だれかに話したくなる本の話

脱サラ・開業で人気 治療院で月商100万円を達成する条件は?

どんな業種であれ、個人で開いたお店を繁盛させるのは大変なこと。
まずはお店の存在を知ってもらい、お客さんに来てもらい、気に入ってリピートしてもらいと、安定した売り上げを作れるようになるには長い時間がかかります。その過程でうまくいかずに悩んでいる人は数多くいるはず。

『小さな治療院経営の教科書 月商100万円超えの繁盛マニュアル』(松下展平著、WAVE出版刊)は、小規模治療院に特化した売上アップの特効薬ともいえる一冊。脱サラ・開業で人気の治療院ですが、経営に苦しむ人は多いようです。

「治療院」で「小規模」と業種・規模を限定しているからこそ、本書では売上増と収益安定化に直結する指標について、目指すべき具体的な数字が示されています。もちろんその実現方法も明かされているため、今まさに経営に苦しんでいる治療院は「灯台の明かり」のような頼もしさを感じるはず。

■売上のあがらない治療院の問題点はたった一つ

本書によると、売上が上がらない治療院の問題点は「経営を感覚や“どんぶり勘定”で行っていること」にあるのだとか。

今月の売上がいくらで、新規の患者は何人で、ということくらいは把握していても、広告費と照らし合わせて新規患者ひとりあたりの集客コストや、その新規患者がリピート客になる率を計算して経営の改善をはかる人は少数派。ここが成功する治療院とそうでない治療院の違いです。

まずやるべきは「数字を計測し、現状を正しく把握する」こと。現状を正しく把握し、やるべきことを正しい順番で行えば、失敗は99%つぶせます。(P29)

現状を把握しないことには、売上を上げるために何をすればいいかも見えません。それが見えないまま、なんとなく良さそうなことをやっているのが失敗する治療院。まさに「勘とどんぶり勘定の経営」です。

■「月商100万円」の繁盛院を作るために把握すべき数字とは

では、何が自分の治療院に足りないのか、そして何をすべきなのかを知るために、どんな数字を把握すればいいのでしょうか。

本書では

・CPA(新規患者ひとりあたりの獲得単価)…広告の効果をはかるための指針になる
・2回目のリピート率(新規患者のうち、2回目に来院した割合)…売上アップのカギになる指針
・5回目のリピート率(新規患者のうち、5回来院した割合)…接客や技術の良し悪しをはかる指針
・LTV(患者ひとりあたりの年間支払い金額の平均)…リピート率や分単価改善の指針
・分単価(1分間あたりの施術料)…時短・値下げの際に必要な数字
・稼働率(先生が1日の中で施術をしている割合)…値上げや時短のタイミングを判断するために必要な数字
・継続率…(月をまたいで来院してくれる患者の割合)…常連さんの多さをはかる指標

の7つを、繁盛院を作るカギになる指標として挙げ、それぞれついて「月商100万円」を達成するためにどの程度の数字が必要かを明かしています。

たとえばCPAは、毎月目標売上の5~10%を広告費に使った場合、5000円以下なら合格。患者さんが治療院選びをした際に、他の院との比較に勝って選ばれていると考えられるそうです。また、2回目のリピート率は8割以上、5回目のリピート率は5割以上を目標にするようにすすめています。

小規模な治療院にとって「月商100万円」はハードルが高い数字ですが、達成できればまぎれもなく繁盛院の仲間入り。自分の院を知ってもらい、選んでもらい、通ってもらうために、何をすればいいのか。もちろん施術の技術を磨くことも大切ですが、それとは別に経営の視点も必要です。

「新規客は月に何人ほしいか」
「広告費はどのくらい、どんなことに使えばいいのか」
「ホームページのキャッチコピーはどうする?」
などなど、繁盛院を作るために必要な「施術以外」の知識とノウハウは、本書ですべて手に入るはずです。

(新刊JP編集部)

小さな治療院経営の教科書 月商100万円超えの繁盛マニュアル

小さな治療院経営の教科書 月商100万円超えの繁盛マニュアル

コンビニの4倍、約13万件もあると言われている個人治療院。せっかく身につけた治療技術も、患者さんに提供できなければ意味がありません。では、具体的に行動に起こせないのはなぜでしょうか。それは治療院を経営するためのノウハウが分からないからです。本書では、6つのルールを手順通りにやっていけば経営の素人でも売上を伸ばせるノウハウをご紹介します。集客と経営にかける時間を短縮し、技術向上に専念する時間を確保できる経営メソッドが詰まった1冊です。

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