ページトップへ

身体が甦るファンクショナルセラピー【アロマ編】

このエントリーをはてなブックマークに追加
アマゾンへのリンク『身体が甦るファンクショナルセラピー【アロマ編】』
  • 著者:ロバート ジョー, メグミ ジョー
  • 出版:ポエムピース
  • 価格:3,800円+税

本書の解説

季節の変わり目ということで、体調を崩しやすい時期。
なんだか調子が良くないと感じたり、夜よく眠れなかったり、普段と違う原因のはっきりしない体の不調を感じている人は多いかもしれません。

こういう漠然とした体調不良の原因としてよくあげられるのが「自律神経の乱れ」です。
しかし、自律神経とはなぜ乱れ、それはどのようにしてわかるのでしょうか。

自律神経の乱れ 6つの原因

身体が甦るファンクショナルセラピー【アロマ編】』(ロバート・ジョー、メグミ・ジョー著、ポエムピース刊)では、自律神経を乱すストレス源として、

  • ・ウィルス
  • ・バクテリア
  • ・寄生虫
  • ・カビ
  • ・重金属 / 化学物質
  • ・食物

の6つをあげています。自律神経の乱れというと「不規則な生活」が原因として挙げられがちですが、その外にも原因はあるようです。

では、自分の自律神経が乱れているかどうかはどのように確かめればいいのでしょうか。
ここでは本書の中で自律神経の乱れがわかる手法として紹介されている、筋肉を使ったテストを紹介します。

テストに使える筋肉を探す

この筋肉テストは体のどの部分を使ってもできる訳ではないそう。まずは使える筋肉を見定める必要があります。

たとえば脇腹の筋肉が使えるか確かめるなら、

  1. 1. 片方の手を体の脇にぴったりつけた状態でまっすぐ立つ(「気をつけ」の姿勢)
  2. 2. もう一人に背後からその手を体から離すように負荷をかけてもらう。

この時に手が体から離れずに抵抗できればOK。脇腹の筋肉は正常に機能しているため、テストに使うことができます。

同様の動きを、今度は片方の手で「おへそ」を押さえた状態で行います。その状態で体の脇につけた方の手が体から離れたら、それは自律神経が正常に働いているということ。逆に体に着けたまま抵抗できてしまったら、自律神経が乱れているということなのだと本書に書かれています。

ここでは脇腹の筋肉を使ったテストを紹介しましたが、本書では体の他の部位についてもテストに使えるかどうかを見定める方法や、テストの方法を紹介しています。

また、自分の自律神経を乱している要因の見極め方やアロマオイルを活用した改善方法についても解説。病院にいっても原因がはっきりせず、改善もしない体の不調を抱えている人は参考にしてみるといいかもしれません。

インタビュー

アメリカ発の「ファンクショナルセラピー」とは

――身体が甦るファンクショナルセラピー【アロマ編】』についてお話をうかがえればと思います。まず、本書をお書きになった動機のところからお聞きしたいです。

ロバート:私は長くアメリカでカイロプラクティックドクターをやっているのですが、ここ数年昔と同じことをやっていても、以前より患者さんの治りが悪くなってきているのを感じていました。

ケガをしたとか、筋肉が固まっているというのではなくて、体の調子が悪いんだけど病院に行っても原因がよくわからないと。ただ本人の感覚としては調子が悪いので、私たちのところに来るんです。そういう人たちに対して何かできることがないかという気持ちをずっと持っていたんですね。

―― 日本ではカイロプラクティックをやる方はドクターとは別なのですが、アメリカではドクターという扱いなのですか?

メグミ:そうです。日本でいう医師にあたるのはアメリカでは「メディカルドクター」というのですが、カイロプラクティックも国家資格の必要なドクターです。アメリカは州ごとに法律が違って、ドクター資格の内容も州によってバラバラなのですが、夫はカリフォルニア州とハワイ州の資格を持っています。

―― 先ほどおっしゃったような原因のわからない体の不調を抱えた方に対してどんな治療をされていたのでしょうか。

メグミ:元々夫はキネシオロジー(筋肉応用学)を使った治療をしていたのですが、それに加えて食事療法を指導するようになりました。ただ、食事療法って続けるのは大変で、みなさん途中でやめてしまうんです。

