- 定価:
- 1,300円+税
- ISBN-10:
- 4860637348
- ISBN-13:
- 978-4860637347
――『肌のきれいな人がやっていること、いないこと~月1万人を診る人気皮膚科医が自分の肌で試した本物の美肌法』についてお話を伺えればと思います。皮膚科医をされている菅原さんのところには、肌のトラブルに悩む方がたくさん相談にくるのではないかと思いますが、近頃多い肌トラブルにはどのようなものがありますか?
菅原:季節柄、乾燥肌に悩む方の相談が多いです。乾燥肌の原因で一番多いのは、実は化粧品なんです。これは、保湿するための化粧品を塗れば乾燥しないと思って使っていることがそもそも間違いで、化粧品に含まれる合成界面活性剤がお肌の構造を壊して、お肌が自ら潤う力を弱くしてしまいます。それによってお肌に水分をとどめることができず乾燥肌になってしまうのです。
――本書では市販の化粧品に含まれる有害物質について指摘するとともに、天然のオイルや自作の化粧水、無添加せっけんをすすめています。なかでも「石けん洗髪」が特に興味深かったのですが、シャンプーを使わないと、洗った後に髪がごわごわしませんか?
菅原:確かに石けんで洗髪すると髪の毛がゴワゴワします。その原因は石けんカスが髪の毛に残ったり、髪の毛のPHがアルカリ性に傾いてキューティクルが拡がることなのですが、石けんをよく洗い流すことと、石けん洗髪後にクエン酸でアルカリ性を中和すると、ゴワゴワ感が少なくなります。
また、髪の毛が傷んでいる方は、いままでは通常のシャンプーやリンス・トリートメントに含まれるコーティングする成分のおかげで、そんなにゴワゴワに感じなかったのが、石鹸で洗髪ではそのような成分は含まれていないので、しばらくゴワゴワ感じます。
しかし、石鹸洗髪を続けていると、頭皮が健康になってくるので髪の毛も健康になります。1か月くらいゴワゴワを我慢して石けん洗髪を続けると、健康な髪の毛になってゴワゴワを感じなくなります。ただ、髪の毛の長い方は端の方まで健康になるのは難しいので、傷んだ部分は切ってしまった方が早いとは思います。
――市販の化粧品といってもぴんからきりまで様々です。高価な化粧品にはやはりそれなりの効果があるのでしょうか。
菅原:高価な化粧品だから高価があるとは言えません。ブランドの名前だけで、中身の原価はとっても安いものも多いです。高価な化粧品の金額の中身はきれいな容器代と宣伝費と思った方が良いでしょう。
――私達は普段知らずにやってしまいがちな、「肌にダメージを与える習慣」がありましたら教えていただければと思います。
菅原:女性は朝も晩もと、スキンケアを頑張り過ぎること自体が肌にダメージを与える習慣ですね。お肌は自ら潤う力があるのに、化粧品を塗りこんで一生懸命ケアするのは、肌を痛めるのと、肌本来の力を弱めることになります。皮膚は刺激をすると皮膚の構造が壊れて皮膚本来の力を発揮することができなくなります。できるだけシンプルに、必要最小限の保湿するものだけをつけるのが、肌を美しく保つ秘訣です。
男性に関しては、何も考えずにこすり過ぎです。居酒屋のおしぼりでゴシゴシこすっている光景はよく見かけますよね。こすることと、おしぼりに含まれる洗剤でお肌の構造が壊されます。
――季節ごとになりがちな肌荒れはありますか?
