SNSが普及している昨今、軽い気持ちでつぶやいたことでいつのまにか自分が「犯罪者」になってしまうこともあります。

「弁護士YouTuber」として活躍中の久保田康介さんによる『弁護士YouTuberクボタに聞く「これって犯罪ですか？」』（KADOKAWA刊）は、身近で起きがちな問題がアウトなのかセーフなのかを解説してくれる一冊。

ある相談者は高校時代、当時から人気のYouTuberだったXと同級生でした。

Xと仲良くなりたかった相談者ですが、あまり学校に来ていなかったXとは仲良くなる機会がないまま卒業。それから数年がたち、Xはさらなる有名人になっていました。
そして、相談者はつい軽い気持ちでTwitterにXの卒アル写真を載せてしまいます。これは罪になるのでしょうか。

このケースについて、久保田さんによれば、プライバシーを侵害したとして民事責任を追及される可能性があるそうです。もし仮に裁判になった場合、40％くらいの確率で被害者が勝訴すると予測しました。

本書にはあわせて類似した判例も掲載されています。
平成２５年４月２６日判決の例で、女性芸能人らの“小学生から高校生時代の写真”を無断で雑誌に掲載したことが女性芸能人のプライバシーを侵害するとして、それぞれ２０万円および４０万円の損害賠償を認める判決が出ているといいます。

「同級生に有名人がいた！」というのは思わず誰かに言いたくなりますし、Twitterでつぶやけば「バズった」状態になり、一時的に持て囃されるかもしれません。
しかし、そこには大きなリスクが潜んでいる事を覚えておくべきでしょう。

他にも「あのプロ野球選手は風俗店の常連客だ」とつぶやいた場合や、殺人事件の実名・顔写真投稿をしたらどうなるかなど、身近な問題に久保田さんが答えます。
無知ゆえの軽率な行動で問題になる前に、今こそ学んでおくべきことではないでしょうか。

（新刊JP編集部）