だれかに話したくなる本の話

一生に一度は観てほしい体験型演劇「スリープ・ノー・モア」について力説します

提供: 新刊JP編集部

こんにちは、新刊JP編集部の金井です。

猛暑が続いた8月、夏バテなどしていませんか?

開始から1ヶ月強が経ちましたダイエットですが、昨日8月28日夜の段階で64.0kg。体脂肪率18.5%。目標体重は9月末までに63.0kgということで、あと1kgまで迫っています。10月上旬にはハーフマラソンを走る予定なので、運動をこなしながらあと1ヶ月頑張っていきます。

さて、もう9月ですね。いよいよ秋に入っていきます。9月は演劇を2作品観に行く予定で、その予定を生きがいに毎日を過ごしているようなものなのですが、かつて観た劇の中に「これは絶対にまた観てみたい、何度も体験してみたい」と思う演劇があります。

それがニューヨークで上演されている**「Sleep No More(スリープ・ノー・モア)」**です。
去年3月に行った際に、噂を聞いて観に行きました。

マンハッタンのチェルシー地区にある**「McKittrick Hotel」**という場所で上演されているオフ・ブロードウェイのショーで、物語はシェイクスピアの『マクベス』とヒッチコック監督の映画『レベッカ』がベースとなっています。そこまではまあ、ね。では一体何がすごいのか。

1、地上6階、地下1階の建物の中で同時多発的に演劇が繰り広げられ、
2、役者と仮面を被った観客が縦横無尽に建物の中を動きまわり、
3、物語の流れを追うもよし、ある特定の役者を追いかけるもよし、
4、細部まで行き届いた世界への没入。小物に触れることもできる。
5、自分のすぐ近くを役者が劇を演じ、時には観客が物語の筋に入り込み、
6、セリフがないので、英語が分からなくても物語の結末まで理解できてしまう、
7、絶対に眠くならない演劇である。
8、そして次に行ったときは別のシーンを自分で選んで観に行くことができる。

つまり、「スリープ・ノー・モア」は、物語の世界の中に観客が入り込み、登場人物をその場で傍観するという、参加・体験型の演劇なのです。

入り口でID確認をして、クロークに荷物を預けて、仮面を受け取ります。

この仮面を観客全員がつけます。

被ったときの匿名性が意外と高いんです。
カップルや友人同士で行く場合は、一緒に行く人の服を覚えておきましょう。普通にはぐれます。

そして、バーのような空間(というかバー)で参加者が全員揃うのを待ちます。僕は一人で行ったので、縮こまりながらぼんやりしていたら、スタッフの優しいお姉さんが「ここに座っていいわよ」とテーブル席に案内してくれました。

揃ったらみんなで出発。注意事項を聞いて、「スリープ・ノー・モア」の世界の中に入り込みます。

自分の足から数センチ先で役者たちが追いかけっこをしていたり、隣にいた人がいきなり役者に手を引かれてどこかに連れ去られたり、移動する役者を追いかけて階段を下りたり、登ったり。迷路のようなので同じ場所に出ることもあるのですが、話が進んでいれば新たな物語の展開を目の当たりにします。

まるで『不思議の国のアリス』で白ウサギを追いかけていたら不思議の国に迷い込んでしまったアリスのように動きまわる。観ている時間は1時間半くらいだったと思うのですが、見事に最後みな同じ場所に集まり、結末を見届けます。その後は最初にいたバーに戻り、お酒を飲んだりもできます。

YouTubeにアップされているPVがかっこいいので、ぜひ見てみてください。
Sleep No More immersive theatrical experience in New York

舞台と現実を隔てるものがなく、自分の身体と感覚を全て物語の世界に投入するという意味では、究極の没入感を味わえるショーであり、次、観に行ったときは全く別の見方ができるわけですから、リピーターが多いのも分かります。

日本に住んでいると少し遠く感じますが、一生に一度は観に行ってみてほしい体験型の劇です。これはマジですげえぞ。

ちなみにこれは全然関係ない同じチェルシー地区にある「Chelsea Hotel」です。

ではまた。

「Sleep No More」オフィシャルページ

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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