
■1、まず本書を執筆した経緯についてお聞かせください。
自分が独立して5年、一段落したときに、起業に至るまでの道程や起業してから振りかかる問題などを一度整理して、これからやってくる人(会社辞めたくてうずうずしている人)に伝えることに意味があると思ったのが、執筆のきっかけです。
■2、非常に長い書籍名だと思ったのですが、タイトルについてこだわりはあるのですか?
随分悩みましたが、自分のメッセージを直接的に伝えるのが良いだろうということで、このタイトルになりました。タイトルは扇情的ですが、内容は極めて論理的・実践的なものになっています。
■3、内容はとても実用的で、フリーランスやノマドではなく、どちらかというと経営をテーマにしているように感じたのですが。そういった書き方にした理由を教えていただけますか?
はい。フリーランスやノマドに関して社会論的に事象を書いたものは多いのですが、では実際、どうやって食べてゆくの?という具体的で現実的な問いに答えているものは少ないと感じていました。そのため本書では、きちんと事業が回るための経営土台をどう創るのか、に注力して書きました。
■4、最近は「ノマド」という働き方が注目を浴び、それにともないフリーランスに憧れる人も多くなったように感じるのですが、山口さんはこのノマドブームについてどうお考えですか?
ノマドやフリーランスという言葉の一人歩きはともかく、一人ひとりが「自分の人生を歩む」ということはとても意義深いと思っており、これからも応援したいですね。
■5、「食うための土台を作ることが大事」という主張は大いに同意できました。フリーランス賛美が過ぎると「とりあえずやりたいことをすればいい」という「やりたいこと原理主義」に陥ってしまいますが、そうした人たちを見ていて何か感じるものはありますか?
日本では、クリエーターや職人が多く、製品のイノベーションは進むのですが、どうも事業プロセスのイノベーションや戦略が弱く、それで損をしている人が多い。とても残念な気持ちです。優秀なクリエーターや職人にこそ、経営マインドを少しだけ学んでほしいと思います。
■6、山口さんとしては、フリーとして生きていく方法と組織に属して生きる方法、どちらが得だと思いますか?
これは損得の問題ではなく、純粋に選択の問題だと思います。フリーでも対外的なコミュニケーションは必要ですし、組織でも自分で価値を出す必要がある。よりオープンで自律的な環境を求める人はフリーになればいいし、よりクロースで相互依存的な生き方が合っている人は、組織を選べばいい。また1人の人間もそのキャリアの中で、フリーと組織を繰り返しながら生きてゆくのが良いのではないでしょうか?
■7、山口さんは「独立したい」「フリーランスになりたい」と相談してくる人に対し、どんな風に声をかけることが多いですか?
「なりたい」という気持ち以上に、まずは、それにお金を1円でも払ってくれるクライアントをみつけることです。本にも書きましたが、副業的収入が10万円を超えるまではまだ早いと思います。
■8、本書をどのような方に読んで欲しいとお考えですか?
本当に好きなことをやっている人、でもそれで食えないと悩んでいる人に読んで貰いたいですね。
■9、「フリーランス」や「ノマド」に憧れを持っている方々にメッセージとエールをお願い致します。
大丈夫。心配しないで。かならずうまくいきます。

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却。 現在は、コンサルティング会社をはじめ、複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演活動を行っている。慶應義塾高校講師。専門は貨幣論・情報化社会論。主な著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)、『デューデリジェンスのプロが教える企業分析力養成講座』(日本実業出版社)。

