陰影がはっきり出ますから、そもそも疲れた顔に見えやすいんです。

改善方法としては、適度な運動をするということと、美容皮膚科にかかってはどうですか、ということですね。疲れた顔を治すのは、美容皮膚科が得意とするところなので。

というのも、疲れた顔を改善するためには、まず血流をよくする必要があるのですが、運動によって毛細血管を増やして血流をよくするためには、30分以上の有酸素運動を週3回以上やる必要があるんです。これってちょっと厳しいですよね。

―― 確かに、働いている人は難しいかもしれません。

花房: 運動の効果を美容の方面で出すにはそれくらいのトレーニングが必要なんです。それだったらクリニックに来て定期的にメンテナンスした方が手軽ですよね、ということですね。もちろん、運動自体はやったほうがいいのですが。

―― 普段の生活で実践できる、肌を若く保つ習慣がありましたら教えていただきたいです。

花房: まず、タバコを吸わないこと。紫外線を避けること。肌をこすり過ぎないこと。化粧をしすぎないことなどでしょうね。

化粧品は基本的に肌の負担にならない成分が使われているはずなのですが、それでも毎日化粧をして落としてを繰り返していると、どうしても肌へのダメージは出てきます。

あとは、生活習慣の基本的なところですよね。運動する習慣をつけたり、規則的な睡眠を取ったりということは、やはり美容にも関係してくるので。

―― 紫外線を浴びすぎるとシミになりやすいと言われていますが、やはり可能な限り避けた方が肌のためにはいいのでしょうか。

花房: これは難しい問題を含んでいますよね。9月にオーストラリアのケアンズに行った時に見たのですが、日本人の女性はケアンズのビーチに来ても、長袖、長ズボン、サンバイザーという、紫外線よけの「完全防備」をしている方が多いんです。

肌のためにはもちろんその方がいいとしても、「そんなに紫外線を避けたいならなぜケアンズに来たのか?」という話でもあるじゃないですか。美白にこだわるあまりに人生を楽しめないなら、何のための美白なのか、という気もするんですよ。だから、紫外線に当たるのは避けるべきですが、ほどほどでいいのではないかと思いますね。

―― 最後になりますが、肌の不調に悩む方、肌の衰えが気になる方にメッセージやアドバイスがありましたらお願いしたいです。

花房: 肌の不調の場合は、美容皮膚科ではなく皮膚科にかかってください、というのが一つと、肌の衰えでしたら美容皮膚科にかかることをおすすめしたいですね。

加齢はもう「予防」できる時代です。同じ60歳でも、若々しい方と老け込んで見える方がいますよね。加齢というのは人生のどこかのポイントで急速に進むと言われていて、人それぞれにタイミングがあると考えられています。

そのタイミングを施術によって後ろにずらせば、一生若々しくいられるのではないか、という説が、今我々の分野では注目されています。早いうちから美容皮膚科で「予防」という形で定期的に肌のメンテナンスをしておけば、シワやシミがたくさんできてから来るよりもコスト的に安いというのもあるので、老化が始まる前に美容皮膚科にかかっていただきたいですね。
(新刊JP編集部)

著者 花房火月さん写真

INFORMATION 書籍情報

目次

  • はじめに
  • もくじ
  • 肌のしくみを知ろう~肌の構造~

第一章

外から補うなんて、効きめは微々たるもの、
「肌が持っている力を引き出す」これが正しいスキンケア
  • 「いつでも、どこでも、化粧水だけは欠かせない」そんなスキンケアを見直す
  • 「素肌」に必要なのは、ズバリ水分。肌には自分で保湿する力がある
  • スキンケアは「攻め」より「守り」。
  • 「盛らない、焼かない、こすらない」の3原則で、美しさをキープ
  • 「きれいにみせたい」と、メイクアップを盛り過ぎるのは負担になるばかり
  • 最低限必要なアイテムは、たった一つのクリームだけ
  • 肌老化の8割は紫外線が原因。だから、なにがあっても「焼かない」覚悟で挑む
  • 自分の肌は、宝物を扱うように優しく優しく触れる
  • 「きゅっきゅっ」と音がするのは洗い過ぎ。肌のコンディションで洗い方を変えて
  • 化粧品は思いこみも大切な要素の一つ。自分が気に入って「効きそう」と思うものを選ぶ
  • 高級化粧品、自然派化粧品などの、見ためや肩書きに惑わされない
  • COLUMN1日本の女性は、顔を洗い過ぎて敏感肌になっている!?

