――水蓮さんが「ことだま鑑定」を始めたきっかけを教えていただけますか?
水蓮:もともと小さな頃から人の役に立つ仕事がしたいと思っていたことがあります。実は1歳のときにひどい火傷を負って、お医者さんや看護士さんに命を助けてもらった経験があるんです。入退院を繰り返していた時期に、同じ病室の方が死んでしまいそうになったりこともありましたし、こういったバックボーンが「ことだま鑑定」に結び付いているように思います。
――実際に「ことだま鑑定」を始めたのは?
水蓮:2008年頃ですね。いろいろな会社を転々とする中で人間関係のトラブルに巻き込まれたんです。そこで出会った本がひすいこたろうさんの『名言セラピー』(ディスカヴァートゥエンティワン刊)でした。この本を読んでひすいさんのファンになり、生まれて初めてメールマガジンを購読するようになったのですが、そのメルマガに「可愛いのにモテない女の子の共通点は自分の名前が好きではないこと」ということが書かれていたんですね。「確かにそうかもしれない」と思って、最初はなんとなく面白そう程度の気持ちで、「ことだま」について勉強しはじめました。多分、自分の性にあったんでしょうね。それから3年間で約2000名のお名前を鑑定させてもらい、2012年に独立してオリジナルの鑑定法「水蓮流ことだま鑑定」を立ち上げて、鑑定や講座をしながら今に至ります。
――それまではどのようなお仕事をされていたのですか?
水蓮:17年間、OLとして働いていました。ゲーム会社で営業事務ですとか、メイクの勉強をしてメイクアップの仕事をしたり、ブライダルプランナーをしたり……。いろいろやりましたね。独立までは「ことだま鑑定」と掛け持ちで仕事をしていました。
――『ことだま50音「名前」占い』はひらがな1音1音をもとに、その人の性格や役割について説明していきます。これは「名前」と書いてありますが、「名字」はそれに当てはまらないのですか?
水蓮:名字もあてはまります。わたしたち日本人の名前の付け方の法則は、日本の神様の名前の法則と同じです。例えば、神々の名前の法則を、人名に置き換えてみましょう。
『天野照子さん』の場合、「天野」(属性=名字)は何家に属する人かを意味します。次に「照子」(役割=名前)はどのような、役割、使命を担う人か、ということを示します。そして最後に「さん」(神号=敬称)は第三者から敬意をこめられ、どう呼ばれている人かとなります。名前は、ずばり「使命・役割」をあらわしているのです。
日本の神々と同じく、わたしたち日本人も「氏名」に、「使命」を授かっています。名字は家系の使命、名前は個人の使命です。古くから、日本では家の役割を大切にしてきました。しかし、現代は個人の役割が大切な時代なので、下の名前に焦点をあてているのです。
でも、会社では名字で呼ばれる人が多いと思いますので、そういう場合は名字を診断してもいいのかもしれません。
――あだ名も当てはまるのですか?
水蓮:当てはまりますね。実は呼ばれ方によってその人たちが自分に何を求めているかが分かるんです。呼んでいる方が自分にどんな力を求めているかが出るんですね。例えば、今、ペットにつける名前として「ココちゃん」という名前が人気なのですが、「こ」はこつこつ積み上げるという意味です。実は日本人の名前にも「こ」がつく人は多かったのですが、一時期少なくなり、また増え始めているという傾向があるように思います。時代が「こ」がつく名前を望んでいるんでしょうね。
――名前を鑑定するということは、自分の名前で悩んでいる人も多いと思います。では、名前のどの部分が“悩みの種”になっているのでしょうか。
水蓮:例えば、適当に(名前を)つけられたのではないかとか、変わった名前で世間の目が気になるといった人は多いです。名前を否定されることは、自分自身を否定されるのと同じです。だから無理もありません。
でも、名前に良い悪いはなく、名前に自分の意識を投影して、「大切に扱われていない自分」「愛されていない自分」「必要とされていない自分」を見てしまっているから、名前に対して悩みを感じてしまうのです。
――では、「自分の名前が嫌い」というのは…
水蓮:それは自分自身を否定することと同じです。誰ひとりとして自分の名前を自分で決められる人はいません。それは八百万の神々があなた自身に役割を課す、人生で成すべき大切な役割を記しているからです。名前を受け入れ、その使命を全うすることが何よりも大事ですし、そういう風に見方を変えてみてはいかがでしょうか。
――「名前」というと、キラキラネーム(一般常識からは考えられない奇抜な名前や読めない当て字をつけた名前)が話題になっています。
水蓮:ひとくちにキラキラネームといっても、ご両親が「世界にひとつだけの名前をプレゼントしたい」と、真剣に子どものことを考えてつけた名前もありますよね。例えば、文豪の森鴎外(本名は林太郎)は、自分の子どもに於菟(おと)、杏奴(あんぬ)、不律(ふりつ)などの名前をつけました。これは、鴎外はドイツ留学時に、本名「林太郎」を誰も正しく発音してくれなかったのに閉口して、子どもには独仏語でもおかしくない名前をつけたのだそうです。日本人の感覚からすれば、変わっている名前ですが、愛情はきちんとこもっている名前でもあるわけです。
ただ、子どもの将来を考えずに、「自分の所有物」として好きな名前をつけ、その名前を子どもが受け入れられない場合は自己肯定に影響がでると思います。これまでの鑑定で「名前を好きでない」という気持ちを突きつめていくと、「自分は大切に扱われていない」「愛されていない」といった気持ちに行きあたることが多いのです。さきほど申し上げたように、名前のイメージは自分自身のイメージですから、もし子どもが生まれて名前を命名するときは、誇りを持てる名前をつけることを心掛けてほしいですね。
――この『ことだま50音「名前」占い』をどのような方に読んでほしいと思っていますか?
