解説

「伸び悩み人生」から抜け出すために今すぐやるべき6つのこと

「真面目に仕事しているはずなのに、今ひとつ伸び悩んでいる」「自分の未来が見えない」……。こんな風に伸び悩む時期が、誰の人生にも一度や二度はあるもの。

特に若手のころは、大した結果を出せなくても、もう少しこの会社でもがいてみるか、思い切って転職するか、 あるいはいっそのこと独立してしまうか……などと、自分のポテンシャルとスキルを天秤にかけ悩んでしまうことが多いかもしれません。

誰とでも何をやってもうまくいく人の考え方・仕事のやり方』(クロスメディア・パブリッシング/刊)には、そんな伸び悩みの日々から抜け出すためのコツが紹介されています。

プロフィールを書いてみる

今の自分に迷いがあるなら、まずはありのままの自分を見詰め直すために、プロフィールを書いてみるのがおススメ。

自分について掘り下げていくことで、今の自分が見えてくるだけでなく、自分がどうなりたいのか、人からどう思われたいのかがよく分かります。

ここまで分かれば、あとはその理想を意識して行動するだけ。なりたい自分、見られたい自分に着実に近づけます。

どこに住むか、誰と住むか

居住環境や住んでいる場所を見直すというのも方法の一つ。住むエリアを変えれば、時間配分や付き合う人が変わり、自分の価値観や考え方が変わっていきます。

学生時代から実家暮らしの人は一人暮らしを、長いこと下町に住んでいる人なら都心エリアへの引越しを考えてみてはどうでしょう? あるいは、誰かと暮らすことを考えてみてもいいかもしれません。

どこに住み、誰と住むかを見直すことが、新しい人や価値観に出会うことにつながるからです。

しないことを決める

限りある人生を有意義に過ごしたいなら、「何をするか」以上に、「何をしないか」を決めることが大切。

たとえば「人脈づくり」と称して無理やり飲み会に参加している場合、本当にその時間が有意義なものなのか、自分に問うてみる必要があります。

もし、夜遅くまで飲んでいるせいで翌日の仕事に身が入らない、飲みすぎて体調を崩すというようなマイナスポイントがあるのなら、すぐに「しないことリスト」へ入れましょう。

仮想ライバルをつくる

ライバルと言われて、パッと誰かの顔が浮かびますか?誰の顔も浮かばないという人には、「仮想ライバル」をつくることをおススメします。

「仮想ライバル」とは、言い換えれば「憧れの人」。こういう存在を持ち、考え方やマインドセット、さらには習慣を真似るか否かで、成長速度が違ってきます。

視野を広げるという意味では、できれば違う業界、違う会社の人を設定するのがいいでしょう。

直観力を磨く

直感力を磨くには、場数を踏むのが一番。ミスやトラブルを事前に予測できるようになるし、少しの失敗ではへこたれなくなります。

仮にミスをしてしまっても大丈夫。むしろ、そういう経験こそ成長に直結するものと考え、積極的に色々なことにチャレンジしてみてはどうでしょうか。

雑誌クルージング

迷っているときほど視野は狭くなっているもの。こうした状態を抜け出すために、最も手軽に始められるものとして「雑誌クルージング」という方法があります。

これは、休日やまとまった時間がとれるときに雑誌が読めるカフェに行って、男性誌、女性誌、経済誌、カルチャー誌など、あらゆる雑誌を20冊ほど読むというもの。

まずは月に1回から。気が向けば2〜3回でも。オフの時間の有効活用が思わぬ突破口を開いてくれるでしょう。

本書の著者・松浦拓平氏は、新卒で松竹に入社し、映画のマーケティングやPR業務を担当。

20代で独立・起業し、現在は映画のプロモーション企画やホテルの経営・プロデュース、行政と連携した文化事業企画など、数多くのプロジェクトに携わってきました。

プロデュース業という仕事について、松浦氏は本書のなかで「生まれ持ってのセンスや特別な才能なんてなくても、面白い仕事はできる」と断言しています。

彼のサラリーマン時代や、独立して今に至るまでの経験をもとに、仕事も人生もうまくやるための習慣やスキルが数多く紹介されている本書。

今の自分に満足していない、迷っているという人は、参考にしてみてはいかがでしょうか?
(新刊JP編集部)