第二章

肌だけでなく心にも、健康にもいい
「大切にしたい9つの生活習慣」体全体で美肌をつくる
  • 「うれしい、美味しい、楽しい」感情表現をオーバーに。これだけでも表情筋が鍛えられる
  • チョコレート、ケーキなどのスイーツは、「心」のためにほんの少し
  • そもそも現代人は脱水ぎみ。肌をうるおわせたければ水を飲む
  • パスタにサラダ、おにぎりと春雨。こんなメニューではタンパク質が不足します
  • 食事で足りない栄養素は、サプリやスーパーフードを活用するのも手
  • 忙しくて深夜の帰宅。、そんなときはパックなどせず、さっさとベッドへ
  • これまで運動をサボりがちだった人ほど、体を動かせば、美肌効果を実感できる!
  • 体の中から美肌をつくるためには、腸内環境を整える
  • ストレスがたまると、毛穴も詰まってくる。イライラしたら、こまめに解消
  • COLUMN2最近まで半信半疑だった、生活習慣の驚くべき効果とは!?

第三章

流行りに惑わされないように
「敏感肌、毛穴、しみ、しわ、たるみ」の原因を頭に入れる
  • 「毛穴の詰まり」は、取れば取るほど、がんこになる
  • ブームの肌断食は、やってはいけない人がいる。
  • 敏感肌は現代病。あなたが自らつくり出しているのかも
  • 肌の悩みのダントツトップは「しみ」。日本人は複雑化しやすい
  • なぜか、女性に増え続けている肌トラブル、それは「いぼ」
  • 肌のたるみは、ほうれい線、マリオネットライン、ゴルゴラインなど、深いしわを進行させる
  • COLUMN3女性皮膚科医だけがやっているスキンケアとは!?

第四章

なんでも相談できるドクターを持つ
「美容皮膚科の“日常”使い」で美をキープ
  • 肌トラブルには、自分で解決できることと、できないことがある
  • 肌で悩んでしまったら、皮膚科と「美容皮膚科」、どっちに行けばいい?美容皮膚科でできること
  • 「つくり変える」のが美容外科。「美のポテンシャル」を引き出すのが、美容皮膚科
  • 美容皮膚科とエステは別物。医療行為ができるのは、美容皮膚科だけ
  • かかりつけの美容皮膚科を見つければ、マイナス10歳も夢じゃない
  • 美容液だけで年間約12万円。フォト治療なら、しみ、しわ、たるみに効果があって年間8万円
  • 美容皮膚科で解決できること(悩み別 しみ 種類)
  • 美容皮膚科で解決できること(悩み別 しみ 治療法)
  • 美容皮膚科で解決できること(悩み別 しわ 種類)
  • 美容皮膚科で解決できること(悩み別 しわ 治療法)
  • 美容皮膚科で解決できること(悩み別 たるみ 種類)
  • 美容皮膚科で解決できること(悩み別 たるみ 治療法)
  • 万能選手ヒアルロン酸でできること
  • 前より状態が悪くなるってホント!?
  • ヒアルロン酸でできる治療(涙袋・くぼみ・くま)
  • 実は出番が多いボトックスでできること
  • ボトックスでできる治療(なめらか肌・たれ目・口もと)
  • ボトックスでできる治療(小顔)
  • 美容皮膚科でできるその他の治療(まつ毛、いぼ・ほくろ、脱毛、脇汗、薄毛)
  • 用語解説
  • COLUMN4日本は美容大国だった!?

第五章

あなたの美を底上げするもの
それは「きれいになりたい」という気持ち
  • 最も大切なのは、年齢を重ねることを恐れないこと
  • 赤ちゃん肌は目指す美肌ではない。理想はマイナス10歳
  • 肌は立派なコミュニケーションツール。人間関係をも左右する
  • 知っていましたか?美容皮膚科の治療は、伝統的な日本の価値観にマッチする
  • あなたは本気で「きれいになりたい」と思っている?きれいになることを恐れない

著者プロフィール

著者近影

花房火月

医療法人社団 清優会 はなふさ皮膚科 理事長
皮膚科において、低侵襲手術の独自性および術式を広めた実績が評価され、皮膚科医としては唯一、The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人(100Next-Era Leaders IN ASIA2015-2016)に選出される。
日本人皮膚科医として国際的に評価されるのは、きわめて異例のこと。