純な気持ちを呼び起こす不思議な物語へようこそ。
短編集 熟言 一巻

短編集 熟言 一巻

著者:白龍 虎俊
出版:幻冬舎
価格:1,430円(税込)

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本書の解説

人間の本質を突くような5編の小説である。

オープニングを飾る「三郎商店街のサブちゃん」は、突如あらわれた「サブちゃん」という記憶喪失の男の面倒を見ることになった商店街の世話役たちに起こるエピソードを描いている。
それはまるで「災い転じて福となす」と言うべきもので、時計屋の主人の死がきっかけとなり、サブちゃんが見つけた時計が三億円で引き取られたり、サブちゃんの言葉をきっかけに鉄工所兼金物屋の不良息子が更生するなど、登場人物たちはサブちゃんに振り回されながらも、家族が良い方向へと立ち直っていく。

2作目の「ふたつの扉」では、余命幾ばくもないことを宣告された女性が、仏様の声を聞いて、5人の子どもから遺産を相続する相手を選ぶために条件を出す。
自分が亡くなったとき、家族の中に心からかなしむ人がいるかどうかで、開く扉が決まる――。早々に相続を放棄した長男をのぞく4人の子どもたちは母親に尽くし始めるが、裏ではお金のことで頭がいっぱい。仏様からその光景を見させられた女性は、遺産を渡す相手を決める。
「お金」によってばらばらになっていた家族の姿を浮き彫りにしつつ、母親の「死」を通して子どもたちが絆を再生していく様子が描かれる。

「孤独なヒットマン」では下働きのヒットマン稼業からなかなか抜け出すことができない男を描き、「特別強攻班」では新手の宗教団体をマークする警察の「特別強攻班」3人が国家を揺るがす大事件に巻き込まれる。そして、最後の「残された人類」の舞台は近未来と思われる地球。侵略者によって壊滅状態になったこの星で旧財閥グループの熾烈な争いが繰り広げられる。

これらの作品に共通することは、何か不思議な力を借りながら間違えた方向へ進みそうになっていた人間たちが、本当に進むべき道に戻っていく、もしくは自分の進むべき道に気付くという点だろう。そこには単純な勧善懲悪ではない深みが存在する。

人間味がある主人公たち。そして彼らを見守るのは、神仏や光の民といった存在だ。
不思議だけれども、何かすっきりとしたような気持ちになる。自分の進むべき道が良い方向に開けるような、そんな啓示を与えてくれる短編集だ。

インタビュー

今回出版された『短編集 熟言 一巻』についてお話をうかがいます。まずはこの『熟言(じゅごん)』というタイトルの意味から教えてください。

白龍: そのお話の前に、前提について説明させていただきます。この本に掲載されている5つの作品というのは、弘法大師様や光の存在と我々が呼ぶ高次元の存在から、光明方示という人間を介して伝えられたものです。

実は、ここに載っている作品のあらすじや、書籍のタイトルはすべて私が考えたものではないのです。光明方示を介して伝えられたものを忠実に文章化したのが、この『短編集 熟言 一巻』です。

この作品に掲載されているお話は、どこか教訓めいています。それは弘法大師や光の民からのメッセージと受け取っていいのでしょうか。

白龍: そうですね。「自分は今、正しい生き方をしているのか、よく読んで考えてみなさい」という光の民からのメッセージが様々な形で込められています。

5つの作品が収録されていますが、舞台背景がそれぞれ違いますし、登場人物も違います。ただ、そこに共通している部分があります。それは「人として正しい生き方とは何なのか」を考えさせてくれるものではないかなと。

たとえば、1作目の「商店街のサブちゃん」は、サブちゃんの面倒をみることになった「相談役」たちの優しさが巡りめぐって報われます。これは正しい生き方の一つのように感じます。

白龍: ストーリーから、登場人物たちの優しさが滲み出ていますよね。そして最後には、サブちゃんは恵比寿様の再来であり、姿を変えて現れて、商店街を救ってくれたということに気付きます。そうした、神様、仏様と人とのふれあいというものが、私たちの身の周りにあることをくみ取ってもらえればと思います。

また、2作目の「ふたつの扉」は余命幾ばくもない女性が、仏様の導きのもと、自分の財産の相続相手を決めるために子どもたちを見極めるという話です。

白龍: この物語も考えさせられますね。自分のことを本当に大事に思ってくれている人は誰なのか。自分の目の前では「お母さん!お母さん!」と言っているけれど、裏ではお金の事しか考えていない子どももいて。この作品にも、“人としての正しい生き方はどうあるべきなのか”というテーマが貫かれています。

