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『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』 一生お金に一生お金に困らない「増える人」の行動ルール43

著者インタビュー

ラーメン屋の行列に並ぶ人はNG お金が消える人の生活習慣

 誰にとってもお金は大事なもの。でも、なかなか稼げなかったり、貯まらなかったりと苦労している人は多いはずです。
お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』(学研パブリッシング/刊)は、お金を稼ぎ、増やすことができる人と、お金を失ってしまう人の行動や考え方の違いに焦点を当てた一冊。
 今回は著者の午堂登紀雄さんにインタビュー。「お金が消える人」の特徴や、「お金が増える人」の行動など、日々の生活で気をつけたい“お金の話”をお聞きしました。

― 午堂さんの著書『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』についてお話を伺えればと思います。午堂さんといえばお金に関する書籍を多数お持ちですが、今回のご本で一番伝えたかったことはどんなことですか?

午堂:一言でいうと「お金を使う前にきちんと考えないと、お金は消えてしまいますよ」ということです。
よく考えずに「なんとなく」でモノを買ってしまう例で代表的なのが、「かわいいから」「割引で安くなっていたから」といった、一時的な感情に流されてしまうケースです。
このような買い方ではなく、「自分はどんな価値に対してお金を払おうとしているのか」を見つめ直しましょう、ということをこの本でお伝えしています。

― 午堂さんご自身は、昔からそういったことを意識してお金を使ってきたのでしょうか。

午堂:いえ、私も以前はまったく逆でしたから、当然のようにお金もありませんでした。お金の使い方が変わってきたのは投資を始めてからですね。投資は、「いくらお金を出して、いくら戻ってきた」という世界ですから、必ず「リターンを得る」という目的のためにお金を使います。これを繰り返しているうちに、どんなことに対しても「何のためにお金を使うのか」という、「目的」を意識できるようになってきたのだと思います。

― 先ほどおっしゃっていた、“深く考えずに「なんとなく」でモノを買う”ことをなくしていくためにはどんなことが大事になりますか?

午堂:これには、財布を開く前に必ず「何のためにお金を使うのか」「払った額に対して元が取れるのか」ということを、いちいち考える習慣をつけることです。最近では電子マネーでの決済が増えていて、財布を出さずにモノが買えてしまいますが、そういう時も電子マネーを取り出す前にいったん立ち止まり、前述のようなことを考えてみるのです。

― たとえば「長財布を持つとお金が増えるらしい」という評判に乗ってなんとなく長財布を使ってしまう人は、お金が消えていく人なのでしょうか?

午堂:そう思います。「なぜ長財布を持つとお金が増えるのか」というメカニズムというか、本質を考えず、マスコミの情報や専門家の言うことをそのまま信じて「そういうものなんだ」と納得してしまうのも「お金が消える人」の特徴なんです。

― だとすると、「評判だから」という理由で、深く考えずにラーメン屋やパンケーキ店の行列に並ぶような人も、やはり「お金が消えていく人」ですか?

午堂:そうですね。こういう人に共通しているのは、お金や時間に対して無頓着だということです。「並ぶこと」に価値があると考えている人や、並んででも手に入れたい何かがあるのならともかく、ほとんどの人はそこまでの理由があるわけではないと思います。
「評判だから」というだけで行列に並ぶなら、なぜその店に行列ができるのかを分析してみる方がよほど役に立つのではないでしょうか。

― 「なんとなく決めて、なんとなく行動する」「物事を深く考えない」以外に「お金が消える人」の性質がありましたら教えていただければと思います。

午堂:テレビのコマーシャルや広告など、企業が出す情報をそのまま信じてしまうことですね。これは本書でも書きましたが、企業が発信する情報は、基本的に「消費者にモノを買わせる」ためのものです。
そのため、必ずしも正しい情報とは限りませんし、消費者にとって役立つものとも限りません。企業側の思惑や供給者の論理を読み取らないと、賢い人にお金を巻き上げられてしまいます。

― アイドルなどにお金をつぎ込んでしまう人はこのタイプかもしれませんね。たとえば、好きなアイドルグループに関係する商品があると無条件にお金を使ってしまう人が家族にいて、少しその出費を抑えてほしい場合、どんな風に言えばいいのでしょうか。

午堂:「自己満足」の消費だけでなく、投資的な消費に思いが向くように助言してみてはいかがでしょうか。アイドルのグッズを買うことは、本人にとっては幸せなことかもしれませんが、たとえば家族全体が幸せになることを考えたとき、もっと別のお金の使い道があるのではないか、という提案をしてみるなどです。
「自分が満足して終わり」では、自分以外の誰も喜びませんが、家族みんなが満足するようなお金の使い方ができれば、それはもっとハッピーなことですからね。

― 自分には分不相応なほど高額なブランド品を買ってしまう人についてはどう思われますか?