水蓮:私の役割は、「自分には、たいした価値がない」と思っている「過去のわたし自身」のような方に「あなたには、素晴らしい使命・役割があります」「名前に秘められた才能が開花すると、自然に人の役に立ち、個性、強みを発揮することが出来るようになります」 と、お伝えすることだと思っています。
だから、「自分に自信がない」という方が、名前を入口にして自分自身の才能に気づき、使命・役割を発揮してくださったら、心から嬉しいです。
――また、同時発売となった『ことだま50音「お告げ」カード』はひらがな五十音が一枚ずつカードになっていて非常にユニークですね。
水蓮:このカード一枚一枚にはそのひらがなと、シンボルとなる絵が描かれています。また、色は7色あります。いろいろな使い方ができるのですが、例えばその日どのように過ごせばいいのかを念じて一枚カードをめくってみたり、仕事で企画を考えるときにこのカードをめくってみたりして、ヒントをもらうことができます。このカードは心と向き合うための道具です。そういう場面で使ってもらえると嬉しいですね。
もちろん、他にも使い方はたくさんあるので、ぜひに手にとって楽しんでほしいです。
――では最後に、このインタビューの読者のみなさまにメッセージをお願いします。
水蓮:日本人の名前には、使命が秘められています。名前から、あなた自身の使命を知り、才能のスイッチを入れてください。あなたの魅力、才能が自分らしく輝くことを心からお祈りしています。
(了)
水蓮
ことだま鑑定水蓮流家元
一般社団法人ことだま協会 代表理事
2008年より<ひらがな>で、名前の才能や使命を読み解く<ことだま鑑定>を開始。
3年で2000人を鑑定し、名前の持つ<音の響き>と性格の関わりについて分析。『水蓮流ことだま鑑定』の礎を築く。
さらにオリジナルメソッド『ことだまマトリックス®』を完成させ、これまでにないオリジナルの鑑定法を確立。
ことだま鑑定・水蓮流家元として個人鑑定を行うと同時に、2012年からは鑑定師を育成する『水蓮流ことだま開運塾』を開講。
<占い的な面白さ>に<日本語の奥深さ>も交えた開運塾は、"自分の名前を知ることで人生にスイッチが入る"と大人気に。
口コミ&ブログでその噂が拡がり全国各地で講座を開催。これまでに1200人以上の受講生が参加。
2014年7月"an・an"に『水蓮流ことだま鑑定』が掲載される。(8ページの特集)
2015年よりブラッシュアップした『水蓮流ことだま開運塾』を新たにスタート!ことだま鑑定師の資格認定書を発行開始。
名前から<人生を幸せに導く鑑定師>を育成し、日本語の素晴らしさを、世界に発信していくことが今後の目標。
一般社団法人ことだま協会 http://www.kotodama-japan.jp
水蓮オフィシャルブログ http://ameblo.jp/sumumu/
著書『人間関係で落ち込みやすい人の心がふわっと軽くなる考え方』(2010年ソフトバンククリエイティブ)
最新刊『ことだま50音「名前」占い~ほんとうの自分がわかる~』『ことだま50音「お告げ」カード』(2014年12月18日発売 ディスカヴァー・トゥエンティワン)