それで考えたのがサプリメントを使った治療でした。サプリメントなら食事療法よりも手軽ですし、アメリカの人はサプリメントを摂ることには慣れているというのもありますしね。それで自然のものに近い栄養素の摂れるサプリメントを探して患者さんに出し始めたら、調子が良くなったという方が増えたんです。

その手法を今回の本で伝えたかったというのが一つあるのですが、うちで扱っているサプリメントはドクターしか買えないもので、一般の方が手に入れられるものではありません。まして日本には薬事法もありますしね。

じゃあどうしようかとなった時にサプリメントをアロマオイルで代用できないかと考えました。私はアロマセラピストの資格を持っているので、その知識を使えないかと思ったんです。それを夫に話したら「できるかもしれない」と。

―― それでこの本で解説されているメソッドができあがった。

ロバート:もう一つ自律神経についてもっと知ってほしいという気持ちもあります。サプリメントにしてもその他の治療にしても、自律神経が機能していないと体は反応してくれません。自律神経というのはいわば体のオン・オフのスイッチなので、ここをきちんと機能する状態に戻すことが体の不調を改善するポイントなんです。

―― タイトルにある「ファンクショナルセラピー」とはどのようなものなのでしょうか。

ロバート:簡単に言えば「体の不調について、何が本当の原因なのかを突き止めて体が元の状態に戻るように改善していく」というものです。頭痛がするからといって頭痛薬を飲むだけでは頭痛の本当の原因を除去することにはなりません。

自律神経についても、自律神経が働かなくさせているストレス源を発見して除去しないことには改善しませんし、本人はいつまでも原因のわからない不調を抱え込んだり「未病」の状態になったりする。このストレス源の特定と除去の方法を伝えたかったんです。

―― 日本ではあまり耳にしない言葉です。お二人が活動されているカリフォルニアでは「ファンクショナルセラピー」とは一般的な言葉なのでしょうか。

ロバート:一般的とは言えません。こっちでも「こんな治療をしてもらったのは初めて」とおっしゃる方は多いですね。アメリカでもカイロプラクティックの治療院というと、骨を鳴らしたり患部に電気をあてたりといった場所をイメージされやすいです。

―― カイロプラクティックは日本では民間療法として扱われています。民間療法というと時に怪しげな治療法だと否定的に捉えられがちなのですが、アメリカではいかがでしょうか。

ロバート:アメリカでもうさんくさいと言う人はたくさんいます。昔の日本にあったような「びわの葉を喉に貼ればのどの調子が良くなる」的な民間療法はアメリカにもたくさんありますしね。

ただ、一方で盛んになりつつある分野でもあります。民間療法の目的は、人間が持っている自然治癒力を高めることだと思いますが、それに関する本はアメリカでは増えてきています。

メグミ:お医者さんから出された薬に対して疑問を持つ人や、薬を服用しているのに治りが悪いと感じている人が増えている感覚は、うちにくる患者さんを見てもあります。民間療法についての関心が高まっているのにはこういう背景もあるのではないかと思います。

―― 民間療法にはさまざまなものがありますから、興味があってもどれを選べばいいかわからないところがあります。

メグミ:食事療法の話と似ていますけど、たとえば「どくだみの葉をすりつぶして飲め」と言われたとして、たとえ何かに効果があるとしても続けるのは難しいですよね。基本的には民間療法は習慣として続けることで自然治癒力を高めていくというものなので、続けられないようなことは基本的に向いてないと思います。「続けられそうなものを試してみる」というのは一つの選び方ではないでしょうか。

ロバート:まずは自分の体の状態を把握して、何が適しているのかを知っておくことも大切だと思います。今回の本では自分の体にどんなものが効いて、何が必要とされているのかを探し出すための筋肉反射テストについて解説しているので、参考にしていただきたいですね。

自律神経を乱す「ストレス源」に注意

―― 先ほどロバートさんのお話にありましたが「自律神経」がこの本のテーマの一つです。本の中で「自律神経のスイッチが壊れる」という言い方をされていましたが、これはどんな状態なのでしょうか。

ロバート:自律神経には交感神経と副交感神経があって、それが状況によって切り替わるようになっているのですが、「自律神経のスイッチが壊れる」というのは、この「オン・オフ」がうまく機能していない状態を指します。

