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成功者は牛丼に生卵をつけない?「年収1億円以上になる人」の習慣

年収が高い人とそうでもない人。その差はどこにあるのか。
ほとんどの人は、「能力や才能」「努力」だと考えるだろう。

しかし、最大の差は「習慣」にあるという。

『年収1億円になる人の習慣』(ダイヤモンド社刊)の著者であり、全国240店舗を展開する美容室「EARTH」を運営するアースホールディングス株式会社取締役、山下誠司氏は年収3億円を稼ぐある経営者と有名牛丼チェーンに行ったとき、衝撃を受けたという。

著者は「60円の生卵」を追加するつもりだった。しかし、その経営者は「60円を払う妥当性がない」「生卵を頼んでも、会社の目的に近づくことはない」と15秒ほど真剣に悩んだ結果、注文するのをやめたという。

著者はこのコストパフォーマンス(投資効率)に対する強いこだわりに、成功者のお金に対する考え方の本質を見たという。本書では、そんな年収1億円を超える成功者たちの「お金の習慣」を紹介している。いくつか紹介してみよう。

■早起きは三文以上の得

カレーハウスCoCo壱番屋の創業者、宗次徳二氏は、どんなに就寝が遅くても「朝3時55分(さあゴーゴー)」に起床していたという。宗次氏曰く、「早起きは3億の得(徳)。超早起きは30億の得(徳)」なのだという。

実際、朝型の人は、夜型の人に比べ年収が高いという調査結果もあるという。年収が400万円未満では朝型が3割程度なのに対して、年収1400万円以上では6割以上が朝型。年収が増えるにつれ、朝型の比率は高くなるという。

著者は、早起きをすることで、「目的意識が明確になる」「優越感や勝った感が自信につながる」「脳がフレッシュなので1時間で4時間分の仕事ができる」「残業よりも高い評価が得られる」などの効用があるとも述べている。

■毎朝、体重計に乗る

年収1億円以上を稼ぐ人は「なぜ?」という習慣を持っている。その一つが「体重計に乗る」という習慣だ。

ある企業の理事長は、体重を即答できる人は「現実を直視する力を持っている」という持論を持つ。
今の「自分の数字(体重、体脂肪率など)」を直視している人は、会社の数字(売り上げ、客数、単価、借入額など)に対する感度も高いからだ。

著者が出会ったある人物は、一日2回、体重と体脂肪を測るだけでなく、「何時に、何を、何グラム食べたか」「排便の回数」「起床と就寝の時間」までも手帳に記録していたという。
数字に対する感度が高ければ、小さな変化を見逃さないクセがつき、ビジネス上での大きな損失を回避し、数字をベースにした計画にも強いと言える。

また、著者の経験上、BMI値が25を超えると年収1億円から遠ざかるという。
あなたは、今の自分の体重と体脂肪を把握しているだろうか? もしわからないなら、今日からでも体重計に乗る習慣を身につけたほうがいいかもしれない。

■「聞く」と「褒める」姿勢を持つ

年収1億円以上のクライアントを50人以上抱える、カリスマ・ファイナンシャル・プランナーの江上治氏は、「契約が取れる保険の営業マンと取れない営業マン」の違いについて著者に対して語ったことがあるという。
江上氏によれば、契約が取れない営業マンは「自分が売りたい保険(よく知っている得意な保険)」を売り込む。一方、契約が取れる営業マンは「御用聞き」に徹する。

著者は美容師としてキャリアをスタートさせたが、稼げるスタイリストも「ヘアスタイルはお決まりですか?」「何かお困りのことはないですか?」と、やはり「御用聞き」に徹する。

また、稼げるスタイリストは、接客中に「よくほめる」という共通点も持つという。
誰かを褒めるとき、一回では、「お世辞かも?」と疑われたり、本気にされなかったりする。本当にほめていることをわかってもらうには「3回」は褒めたほうがいい。

「聞く」と「褒める」は、意識しないと積極的にはできないものだ。ぜひ習慣化したいポイントだろう。

(ライター:大村 佑介)

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この記事のライター

大村佑介

大村佑介

1979年生まれ。未年・牡羊座のライター。演劇脚本、映像シナリオを学んだ後、ビジネス書籍のライターとして活動。好きなジャンルは行動経済学、心理学、雑学。無類の猫好きだが、犬によく懐かれる。

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