書籍情報

目次

  1. 第1章誰とでも何をやってもうまくいく人は情報強者である
  2. 第2章誰とでも何をやってもうまくいく人はブランディングの天才
  3. 第3章誰とでも何をやってもうまくいく人はスピードにこだわる
  4. 第4章誰とでも何をやってもうまくいく人のファンのつくり方
  5. 第5章誰とでも何をやってもうまくいく人の心の持ち方、休み方
  6. 第6章誰とでも何をやってもうまくいく人のコミュニケーション術
  7. 第7章誰とでも何をやってもうまくいく人の仕事のやり方
  8. 第8章誰とでも何をやってもうまくいく人のキャリアの描き方

プロフィール

松浦 拓平

株式会社SECAI代表取締役
1987年、埼玉県生まれ。中央大学経済学部卒。在学中、有名放送作家の元でバラエティ番組企画に携わった後、新卒で松竹株式会社に入社。
映画のマーケティング・宣伝、マーチャンダイジング業務などを経験し、2016年4月に株式会社SECAIを設立。映画のプロモーション企画やホテルの経営・プロデュース、行政と連携した文化事業企画など、数多くのプロジェクトに携わっている。
共著書に『実践クラウドソーシング』(インプレスR&D)、監修書に『めんどくさがりでもうまくいく時間術』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

インタビュー

■コミュ力に自信がない人ほど、イベントの幹事を引き受けるべき理由

どんな仕事も、ひとりではできない。
分かりきったことではあるが、多忙な毎日を送るなかでつい忘れてしまいがちな、ビジネスの基本だ。

また、そうである以上、取引先なり同僚なりの信頼を得て、人間関係を良好に保つことが求められるが、そのために何をどう努力すればいいのだろう?

そんな疑問へのヒントをもらうために、今回登場してもらうのは、『誰とでも何をやってもうまくいく人の考え方 仕事のやり方』(クロスメディア・パブリッシング刊)の著者にして、映画のプロモーション企画や行政と連携しての文化事業など様々なプロジェクトに携わってきた松浦拓平さん。

人間関係を滑らかにするための準備作業としての情報インプット術や、そもそも活きた情報を仕入れるためにどんなことを心がけているのかをうかがった。

■一流アートディレクターに触発されて変化した、情報インプットの量と質

著者写真

――今回の書籍タイトルに「誰とでも何をやってもうまくいく人」とありますが、松浦さんがこれまでに出会ったなかで、この言葉がしっくり来る方といったら、どなたのことを思い浮かべますか。

松浦:まず思い浮かぶのは、最近よく仕事でご一緒させていただいているアートディレクターの川上シュンさんです。多方面で活躍するアートディレクターの方なのですが、話の受け止め方がとにかく柔和で仕事をしやすい。クライアントとの話の進め方ひとつとっても、傍で見ていて勉強になります。

相手の話を否定せずに聞きつつ、最終的には川上さんならではのこだわりが活かせる方向へ話を持っていくところがすごいなと思いますね。

――なぜ、そのようなことが可能なのだと思いますか。

松浦:「見てきたもの」の蓄積量が圧倒的に多いんです。海外での仕事も含めて、過去にどんな事例があったのかを本当によく知っている。だから、クライアントとの打ち合わせでも、「こんな事例がありますよ」とポンポン具体例を示せるんだと思います。

引き出しの量が多ければ、相手に応じて最適なケースを紹介しやすくなり、納得感のある着地点を見つけるのも早くなる。もちろん、相手からの信頼度も上がっていきます。

川上さんの仕事を支えているのは、日ごろの圧倒的なインプット量だと思います。

――川上さんに触発されて、松浦さんのインプットに変化は起きましたか。

松浦:打ち合わせのときに川上さんが「これ、当然知っているよね」という感じで紹介するケースがことごとく分からず、話についていけないことが何度かあって……。「川上さんとの“共通言語”を持てていないな」と気づかされたことは大きかったです。

特に、「もっと“体験”をしなくては」ということは、強く意識するようになりました。美術館や何かの展示会など、リアルな空間に出かける機会が以前よりも増えましたね。

――「情報強者になるためには、活きた情報を取りに行くことが大切」と書かれていました。どのようにして、活きた情報を取りに行けばいいか、一つ例をご紹介いただけますか。

松浦:イベントを主催することは、そうした情報を得る上で有効です。

主催者になることで、どんな相手にも「今日は来てくださって、ありがとうございます」という挨拶から入ることができます。これだと、わりとすんなり、相手との距離を縮めやすい。