菅原:季節の変わり目は、お肌の調子が悪くなるとおっしゃる方が多いですね。
その原因は、もともとお肌に合っていない化粧品を使っていて、普段は肌がそれに耐えているけども、季節の変わり目は外気の温度や湿度が変わってきますので、肌がそれについていけなく、合わない化粧品にも耐える力が発揮できなくなるからです。
根本的な治療は、そのような症状に悩む方は肌に合わない化粧品(通常の市販の化粧品すべて)をやめる必要があるのです。手作り化粧品や本当の無添加化粧品に替えるとそのようなことは起こらなくなります。
肌の強い人は、季節の変わり目も、体調が悪い時も肌の調子は悪くなりません。市販の化粧品の害のある物質にも負けない肌をもっている方です。そのような方は、そのまま市販の化粧品を使っていても問題はないのでしょう。うらやましいです。
――また、食生活が肌に大きな影響を与えるというのはうなずける話でした。糖化が肌のしわとたるみを増すということについて、「糖化」を避けるための食事とはどのようなものになりますか?
菅原:一気に血糖値が上がると糖化は進みます。食べると血糖値は上がりますが、炭水化物や糖質をすくなくすれば、そんなに血糖値は上がりません。
食べる順番も重要です。食物繊維がたっぷりの野菜、そして魚、肉などのタンパク質を取って、最後に炭水化物(米やパン)を少量食べましょう。
砂糖たっぷりのスイーツは食べない方がいいです。それはなかなか難しいと思いますが、食べる回数を少なくするだけでも良いと思います。
また、焼き色がついているものは糖化を進めるので、料理するときに揚げたり焼いたりするより、ゆでたり蒸したりする方を選択するのが良いです。
――最近では、男性でも肌に気をつかう方は増えてきています。私は特に化粧品をつけたりはしていないのですが、風呂あがりなどは顔の皮膚がつっぱったり、白く粉が浮いてしまうのが悩みです。効果的な解決法がありましたら教えていただきたいです。
菅原:なぜお風呂上りに皮膚がつっぱったり、粉が浮き出るのか。
それは、お肌の水分が足りなくなったからです。原因はお風呂の時にシャンプーがお顔についてしまっていること、シャンプーを流すときのお湯も顔にかけてしまっていること。
顔を洗うときにお湯(体温より高い温度)で洗っていること。人によっては湯船のお湯を顔にかけていることです。
シャンプーは肌の構造を壊す合成界面活性剤のとても強いものが主成分です。それをお顔につけてしまうと顔がつっぱるのは当然です。
体温より高い温度のお湯は、皮膚の保湿する成分を流してしまいます。冷ためのぬるま湯で洗顔する必要があるのです。一切お湯は顔につけない方がいいです。
――最後になりますが、肌のトラブルに悩む方々にメッセージをいただければと思います。
菅原:肌トラブルに悩んでいらっしゃる方は、必ず原因があります。
様々なことをためしても改善しないのは、原因にそったことをしていないからです。
こちらの化粧品がダメだったから、そっちの化粧品…と化粧品を転々とする方は多いのですが、こっちの化粧品にもそっちの化粧品にも肌に負担のかかるものが配合されているのです。
また、化粧品だけではなく、金属アレルギーが原因だったり、食べているものが原因だったり。
まずは原因を突き止めましょう。この本には原因を突き止めるヒントが満載です。
肌荒れは絶対に改善します!
- 1
- 肌のきれいな人がやっているスキンケア
(洗顔の仕方ひとつでお肌はきれいになるシャンプーの仕方もコツがある ほか) - 2
- 美肌のために何を使ったらいい?
(クレンジングには天然のオイルを石けんのチョイスはここを見て ほか)
- 3
- 食べ物が美肌をつくる
(肌にとって大事なふたつのこと酵素を摂取する ほか) - 4
- 美肌のために避けたいこと
(肌荒れの原因はここにある!化粧品には有害物質がいっぱい ほか) - 5
- ケーススタディ肌荒れ克服への道
(化粧品が肌に合わなかったA子さん(34歳・銀行員) かゆみが出たB子さん(38歳・ピアノの先生) ほか)
菅原 由香子
1970年、北海道旭川市生まれ。弘前大学医学部卒業後、札幌医科大学皮膚科、大手美容外科美容皮膚科部門勤務を経て、岩手県一関市にすがわら皮膚科クリニックを夫と共に開業
- 定価:
- 1,300円+税
- ISBN-10:
- 4860637348
- ISBN-13:
- 978-4860637347