――まず、浅井さんが「ネットせどり」に注目された理由、始めた理由を教えてください。
浅井:もともとせどりを始めたのは、小学6年生でした。当時はインターネットがない時代でしたので、実店舗で仕入れをして実店舗で販売をしていました。2000年を過ぎたころからインターネットが本格的に広がりはじめ、ヤフオク!(当時のヤフーオークション)の人気に火が付きました。そこで、何を出しても売れていく状況を体験し、これは面白いと感じ、はまっていきました。
「せどり」は安く買って高く売ることでその差益を得るビジネスです。サラリーマンが副業として稼ぐには、今までスキマ時間に店舗に回っていたままでは、大きく稼ぐことができませんでした。そうした「アナログな方法」ではなく、もっと効率的にパソコン1台あれば効率的にできるデジタルなビジネス「ネットせどり」に魅了されました。
――本書ではAmazonとヤフオク!での「ネットせどり」の方法が書かれていますが、この2つをピックアップした理由は?
浅井:最大の理由としては、他の追随を許さない「集客力」があるからです。
例えば、実店舗を出店するときには、お客さんがたくさん通る場所に出すことが大事です。極端な話ですが、いくら家賃が安くても、無人島で商売をしていたら稼げないのはイメージできますよね。
そのお客さんがたくさん通る場所がAmazonでありヤフオク!です。Amazonやヤフオク!には、一般の人では獲得できない「圧倒的な集客力」があります。売れたときには手数料がかかりますが、固定費がほとんどかからないので、リアルで商売するよりもリスクが限りなく低いと言えます。
さらに、Amazonに関して言うと、「FBA」というシステムがあることもピックアップした理由です。「フルフィルメント by Amazon」の略なのですが、このシステムを使えば、注文処理・ピッキング・梱包・出荷をすべてAmazonが代わりに対応してくれます。忙しいサラリーマンでも主婦の方でも、これを使うことで圧倒的に効率よく物販ができます。
――他にも「ネットせどり」ができるサービスはどんなところがありますか?
浅井:オークションサイトなら、モバオクや、楽天オークションなどで仕入れ販売してもよいでしょう。モバオクは、携帯を普段よく使う人が利用するオークションサイトなので、若者が多く、家電などよりもファッション系が人気だったりします。
価格差があれば、どこから仕入れてどこで販売するかは決まっていません。本書でも多くのネットショップからの仕入れの方法などもご紹介しています。
――浅井さんは今でもサラリーマンを続けながら副業として「ネットせどり」を続けているそうですが、なぜ「ネットせどり」一本にしぼらないのですか?
浅井:よく聞かれる質問の1つですが、私は複数の収入源がある生活こそ安定性があるという考えを持っています。サラリーマンとしての給料と、副業としての給料2つの収入源を持つことで安定性を保っています。
将来的には、いわゆる脱サラをして、自分のビジネス1本に絞りたいという考えもありますが、現状は副業として続けています。
――また月100万円を稼ぐときもあるそうですが、「ネットせどり」だけでも生活できるくらいの収益を得られるようになったのは、始めてからいつ頃のことでしたか?
浅井:月100万円を稼げるようになったのは、ここ数年の話です。生活できるレベルでしたら、10年近く前から稼ぐことはできています。
――初心者がはまってしまう落とし穴はなんですか?
浅井:やはりネットだから「楽に稼げる」と思ってしまうことでしょう。より正しく表現するとすれば「慣れてくれば、楽に稼げる」というものです。
初心者がネットせどりを行なうときに、いくつか超えないといけない壁があります。アカウントの作成一つでも、多くの方は面倒だと感じるのではないでしょうか? ただ多くのビジネスは、相手が面倒だと思うことをすることによって、利益を生み出しています。ネットビジネスも商売ですから、それなりの覚悟をもってチャレンジすれば結果が出ると思います。「数日やってみましたが、稼げませんでした」という人がたまにいるのですが、数か月は試してみてほしいですね。
――カスタマーからのクレームが来ることはありますか? もし来るとすればどのようなクレームがありますか?
