最近、目が悪くなっている気がする…と思っている人は多いはずです。仕事柄、パソコンの画面などをじっと見つめる時間も多くなり、目の疲労はたまっているのではないでしょうか。
統計によれば、日本は世界でも有数の「近視大国」で、40代以上の日本人の42%近くが近視となっています。これはアメリカ人や中国人の平均22%よりもはるかに高い数値です。また、近年目立つのが視力0.1以下の近視の人が増え、視力低下の低年齢化も進んでいるといいます。
では、どうして視力は落ちていくのでしょうか。よくその理由としてあげられがちなのが「遺伝」です。しかし、近視の要因として遺伝性だけでなくて、他にも要因があると『目は1分でよくなる!』(自由国民社/刊)の著者で、今野式近視改善エクササイズの発案者である今野清志さんはいいます。
■ 目を悪くする要因の一つは酸素不足?
「酸素」は私たちが生きる上で欠かせないものですが、目の栄養素も実はこの酸素です。そして、身体が酸素欠乏状態になり、目に酸素が行き届きにくくなると、さまざまな症状があらわれてきます。
まず、目の中の毛様体の筋力と水晶体の弾力が失われ、近視や老眼が加速していきます。そして、水晶体の新陳代謝が衰え、濁りが生じると白内障に。さらに、眼球内の老廃物がきちんと排泄できなくなると、飛蚊症を招きます。また、房水という目の組織を満たす体液の排泄が滞ると、眼圧が上昇して緑内障の原因にもなるといいます。
つまり、酸素が不足している状態が続けば、あらゆる目の病気につながる可能性があるのです。
■ 胃腸の不調も視力に悪影響?
酸素は呼吸で取り入れるものですが、座り仕事の増加により、姿勢がゆがんで酸素を取り入れられる量が減っていると今野さんは指摘します。
また、もう一つ、酸素の吸入量を減らしている主要な原因が、“胃腸の硬化”です。中医学において木の根っこに例えられ、最も大事な臓器とされています胃腸ですが、その働きが鈍ると自律神経のバランスが乱れて血流障害が引き起こされ、全身が酸素不足に陥ります。
もっとも、視力低下だけでなく、これは身体全体に悪影響を及ぼすため、胃腸を“ほぐす”ことが必要になります。
■ ストレスや寝不足も視力低下を促す?
また、ストレスも目を悪くする大きな原因の一つ。
よく緊張しているときなど、ストレスが体にかかっていると呼吸が浅くなるということは聞いたことがあると思います。これは自律神経の乱れによるものなのですが、その乱れが、酸素の不足以外にも目に悪影響を与えているといいます。
近視の人の目を観察すると、瞳が大きくなっている人がほとんどだと今野さん。これは、交感神経が優位にあることを示しています。この状態が続くと、焦点の深さが浅くなり、ピント合わせに余分な力がかかり、視力の低下を招いてしまう、つまり、目が疲れやすくなるのです。
夜ふかしや寝不足などは、自律神経のバランスを乱す主要因。さらに、血流障害から前述の酸素不足にも陥ってしまいかねないのです。
つまり、視力の低下を食い止めるには、酸素不足状態から脱するほかありません。
本書では目に栄養を行き渡らせる7つのトレーニング方法が紹介されています。さらに、しっかりと目をケアすることで視力低下を抑えるだけでなく、視力の改善も望むことができるといいます。そのトレーニングもそれぞれカンタンなので、例えば仕事中に少し目が疲れてきたな…と思ったときに実践できるはず。
ビジュアル全盛の今、私たちは目を酷使しがちです。だからこそ、目を大事にケアすべきでしょう。その上で本書のトレーニングは参考になるかもしれません。
(新刊JP編集部)
日本リバース院長
目と耳の美容室 院長
目と耳の美容学院 学院長
1953年、宮城県生まれ。
中央大学法学部卒業。
30代から東中野・赤羽・銀座・日本橋などに整体治療院を開業。
現在は日本橋茅場町本院と東中野分院に開業。