午堂:ブランド品を志向する人には2つの傾向があります。ひとつは、「ブランド品=いいもの」という、自分の感性で確かめることなく、世間の判断に無批判で従っている点です。本来は自らの判断でそのモノの価値を考えるはずですが、その行為を放棄してしまっていると言えます。
もうひとつは、「周りの人からよく思われたい」「うらやましがられたい」という見栄の真理です。

― よく考えたうえで「周りの人によく思われること」が自分にとって価値があると判断したならば、そこにお金をかけるのはアリ、ということでしょうか。

午堂:そうですね。他人の目が気になって買うのならそれは「お金が消える人」。
しかし、そのブランド品を持つことによって、自分のチャンスを広げてくれるのであれば、それは意味のあることです。
たとえば新しい洋服を来てデートに行くことで、相手の異性をゲットできる可能性が高まると想像できるなら、それは「投資」だと言えなくもないですよね。

収入増は見込めない?資格取得にひそむワナ

― 収入がなかなか上がらず、低収入から抜け出すことがどんどん難しくなってきています。午堂さんが今現在生活できるかどうかギリギリの収入しか得ていないとしたら、この状況から抜け出すためにどんなことをしますか?

午堂:選択肢は大きく二つあると思います。今の会社で給料を上げていくことを考えるか、転職してより高い給料のところで働くことを考えるか、です。

― 資格を取るという選択肢はありませんか?

午堂:今は資格保持者が余っている状況ですから、そんな環境下でも集客する方法を持っている、勝算があるという人なら良いと思います。が、それができる人なら、別のもっと利益率の高い商売をするかもしれませんね。
そもそも資格取得を目指す人は、とりあえず「手に職を」という発想があることが多いようです。これはウラを返すと、自分で商品を考えたり、営業活動をしたりするのが面倒だから、という本心が透けて見えます。つまり、資格があれば自動的に客が来るとか、会社から評価されるとか、転職できるんじゃないか、という安易な発想で「資格」に惹かれるわけです。これでは稼げる人になれるはずもありません。

― 今いる会社で給料を上げていこうとなった時、どんなことが大事になりますか?

午堂:営業職ならとにかく成績をあげれば給与やボーナスに反映されやすいと思います。数字などで評価されにくい職種の人は、会社の昇給や昇進の査定基準を知り、それに倣って仕事をしてみるのが、まずは順当かと思います。

― 収入は多いものの、手元にお金が残らない人もいます。こういったことになる原因も、やはり物事を「なんとなく」決めてしまったり、「なんとなく」でお金を使ってしまう点にあるのでしょうか。

午堂:それもありますし、お金がたくさん入るようになると、買うものが“まんべんなく”高級品になりがちです。お金がない時期は、「これにはお金を使う」「ここには使わない」というメリハリがあったのが、食事にしろ衣服にしろ、買うモノの値段が全体的に上がり、生活の全方位にわたって支出が増えていきます。すると、収入は結構あるのに、お金が残らないということが起こりがちです。
こういう人は、自分にとって何が重要で、何にお金を分配する価値があるのかをもう一度考え直す必要があるでしょう。

― 私たちが普段「なんとなく」つかっているもので、午堂さんが最も「無駄」だと思うものは何ですか?

午堂:たとえば携帯電話関連。最新機種が出るごとに買い替えたり、気分に合わせてカバーを買い換えたり、スマホゲームで課金アイテムを買ったり、というのも、なんとなく出費のひとつです。あるいはコンビニで新商品を見るとつい試したくなる、というのも挙げられます。

― 午堂さんの本からは、お金に対して非常に高い意識を持っていることが読み取れます。
お金に無頓着であったり、あまり関心を持たない人がいる中で、なぜそれほどまで強い気持ちを持ってお金を増やそうとされているのでしょうか。

午堂:これは二つの理由があります。一つは、より幅広い経験をしようと思ったらどうしてもお金が必要になるわけで、そういうチャンスを「お金がないから」という理由で放棄したくないからです。だから、どうでもいい商品、自分の人生に変革を起こさないものにお金を使いたくないのです。
もう一つは、お金を稼ぐことは一種の社会貢献だ、という想いがあるからです。そもそも人の役に立っているから対価としてのお金をいただけるわけで、逆に、「これ以上は稼がなくてもいい」「これだけあれば十分」という人は、無意識のうちに「自分は今以上、人の役に立たなくてもいい」という自己中心的な発想の持ち主ではないかと思っています。
そういった面も含めて、お金はあればあるだけいいし、己の限界まで稼ぐべきだというのが私の考えです。
もちろん、私自身も事業者のひとりとして、消費者に買ってもらえるように日々工夫をしている身ですから、企業側の狙いがよくわかる。だから価値のあるなしに敏感だ、という側面もありますが。

― 最後になりますが、お金が手元に残らず苦労している方々にメッセージをお願いします。

午堂:とにかく自分の頭で考える、ということですね。さっきお話ししたスマホゲームにしても、世の中のビジネスは全て、頭のいい優秀な人が考えたものです。だからこそ、自分がお金を使う目的やリターンをよく考えないと、自分より優秀な人たちが作った仕組みに財布を開かされてしまいます。そうしたことを防ぎ「お金が増える人」になるきっかけとして、本書がお役に立てるのではないかと思っています。

(新刊JP編集部)

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