浅井:お客様からのクレームとしては、自分が欲しいと思っていた商品と違うものが来た、届いたものが破損していたなどの場合に、クレームにはつながります。梱包を雑にしてしまったり、代金をいただいてから発送するまでが遅いなどの場合にも、トラブルになることがあります。
一般的なレベルの対応ができれば大きなトラブルになることはないでしょう。金銭のやりとりについては、Amazonがやってくれるので、基本的にはトラブルはありません。
作業での、やってしまいがちなミスとしては、単純なものですが仕入れた店の値札シールが貼っている場合があります。その際に、シールを剥がし忘れると仕入れ値が購入者の知るところとなり、トラブルになることもあります。
――副業として「ネットせどり」を始めるときのポイントを教えて下さい。また向いている職業などはありますか?
浅井:副業でネットせどりを行なう場合、実店舗で仕入れようとすると、店舗に行く時間が必要になり、プライベートの時間を多く割くことになります。それだと大切な家族や恋人との時間を取れないこともあると思います。ネットせどりの場合は、ネット環境さえあれば、スキマ時間で仕入れができるので、好きなときに好きなだけ稼ぐことができます。
会社でインターネットが使えるからと言って、社内でネットせどりをすることはしないでくださいね。公私を分けるのは社会人としてのルールです。
向いている職業はとくにないですが、コツコツ作業をするのが好きな方には、ネットせどりは向いていると思います。
――売り値があがる商品の特徴、プレミア価格がつくときの前兆などがあれば教えてください。
浅井:売り値が上がる商品の特徴は、「需要>供給」の場合に起きます。つまり、欲しがる人が多くて商品が少ないときですね。逆に、「需要<供給」の場合には逆に売値が下がります。これが市場の原理なのですね。
傾向としては、一部の限定品などは、市場の在庫が決まっているので、そういう品物にはプレミアが付く傾向があります。ここでは話し切れないので、興味がある方は本書を読んでいただきたいですね。
――「ネットせどり」だけで月でどのくらいの収益が見込めるものなのでしょうか。インターネットで調べたところ、ヤフオク!で1億円を稼いだという方もいらっしゃいました。
浅井:ヤフオク!で1億円を稼いだというのは、おそらく私の友人ですね。そこまでは行かなくても一般的な副業レベルでしたら現在月商100万円以上稼いでいる人は本当に多くなっています。初心者の方のなかでも、2~3か月で月10万円の利益を出す人もいます。利益は一般的に20%取れればまずまずです。
実際に本業で行っている友人の場合だと、月商3000万円稼いでいる人もいます。そこまで行くのは特殊ですが。
行動量と、行動力が備わっていて、稼ぐための器、マインドセットと呼ばれるものができてくれば、ネットせどりだけでも月収レベルで100万円くらいまでは稼げるようになると思います。
――「ネットせどり」をしているときのNG行動はなんですか?
浅井:自宅で簡単にできてしまうのが最大のメリットの1つですが、インターネットを使って行なう商売なので、仕入れをしているはずが、ついついネットサーフィンをしてしまうこともあります。その時間は、稼ぎには直結しない時間なので、稼ぐという観点からすれば、ネットサーフィンの時間は減らし、商品をリサーチする時間をキッチリとることを意識してみてください。
――このインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします。
浅井:この『月10万円ラクに稼げる「ネットせどり」入門』は、私が持っている25年の知識をふんだんに詰め込みました。
ネット上の物を仕入れてネットで販売すれば稼げると言うと、にわかに信じがたいかもしれません。本書に書いてある内容を1つひとつ実践してもらえれば、本書の目的である「月10万円の副収入」は必ず稼げます。ぜひ本書を読んで、1人でも多くの方に実践して欲しいですね。最後まで読んでいただきありがとうございました。
(了)
1977年生まれ、大阪府在住。本業は、日用品卸の会社のシステム管理部のマネジャーとして働くかたわら「ネットでせどり」を行なう。物販、Amazonをメインに、単価が高い商品を効率よく売りさばく手法で、現在副業で月商400万円利益100万円を毎月稼いでいる。 せどりビジネスの第一人者として、セミナーやコンサルティング活動もしており、コンサル生の多くも月商100万円を突破している。自身の運営するメルマガ「★せどり歴20年★ヤフオクで継続的に月10万円稼ぐ方法」はまぐまぐで殿堂入りしている。