こうなると薬にしてもカイロプラクティックにしても、体への働きかけに対して反応が悪くなってしまうんです。

―― 自律神経を乱す「ストレス源」についての記述が興味深かったです。本の中ではストレス源について「ウィルス」「バクテリア」「寄生虫」「化学物質」「重金属」「食物「カビ」など7種類挙げられていましたね。こうしたものを可能な限り体に入れないようにどんなケアをすればいいのでしょうか。

ロバート:まず7種類のストレス源をすべて体に入れないようにするのは難しいです。ストレス源の一つに「化学物質」がありますが、洗剤やシャンプーに化学物質が入っているだけならそれを使わなければいい。ただ空気中にも入っていますから、それはどうしたって体に入ってしまうわけですし、それが長年蓄積されるとやはり自律神経が乱れる原因になります。

だから、「いかに体に入れないか」よりも「いかに体から出すか」ということを考えた方がいいと思います。水分を多めにとって排出する工夫をするのもいいでしょうし、今回の本でもアロマオイルを使ってストレス源を除去する方法を紹介しているので参考にしていただきたいですね。

―― 乱れてしまった自律神経は自然に回復することはないのでしょうか。

ロバート:それは難しいと思います。免疫力を高めることで一時的に調子が良くなることがないとは言えませんが、それはあくまで一時的な症状の改善です。基本的には体に入っているストレス源を取り除かないことには乱れた自律神経やそれに由来する不調は回復しないと思います。

―― 「自律神経の乱れ」というと生活習慣や環境によって起きるものだというイメージがあったのですが、必ずしもそれだけではないと。

ロバート:もちろん過労や生活習慣でも自律神経は乱れます。ただその場合、原因がはっきりしていますから、そこを改善するしかない。今回の本で対象にしているのは、生活習慣は乱れていないし、環境的なストレスも感じていないのにどこか体調が悪いという人です。

メグミ:日本ではあまりなじみのないセラピーなので、一般の方にいかにわかりやすく伝えるかが今回の本のテーマでした。入れられるならそちらのお話も入れたかったのですが、内容がごちゃごちゃしてしまうのは避けたいということで、環境ストレスや精神的なことと自律神経の関係については書かなかったんです。

―― 最後に本書の内容を踏まえてメッセージをいただければと思います。

ロバート:病院に行っても不調の原因がわからず悩んでいる方は多くいらっしゃいます。そういった方々にこの本が役立つならうれしいですし、セラピストの方々にもこの本のメソッドを知っていただいて治療に役立てていただけたらと思います。

同じ症状が出ていても、人によって原因は異なるものです。一人ひとりが自分の症状の原因を突き止め、対処する方法を身に着けていただきたいですね。

メグミ:この本でのアロマオイルの使われ方は日本ではあまりなじみのないものかもしれませんが、フランスなどヨーロッパ数カ国ではアロマオイルは医療に使われています。この本を通じてアロマオイルが本当に持つ力を感じていただきたいですし、リラックス目的とか精神的な効果を目指すものとは別のアロマオイルの使い方を知っていただけたらうれしいです。

(新刊JP編集部)

書籍情報

目次情報

  1. はじめに
  2. 第1章 自律神経に働きかけなければどんな施術も意味がない
  3. 第2章 自律神経のスイッチのチェック
  4. 第3章 自律神経を壊しているストレス源の特定
  5. 第4章 臓器のストレス源の特定とアロマの選定
  6. 第5章 私とアロマセラピー
  7. 第6章 アロマセラピーの実践法と注意点~ストレス源の修復~
  8. 第7章 セルフケア
  9. 巻末資料1 キャリアオイル事典
  10. 巻末資料2 アロマオイル事典

プロフィール

Dr.ロバート・ジョー

鍼灸師である中国人の父の下、自然療法に興味を持つ。
1988年よりロサンゼルスでカイロプラクティックドクターとして診療を始め、独立後の2004年「キネシオリリースセラピー®」を確立。
患者数は延べで2万人を超える。

メグミ・ジョー

東京都出身。育児の傍らアロマセラピーを学び、2010年アメリカのNAHA協会入会。マッサージセラピスト。

著者お写真