いつも神様、仏様は人間たちを見ていて、正しい生き方を伝えてくれているということですね。

白龍: そうですね。逆に言えば、私たちの言動や心は、常に神仏に見られているということですよね。

それに、最後の作品である「残された人類」は近未来の地球を舞台にしたSF的な作品になっています。こうした舞台背景も光の存在からの指示でこうされているのでしょうか。

白龍: 基本はそうなのですが、細かい部分、例えば舞台を日本にしたり、登場人物を日本人にしたり、というところはこちらで作っています。海外が舞台であったり、登場人物が外国人だと、読者は親近感を湧きにくいのではないかというところで、意図的にそうしています。

ただ、あらすじは光の存在からのメッセージを忠実になぞっているので、伝えたいこと自体は変わっていません。他の4作品と共通したものが、この物語にもあります。それをぜひ読み解いていただきたいですね。

以前、『高次元宇宙からのメッセージ』シリーズで白龍さんにインタビューをさせていただいた際に、「ドラゴンプロジェクト」というプロジェクトを展開されているとお聞きしました。この小説もそのプロジェクトの一つになるのでしょうか。

白龍: そうですね。プロジェクトの目的は、弘法大師様や光の存在からのメッセージをさまざまな表現方法、形を通して、世に広めていくというものです。今回は小説という形ですが、マンガ、小説やその映画化、音楽でも伝えていくなど、いろいろな方法で伝えていきます。現在、YouTubeでも発信しています。

今は、言いたいことが言いにくい世の中になっていますよね。本当の事を言うとそれが握りつぶされてしまうようなことが、ごく当たり前に行われて、多くの人たちは「しょうがないよね」という空気が流れてきている。

でも、そうではなくて、日本を含めて世界が良い方向に進んでいくためには、しっかりと真実を追求し、間違っている部分を改善していく必要があると思います。そのような我々が向かうべき正しい未来への方向性を啓蒙していくことが、このドラゴンプロジェクトの本来の目的です。だから、いっさい利益を追求していません。

その表現方法は、光の存在が光明方示という人物を通して「こうしなさい」と指示をして伝えられるのでしょうか。

白龍: おっしゃる通りです。私たちのプロジェクトの骨格となるものは、すべて弘法大師様や光の存在による指示でできています。「こういうことをやってみなさい。それができたら、次はこういうことをやりなさい」という風に具体的に指示がきて、その通りに遂行していくのです。

細部については私たちでアレンジをしますが、本筋は弘法大師様や光の存在のメッセージからいっさいズレずにやっています。勝手にやってしまうと狂いが生じてしまって、上手くいかなくなってしまうので。

「ドラゴンプロジェクト」としての今後のご活動について教えてください。

白龍: 『高次元宇宙からのメッセージ 神言密教書 玄天経典 第二巻』の序章にも書かせていただいていますが、活動内容はかなり多岐にわたります。

今後取り組んでいくことで言うと、猫カフェの運営です。またカーカフェ、ドライブカフェといえばいいのでしょうか、自動車をモチーフにしたカフェですね。そこで自動車が好きな人がコーヒーを飲んだり、食事をできるような場所をつくるということをやろうとしています。

また、将来的には、中心都市で巨大なプロジェクトを進めることを考えています。こちらはまだ動いていないのですが、これからやらなければいけないことは多いですね。

その巨大プロジェクトも光の存在のメッセージの指示のもとに行うわけですね。

白龍: その通りです。すべてそのメッセージに従って進めていきます。

最後に、この『短編集 熟言 一巻』をどのような方に読んでほしいですか?

白龍: 何か自分の生き方の指針となるものがほしい方、これから一歩を踏み出そうと思っている方、何か変化を起こしたい、今をターニングポイントにしたいと思っている方などに、ぜひ読んでほしいと思います。人の正しい道とは何か、正しい生き方とはどういう生き方なのかをこの物語からつかめると思います。

(了)

書籍情報

目次

  1. 三郎商店街のサブちゃん
  2. ふたつの扉
  3. 孤独なヒットマン
  4. 特別強攻班
  5. 残された人類

プロフィール

白龍 虎俊(はくりょう・たけとし)

1957年生まれ。北海道大学卒業後、外資系製薬会社に勤務。
1995年に医薬品広告会社を設立し代表取締役就任。
2006年に医薬品の開発を行う大学発ベンチャー企業を設立し代表取締役就任。
2019年に光の民の1200年間にわたる壮大な計画を実施するための会社を設立し代表取締役就任。
現在、ドラゴンプロジェクトの実施及び全国の聖地の現地調査を実施し、聖地に隠された暗号と高次元宇宙からのメッセージを解き明かしてYouTube で発信している。また、北の聖地にて、新時代の扉を開くための「導きの書」である玄天経典や小説の執筆などを行っている。

短編集 熟言 一巻

短編集 熟言 一巻

著者:白龍 虎俊
出版:幻冬舎
価格:1,430円(税込)

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