

著者:鹿野晴夫
定価:1,575円(税込み)
ISBN-10: 4860635183
ISBN-13: 978-4860635183
1)本書を読ませていただいて、学校での勉強法とは全く違う英語を習得する方法がつづられており、新鮮でありながら納得をもって読ませていただきました。まず、本書を執筆した経緯から教えていただけますか。
英語関連では、今回の本が50冊目になります。最初の本は、12年前に書いた「英語難民を必ず救う本」(後に、「TOEIC テスト300点から800点になる学習法」に改題)で、社会人になってから英語学習を始めた私の体験記でした。私自身が、「やり直し英語」だったわけです。そして、この本を書いた後、英語トレーニング指導のプロになりました。それから12年、プロとして蓄積してきたノウハウを、節目の50冊の本として、まとめようと思ったのです。
2)どうして社会人になって英語を勉強し直そうとすると、全く頭に入ってこなくなってしまうのでしょうか(どういった部分が間違えているのでしょうか)
社会人は、勉強が本業の学生とは違います。毎日、何時間も机に向かうことはできません。仕事でぐったりした体にムチを打ち、わずかな時間を活用して学習します。ここで、大学受験のような感覚で、分厚い問題集や文法書、単語集にチャレンジしても、昔のように覚えることはできません。挫折が待っているだけです。社会人の英語学習には、「脳トレ」の発想が必要です。脳機能を活性化しながらトレーニングすることで、覚えやすく、忘れにくくなります。これなら、わずかな時間でも成果が出ます。
3)社会人になってからの英語学習において、一番やってはいけないものは何でしょうか。
ずばり、「勉強」です。中高の6年間、単語の暗記、文法の勉強、ひたすら問題集を解くといったことをしてきて、身につかなかったから、英語学習するわけです。ここで、「勉強」に戻っても、中高の6年間以上に英語が身につくことはありません。本来、中高の英語の知識が身についていれば、TOEICで860点以上取れます。でも、勉強では身につかなかった。だから、方法論を変える必要があるのです。今度は、「トレーニング」にチャレンジしてみてください。きっと、身につきます。
4)英語の学習を継続するために最も大事なことを一つあげるとしたら、それはなんだと思いますか?
英語の学習は、スポーツのトレーニングと一緒です。ですから、継続するためには、「楽しむ」ことが大事です。楽しみ方には、色々あります。まずは、トレーニング前後のリスニングやリーディングの体感の変化を記録することで、日々の伸びを楽しむこと。次に、練習試合の感覚で、生の英語(洋楽・洋画・洋書・会話など)に触れる機会を持ち、トレーニングした英語に出会って「わかる!」という経験を楽しむこと。さらに、トレーニングを一緒に続ける友人を作って楽しむこと、などです。
5)学生時代、鹿野さんは英語が大の苦手だったそうですが、今、英語の楽しさをどのようなところに感じていますか?
通勤電車の中では、洋書を楽しんでいます。週末は、洋画を楽しんでいます。仕事以外でも、駅などで外国人を見つけると、とりあえずDo you need some help?(何かお手伝いしましょうか?)と声をかけ、会話を楽しんでいます。英語を特別なこととして考えると、時間を作り出すのが辛く感じてしまいますが、英語でも楽しめることを見つけて続けていると、だんだんと実力もついてきて、本当に楽しくなります。楽しさが増加していくのが、英語の楽しさです。
6)今後、英語が使えることになることで、ビジネスパーソンとしてどのようなメリットがあると思いますか?
一番のメリットは、英語に対する苦手意識や、仕事で英語を使うことに対する恐怖心が軽減されることです。日本語でなら簡単にできる仕事、例えば「資料を読む」「メールの返事を書く」「会議に参加する」「出張する」といったことが、英語だというだけで、準備に何倍も時間がかかり、もの凄く緊張する。こうした苦痛から開放されて、英語でも仕事が出来ると思えるようになる。それが自信になる。だから、元気になる。そして、人生が楽しくなる。
7)本書は社会人の方が英語勉強をやり直すタイミングで読む本として書かれていますが、次回本を執筆するとしたらどのような本を執筆しますか?
本を書く際は、それまでのノウハウを全部出し切るつもりで書いています。だから、今は新しいものは、残っていない(笑)。でも、いったん全部出し切ってしまうと、不思議なことに、次のアイデアが沸いてくるのです。そのアイデアを講演やセミナーで試してみる。すると、受講生の皆さんから反応が返ってくる。反応があることで、アイデアが深まる。こうやって、12年間、トレーニングの方法が進化してきました。ですから、次回作では、さらに進化した方法がご紹介できると思います。
8)鹿野さんにとって「英語」とは何ですか?
「日本語」みたいなものでしょうか。英語は、「聞いているだけで」とか、「とにかく話せば」という広告がありますが、日本人は、小中高で12年間も国語(日本語)を学んでいます。もちろん、アメリカ人だって、同程度の期間、英語を学んでいます。ブロークンで良いというならともかく、仕事で使えるレベルの英語が、学習しないで身につくはずがない。でも、日本語を学習するときに、英語ほどの苦痛は無かったはずです。言葉を学ぶのが苦痛だとしたら、方法が間違っている。日本語を学んだのと同じように接するのが、私にとっての「英語」です。
9)このインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします
私は、嘘が嫌いです。本書には、自分自身が試して成果があったことと、受講生の皆さんに実践していただいて、成果があったことしか書いていません。プロになって12年。これまでに、200社10万人の方に、トレーニング法のセミナーを受講いただきました。「今まで、何をやってもダメだった」という方にこそ、この本を手にとっていただきたいと思います。

英語トレーニングのICC マネージング・ディレクター。
中高では、英語が大の苦手。二次試験に英語のない学科を選び、進学したのは工学部。しかし、必修の英語を4年続けて落とす。就職後、初の海外出張で、英語の必要性を痛感するものの、初受験のTOEICテストは、335点。会社の講演で、千田潤一先生の「英語トレーニング」という言葉に開眼。1年の自己学習で、610点に。3年半続けてみたら、850点(当時)に。この経験をまとめた本の執筆依頼に運命を感じ、英語トレーニングのICCに転職、トレーニング法指導のプロに。苦手意識を明るく笑い飛ばしつつ、ロジカルに既成概念を打ち破る「やり直し英語学習」のセミナーは、「始められる・続けられる」と、多くの社会人の共感と支持を得ている。英語関連の著書は、本書で50冊目(共著含む)。ロングセラーとして、読み継がれている本が多数ある。
●英語トレーニングのICC
http://www.icconsul.com/
http://facebook.com/EnglishTrainingICC

著者:鹿野晴夫
定価:1,575円(税込み)
ISBN-10: 4860635183
ISBN-13: 978-4860635183
