だれかに話したくなる本の話

売上を伸ばすために、顧客にすべき「たった1つの質問」とは?

なかなか顧客がつかない。お店に人が来てくれない。自社のECサイトの売上が伸びない。こうした悩みを解決するために行うのが販売促進活動だが、チラシを配っても、ウェブサイトをリニューアルしても結果は同じ、ということであれば何かを変えなければいけない。

では、何を変えるのか?
それはお客様に対する「質問」である。

こう述べるのが、販促コンサルタントの岡本達彦氏だ。岡本氏の秘策は、「売れない」を「売れる」に変えるたった1つの質問にある。
では、そのたった1つの質問は一体どういうものだろうか。

■「決め手」を勘違いしていたファイナンシャルプランナー

その質問を明かす前に、自分自身や自分の提供しているサービス・商品の本当の強みをどこまで知っているだろうか?

岡本氏はそれを「決め手」と呼ぶ。
顧客が自分に相談する「決め手」、自社の商品を選んでくれる「決め手」である。
「それは分かっているよ」と思うかもしれない。しかし、自分で思っている「決め手」と顧客が考える「決め手」が異なる場合がある。

岡本氏の著書で、このほどオーディオブック版が配信開始した『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』(ダイヤモンド社刊)から、あるファイナンシャルプランナーの男性の事例を紹介しよう。

彼は「納得して加入をしてもらう」をモットーに、お客様に対して一から丁寧に保険内容を説明していた。しかし、その丁寧な説明はなかなか成約に結びつかず、岡本氏に相談をした。

岡本氏のアドバイスを受け、彼はまず、契約してくれた人たちは何を決め手として自分を選んでくれたのかを、顧客に聞いた。その答えは「自分の話をしっかり聴いてくれたから」というものだった。

実は彼はその「決め手」を自覚しておらず、知識を豊富に持つことが大事という業界内の常識にとらわれ、方向性を見誤っていたことに気づいたのだった。

自分の「決め手」を理解した男性は、話しやすさ、相談しやすさを打ち出す。すると、次第に口コミが広がり、相談件数は増えていき、3倍の契約数を達成した。

■「決め手」が分かるたった1つの質問とは?

自分自身で自分の「決め手」を探すと、的外れになってしまいやすい。
だからこそ、「自分自身で考えないでお客様に聞く」ということが大事なのだ。

「他の●●があるにも関わらず、何が決め手となって選んだのですか?」
これが「たった1つの質問」の答えである。

では、この質問をどのタイミングですればいいのか? 岡本氏は3つの鉄則があるという。

鉄則1:お金を出した人に聞く
商品やサービスを無償で提供した相手は、まだあなたの顧客ではない。

鉄則2:購入したあと、すぐに聞く
申し込んだ直後、お金を払ってすぐのタイミングで聞く。時間を置いてから聞くと、「決め手」を忘れていることが多い。

鉄則3:お客様が話したとおりにメモをする
心に響く文章をそのままにメモする。ここで出てきた言葉は、キャッチコピーやPRワードで使える。

また、もう一つ、「決め手」の選び方も3つの鉄則があるという。こちらも紹介しよう。

鉄則1:1番多い「決め手」を選ぶ
一番多いものが最も再現性が高いということ。

鉄則2:価格・場所以外の「決め手」を選ぶ
価格や場所は競争に巻き込まれやすいため、差別化しにくい。

鉄則3、無理がない「決め手」を選ぶ
お客様から期待されていることが自分にとって無理があると、長く続けることはできない。

こうして「決め手」を認識し、販促ツールに取り込んでいくというわけだ。

 ◇

『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』では、「決め手」をいかに販促に活用していくかという部分もカバーしており、個人店舗、営業マン、士業、中小企業経営者など幅広いビジネスパーソンの強い味方になる知恵が書かれている。

自分のことはなかなか分からないというもの。顧客が定着しない、サービスが広がらないという悩みがある人は参考にしたい一冊だ。

(新刊JP編集部)

お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問

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