新刊JPロゴ トップへ
アマゾンへのリンク ストーリー思考で奇跡が起きる

ストーリー思考で奇跡が起きる 小山 竜央

解説

 その男は45歳で彼女いない歴=年齢、着ている服はぼろぼろで風呂には3ヶ月も入っていないという有様だったという。さらにコミュニケーションが苦手で自殺を考えたこともあった。
 ところが、それかわずかの間に驚くような成功を遂げ、「左右の腕の中に驚くばかりの美女たちを抱えながら、札束の風呂に入るような生活」を送るようになっていた。

 一体なぜそんなことが起きたのか、皆さんは想像できるだろうか?

 残念ながら、これは実話ではなく作り話である。
 だが、あまりにも極端にさえない前半部分と華やかな後半部分の間を結び付けようと、男がどのようなことをしたのか考えたのではないだろうか。
 そして、この「困難な場面」から「ハッピーな状況」につながるストーリーを想像することが、自分の人生をよりよいものにする上で重要なのだ。

 小山竜央氏は新著『ストーリー思考で奇跡が起きる』(大和書房/刊)において、人生における真の成功に必要なものは「脚本」だと述べている。それは一つ一つの小さな仕事の成功譚ではなく、もっと壮大な――自分だけではなく、子ども、孫、子孫まで世代を跨ぐようなスケールの大きい物語のシナリオである。

■ 大きな成功を収めた学生とそうでない学生の違いとは?

 こんなデータがある。アメリカ人ジャーナリスト、スラリー・プロトニック氏がビジネススクールの学生1500人を対象に、「今すぐ夢を追いかけるか? それとも先に経済的な安定に役立つ職業を選ぶか?」という質問をしたという。
 そこで「経済的な安定を確保してから夢を追いかける」と答えた学生が1245人だったのに対し、「今すぐ夢を追いかける」と答えた学生はわずか255人。ところが20年後、「経済的な安定を確保してから」と答えた中で大富豪になっていた人はわずか1人、一方「今すぐ」と回答した学生のうち100人が成功を収めていたという。

 人生に何を望むのかは人それぞれだが、偉業を成し遂げる人の多くは最初から「安定」など見えていないのだろう。物語は動きがなければ前進しない。だから成功者たちは絶えず変化を起こそうとしているのだ。

■ 「リトマス法」で成功ストーリーを考える

 大きな目標を追い求めるほど、それに相応する壮大なストーリーが描かれた「脚本」が必要になる。だが、普段の生活からストーリーを作る機会はそうない。
 『ストーリー思考で奇跡が起きる』はそのためのノウハウを教えてくれる一冊だ。あなたの目標や願望は何なのか? 目標達成に至るまでのシナリオをどのように組み立てていく? 登場人物は誰? 考えるべきことはたくさんあるが、いつでも成功ストーリーを思い描ける癖を身につけることはとても大事なことだ。

 そこで登場するのが、冒頭で書いた「貧乏な男が成功を手にする」話である。こうした前半と後半の状態が劇的に変化するストーリーを描くことをシナリオライティングの世界では「リトマス法」と呼ぶ。

 前半部分と後半部分に大きなギャップを感じると、脳は物事の整合性をはかろうとして、つじつまを合わせようと思考がフル回転するようになる。
 小山氏は、この「リトマス法」を自分自身のストーリーに導入してみることをすすめる。今の自分の状況と目指すべき自分の状況を浮かべ、その結末にたどり着くようにストーリーを考えるのだ。そうすると、脳は様々なシグナルを発し始め、行動を促すように機能する。筋道が見えてくれば、それに沿うように行動するのみとなる。

 この「リトマス法」は自分の目標を達成するための手法の一つであり、本書にはさまざまな考え方やノウハウが詰まっている。人生の目標がなく空っぽな毎日を過ごしている人、何かしたいけれど何をしていいのか分からない人、目標はあるけれどどう行動すべきか悩んでいる人にとっては大いに力になってくれるはずだ。

(新刊JP編集部)

目次

  • はじめに 「脳の仕組み」を理解すれば、奇跡は誰にでも起こせる
  • 序章 目標を捨てると人生が変わる

  • なぜ、あなたの目標は実現しないのか
  • 9割の人は問題が起きるとフリーズする
  • “他人の知恵”があなたを変える
  • “子ども”になることで問題は簡単に解決する
  • あなたの人生はディズニー映画のようなもの
  • 第1章 1%の人が大事にしている習慣

