だれかに話したくなる本の話

食事方法と睡眠がキモ 医師が提唱する糖尿病対策の新常識

日本全国に患者数は1,000万人以上、予備軍まで含めると2,000万人以上といわれる糖尿病。6人に1人がかかっている計算で、決して他人事ではありません。

糖尿病対策として、よくいわれているのはカロリー制限による食事療法と運動療法。しかし、忙しい毎日の中で細かいカロリー計算をするのは大変なことです。また、運動もなかなか続かず、挫折してしまう人が多いといいます。

健康のために血糖値は下げたい。けれども、食事制限も運動も続ける自信がない…という人は少なくないはずです。

しかし、血糖値コントロールにこれらのことは必要ないという意見もあります。これまでに延べ20万人の糖尿病患者を治療してきた、糖尿病専門医の田中俊一先生は、「血糖値コントロールをするのに、カロリー制限やきつい運動は必要ない」として、

「賢く食べること」「しっかり寝ること」を徹底することで血糖値を下げる方法を提唱しています。

ここでは、田中先生と管理栄養士の浅野まみこ先生の共著『血糖値は食べて下げる 寝て下げる』(アスコム刊)から、目からウロコの血糖値コントロールの新常識を紹介します。

【血糖値を下げる新常識① 「燃える体」をつくる】

糖尿病や高血糖は、食べたもののエネルギーがうまく処理できず、問題が起きている状態。血糖値を安定させる一番の近道は、体のコンディションを整え、消化・吸収・代謝・排泄という流れがきちんと行われるようにすることだといいます。

「1日の摂取カロリーは〇Kcal」と決めてその通りに食べたとしても、胃腸の状態が悪く、食べたものをきちんと消化・吸収してくれなければ意味がありません。

血糖値を下げようと思うなら、まずはエネルギーをしっかり燃やせる体をつくること。
そして、この「燃える体」は、食事の仕方や眠り方をちょっと工夫するだけで、誰でもすぐに手に入れることができます。

【血糖値を下げる新常識②「美腸」をつくる】

「血糖値を下げるのに腸?」と思うかもしれませんが、「燃える体」をつくるためには、何よりもまず腸内環境を整えることが大切なのだそう。腸がキレイな「美腸」の人は、消化吸収がスムーズで代謝も良く、食べたものがスピーディーによく燃えます。逆に、腸内環境が悪化している汚腸状態だと、消化吸収がうまくできないため、代謝が鈍り、太りやすく血糖値の上がりやすい体になってしまいます。
浅野先生は、「美腸をつくるのにおススメなのは、発酵食品を多く摂ること」だとして、みそ、納豆、キムチやヨーグルトなどの発酵食品を食事に取り入れていくことをすすめています。

【血糖値を下げる新常識③ 横向きで眠る】

睡眠と血糖値には、密接な関係があります。睡眠不足が続いたり、睡眠の質が下がると、代謝に関するホルモンの分泌が悪くなり、燃えにくい体になってしまいます。

本書によると、質の良い睡眠のポイントのひとつは「呼吸」。寝ている間に深い呼吸ができていれば、脳にしっかり酸素が送られるので、ぐっすり眠ることができます。

呼吸を妨げる原因としてもっとも多いのはいびきです。いびきをかきながら寝ていると、呼吸が浅くなり、眠りの質が落ちやすいといいます。

田中先生は「いびきのほとんどは仰向けに寝ている時に発生するので、寝る体勢を横向きに変えることで解消できることが多い」といいます。先生のおススメは抱き枕を抱えて寝ること。そうすると、自動的に横向きで眠ることができるでしょう。

本書には、他にも「血糖値が劇的に下がる食べ方と食べる順番」などの食事法や、「血糖値を下げるぐっすり睡眠のコツ」など、血糖値コントロールの新常識がたっぷり掲載されています。

これまで血糖値を下げる方法をいろいろ試してみたけれど、なかなか続かなかったという人は、本書で紹介されている血糖値コントロールを試してみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

血糖値は食べて下げる 寝て下げる

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