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解説

 姿勢が悪いと印象が悪くなる。つまり、マナーのひとつとして姿勢を良くしようと思う人は少なくないでしょう。しかし、姿勢の良し悪しは印象を左右するだけではありません。その人の健康に大きな影響を与えることもあるのです。
 『長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい』(サンマーク出版/刊)の著者、仲野孝明さんの肩書きは「姿勢治療家」。本書によれば、姿勢が悪くなると、内臓や脳がゆがみ、結果として、肩こり、視力の低下、高血圧、手足のしびれ、うつ病など、様々な症状を引き起こすといいます。

 なぜ姿勢が悪くなると、これらの症状を引き起こしてしまうのでしょう。
 まず姿勢が悪いと、背骨や骨盤の位置がズレてしまいます。その結果、体の中の空間が狭くなり、内臓が正しい位置におさまらなかったり、余分な傾きが加わってしまったりして、内臓に大きな負担をかけてしまうために疾患へとつながってしまうのです。

 また背骨は脳と体の各部位をつなぐ神経の通り道としての役割も担っているため、ここがゆがむと神経が圧迫されてしまいます。すると、体からの情報がうまく脳に伝わらなかったり、逆に脳からの指令が体に行き届かなくなります。その結果として、指先のしびれや足のむくみといった症状があらわれるのです。

 では、どのような要因で姿勢は悪くなってしまうのでしょうか。実は、普段パソコンの前に座って仕事をしている人が陥りがちな、姿勢を悪くしてしまう“罠”があります。ここでは2つの例をご紹介しましょう。

パソコンのモニターの高さが合っていない

 人間の頭は、体重の8~13%ほどの重さがあると言われています。そして、首の角度が15度傾いただけで首にかかる負担は約12キログラム、つまり首が背骨の上にまっすぐある状態の2倍以上もの重さがかかるとも言われています。
 これらのデータから「下を向いた」状態で長時間作業をすることが、どれだけ体に負担を強いるのかが想像できます。
 その意味で、デスクワークであれば、注意を払いたいのがパソコンのモニターの高さ。本書ではモニター位置が低すぎたために、長年、肩こりに悩まされていたという女性の例が紹介されています。この女性の場合、モニターの位置が低すぎたせいで、常に「下を向けて」作業をしてしまっていました。これが肩こりの原因だったのです。
 仲野さんのアドバイスにより、この女性は、背伸びをして座った状態で、顔の正面に画面の中心が来るよう、モニターの高さを15センチほど高くしました。すると、頑固な肩こりがあっという間に解消されたそうです。

マウスとキーボードを奥に置いてしまっている

 モニターの高さとあわせて、デスクワークの人にぜひ気をつけてもらいたいのが、マウスとキーボードの位置。仲野さんによれば、キーボードやマウスを奥に置いてしまうと手が前に出すぎてしまい、肩が丸まってしまうといいます。これの何が問題なのでしょう。
 手の位置が体より前に出てしまうと、背伸びの姿勢をとれなくなります。パソコン操作をするのであれば、腕をわきにつけた状態で、ひじから曲げるのが正しい姿勢。腕の位置が正しくないと、背中のポジションも崩れてしまうのです。

 長時間パソコンに向かって作業をする人にとって、机まわりのレイアウトを間違えることは、健康に大きな悪影響を及ぼすことが分かります。  また一方で、これらの「正すべきこと」以外に、姿勢を良くするために積極的に取り入れるべき習慣もあります。そのひとつが「背伸び」。本書では、背伸びを使った健康法を実践することで「正しい姿勢」を手にいれ、健康な体を取り戻すことが可能だとしています。
 詳細はぜひ本書をチェックしてもらいたいのですが、ここで紹介されている「背伸び」を使った健康法はどれも30秒もあれば実行可能なものばかり。通勤途中や家事の合間など、日常生活の様々なシチュエーションで無理なく取り入れることができるでしょう。

(新刊JP編集部)

目次情報

  • マッサージを受けると腰痛は悪化する
  • 「ボキボキ」させないとうたう治療院に行ってはいけない
  • 45万円のベッドより、5000円の布団のほうがいい
  • 「寝相が悪い」人ほど体にとっては理想的
  • 肩は「3本の骨」を意識すればよく動く
  • 毎日の健康チェックは「足裏」でやりなさい
  • パソコンのモニターは「15センチ」上げるのがベストの高さ
  • 「かんたん背伸び」と「しっかり背伸び」を使い分けなさい
  • 歩くときの目線は「2階の高さ」がベスト
  • ランニングは下半身より上半身を意識しろ
  • 姿勢のために絶対にしてはいけない10のNG習慣
  • 靴を選ぶときは「靴底」で選べば失敗しない

プロフィール

仲野孝明 (なかの・たかあき)

姿勢治療家。仲野整體東京青山院長。
柔道整復師。柔道整復師認定スポーツトレーナー。介護予防運動指導員。
1973年三重県生まれ。大正15年創業、のべ180万人以上の患者数と二度の藍綬褒章受章を誇る仲野整體の4代目に生まれ、自身もこれまで0歳から108歳まで15万人以上の患者を治療する。そのなかで、姿勢の極意は「背伸び」にあり、誰でも正しい姿勢になれることに気づく。
正しい姿勢をトライアスロンにも応用し、「かなづち」だったにもかかわらず、たった半年の練習でトライアスロン完走など、自身の体を使って姿勢の可能性を探究。著者の人柄や独特の治療法が話題となり、メディアでも多数紹介され注目を浴びている。