  • ステップ1「テーマ」を決める

  • 上位1%の成功者が考えていること
  • “案内”を出すことで共感と応援を一気に手にしよう
  • “ジャンル”を決めると、どんどんサポートされる
  • 2つの視点がストーリーをコントロールする
  • “プロット”を作り、テーマを達成させる
  • ビジネス書があなたを変えられない理由
  • 第2章 たったひとつの行動が奇跡を起こす

  • ステップ2「イベント」を起こす

  • 未来を変化させる3つの“イベント”の定義
  • 今すぐに重い腰をあげる方法
  • 内気な人でも有名人にアプローチできる
  • 大成功の前に必ず起きていること
  • “人生の大逆転”の起こし方
  • ナポレオン・ヒルが大富豪になるためにやったこと
  • あなたを必ず夢に近づける人物
  • 人生を変えるメンターと出会う方法
  • “ムチャ振り”が奇跡を起こす
  • “5W1H”が成功への近道
  • 3カ月も風呂に入らなかった男が札束風呂に入った理由
  • 第3章 あなたが変化する瞬間にフォーカスする

  • ステップ3「ストーリーボード」を書く

  • “ストーリーボード”で上昇曲線に乗る
  • どんどん失敗が怖くなくなる
  • ひと月単位で人生を新しくやり直す
  • 人を2パターンに分けてしまえ
  • ハッピーエンドの直前に必ず起きること
  • 第4章 自分を育てる時間をあらかじめ作る

  • ステップ4「種」をまく

  • “停滞期”にこそ、問題を減らせ
  • なぜ急成長した若手経営者はすぐ没落してしまうのか
  • 「?」→「大きなイベント」→「成功」の法則
  • 第5章 人生を性格にとらえて夢実現の精度を高める

  • ステップ5「見直し」をする

  • “見直し作業”だけで状況は逆転する
  • よい効率だけを濃縮する
  • “参考材料”がいい未来を作る
  • 実は“弱点”が解決策を教えてくれる
  • 余計なトラブルをなくす「人との付き合い方」
  • 第6章 夢の実現を最速で引き寄せる

  • ステップ6「協力者」を作る

  • “呼び込み”で人生を加速させる
  • 人の心を鷲づかみにする6つのヒント
  • 控えめな人が堂々と話せるようになる方法
  • 大成功した元カバン持ちが大事にしていたこと
  • 相手のサイフから1万円を出させるには
  • 人は弱者を、より弱者にしたがる
  • 語り続けると可能性はぐんぐん上がる
  • 第7章 夢を叶える4つのツール

  • ストーリー構築は公園でやれ
  • 頭の中をすっきり整える「ノートツール」
  • 運命的な出会いを手に入れる「セミナーツール」
  • 出会いを確実に人脈に変える「旅行&名刺ツール」
  • 相手の心をつかんで離さない「プレゼントツール」
  • おわりに

著者プロフィール

小山 竜央

株式会社ライブクリエイト代表取締役。講演会コンサルタント。
1982年香川県生まれ。2003年個人で運営するオンラインゲームサイトが月間3600万PVを突破。ゲーム業界にてアバターを用いたアバガチャを広める。
2005年大手広告代理店に入社しSNS開発、ゲーム開発、マーケティングに携わる。
その後、独立し、過去に培った知識を元に「ゲーム理論マーケティング」を取り入れた法人へのビジネス指導と、講演会を全国で開催。さらには、世界的な著名人の海外教育研修プログラムを直接プロモートし、そのノウハウをいかし効果の高いセミナーの実施をトータルに支援する。また自身も幕張メッセ、東京ビッグサイトなど、大規模な講演会にて聴衆から絶大な支持を誇る人気講師として活躍する。
現在、講演会コンサルタントとして活躍すると同時に、後進の指導を行っており、指導した延べ人数は5万人を超え、何千人ものセミナー講師を日本全国に送り出している。
また、アンソニー・ロビンズ氏の公式スポンサーやロバート・アレン氏のセミナープロデュースなども手がける。

著書に『5分の使い方で人生は変わる』『人生の悩みはお風呂で消える』(ともにKADOKAWA)、『強運になるお風呂習慣』(宝島社)、『なぜか、自動的に幸せになれる72の習慣』(サンマーク出版)がある。