一方、招かれた側だと、「誰々の紹介で……」というところから始めなくてはなりませんから、距離を縮めるのに、それなりの労力が要ります。それに、私は元々、イベントが得意ではないので、招待されての参加だと、「借りてきた猫」状態で終わることが多いんですよ。

主催者としてファーストコンタクトをとることで、相手が少しリスペクトの目で見てくれるようになるといいますか、「この人は、こういう(場をつくる)ことができる人なんだ」と、良い意味での色眼鏡で見てくれるようになります。

結果、相手が目上の方であっても対等に接してくれるようになるのも大きなメリットです。

――そのことが活きた情報を得ることにどうつながるのでしょうか。

松浦:世間で「重鎮」と言われているような人たちとも、自然とfacebookでつながることができます。すると、タイムライン上に「友だちからの情報」という形で、世の中の最先端の情報がバンバン入ってくるようになる。

これこそが、活きた情報だと思うんです。つまり、テレビニュースでも流れるような情報が、メディアを介さずに、しかもメディアが報じるよりも先に、本人の言葉で流れてくるわけですから。

■大学時代に味わった二度の挫折

著者写真

――本書を読み、松浦さんはもしかしたら挫折知らずなのではと勝手に思っていましたが、これまでに何かで挫折した経験がありましたら、その時のことを教えていただけますか?

松浦:僕は大学2年からの1年半、ダブルスクールという形で公認会計士の勉強をしていたのですが、「あと数問解けていたら……」というところで不合格になったことがあります。

それは自分の人生のなかでも、かなり大きな挫折でした。

――もう1年がんばって再チャレンジはしたのですか。

松浦:結論からいえば、しませんでした。公認会計士の道はスッパリと諦め、就職活動をすることにしたんです。

なぜそのような選択ができたのかといえば、資格試験の勉強に全力で取り組んだからだと思います。それまでは複数のサークルを掛け持ちして夜通し遊ぶ生活を送っていたのが一転、平日は7~8時間、土日は10~12時間ほど勉強するようになっていました。

結果は不合格でしたが、1年半、文字どおり生活のすべてをこの試験に賭けて、とことん努力できたのだから、そのパワーを他のものに向けてみようという気になれたんです。

――全力を尽くしたからこそ、挫折を引きずることなく、次の道へ進むことができたというわけですね。ちなみに、就職活動は順調だったのですか。

松浦:いいえ、これも失敗の連続でした。先ほど、「会計士の道はスッパリ諦めた」という言い方をしましたが、実をいえば、就職活動を始めた当初はまだ「せっかくあれだけ勉強したのだから、会計の知識を生かせる道を……」と金融系の会社への就職を目指していたんです。

でも、まったくうまくいかなかくて。銀行はもちろん、証券、損保、保険もまわったのですが、ことごとくダメでした。

決定的だったのは、ある保険会社の最終面接で「キミ、真面目じゃないでしょ」と言われ、落されたこと。そのときはショックというよりは「バレたか」という感じで(苦笑)。「このまま就職活動していても、うまくいかないな」と思わざるをえませんでした。

――最終面接でそう言われたことがターニングポイントになった、と。

松浦:はい。金融系の会社を落ち続けて、「なぜこんなにもうまくいかないのだろう?」とモヤモヤし始めていたころに、そういったクリティカルな一言が来たので、かなり刺さりました。

それがきっかけで、金融系以外も見たほうがいいのではと考え始め、あるときふと、「そういえば、自分は映画が好きだったな」と思い出したんです。

そこからは一気に方針をかえ、映画会社を受け始め、無事、松竹から内定をいただきました。

――最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。

松浦:私の就職活動を振り返ると、あのクリティカルな一言を「あのタイミングで」言われたことに意味があると思っているんですよ。

たとえば1社目の面接で「キミ、真面目じゃないでしょ」といわれても、そこまで刺さらなかったはず。さんざん金融系の会社をまわって落され続けていた、あのタイミングだったからこそ、といいますか。

その意味では、「うまく諦める」こととセットで、まずは後先を考えずに何かにチャレンジしてみるということも重要な気がします。

チャレンジしてみて、「あ、これは違ったな」と気づいたら、それを選択肢から外す。そのプロセスを繰り返すことで、より自分に合った道を見つけていくということが大事なのではないでしょうか。

(了)

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