書籍情報

目は1分でよくなる!
─あなたの目がよみがえる
7つの視力回復法

定価: 1,365円
著者: 今野 清志
出版社: 自由国民社
ISBN-10: 4426116783
ISBN-13: 978-4426116781

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はじめに
第1章 日本人は世界で一番目が悪い
第2章 酸素不足が目を悪くする
第3章 1分間で目がよくなる7つの視力回復トレーニング
第4章 深呼吸とジャンプで目はよくなる
第5章 目がよくなると人生が好転する
あとがき 一生使う目を大事にする

著者インタビュー

■若い世代でも目の病気が増えている

―まず、この『目は1分でよくなる!』を執筆した経緯からおうかがいしたいと思います。

今野「よく私のところに50代で緑内障になったり、40代で両目の視力を失ってしまったりした患者さんが来ます。そうした患者さんの多くは、有名な先生に診てもらったり、有名な大学病院に通っていたという方が多く安心しています。しかし、今の治療法のほとんどは点眼薬をしながらの経過観察だから、時間が経つとどんどん悪化していき、視野が欠けてきます。え、どうして、それで慌てて、他の医院を探すのです。

でも、患者さんは医者の言うことを信じていて、治してくれると思っているでしょう。頼れる人が医者だけだから。でも、やっぱり限界はあるのです。治せるところや予防できる法も知るべきです。

―目の病気というと、比較的年齢を重ねてからの発症が多いというイメージがありますが、40代の働き盛りでもなるケースがあるんですね。

今野「それどころか、今は20代で発症する人もいるし、30代は“当たり前”のレベルにきているように思います。

もともと、目は肝経と関わりが深いし、目のそれぞれのパーツも上瞼は胃、下瞼は脾臓など各部分がいろいろな臓器と関わっています。毛様体筋(ピントを合わせる筋肉)は自律神経を支配している胃腸が握っているわけです。つまり、目の不調は体全体に通じていて、どちらかを治せば良いという訳ではなくて、体全体を診ないといけないわけです。

でも、まったくそうした知識が広まっていない状態なので、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っていたところに、自由国民社さんからお話をいただいたということなんです」

―若い人の目の病気が多くなっているのはどうしてですか?

今野「これは生活習慣と利便性です。体にとって便利は不都合なのです。便利すぎて、体を動かさなくなっているでしょう。人間は、電車で例えると、鈍行で普通車なのに、社会は全て新幹線です。そのスピードに体がついていけないのです。スイッチ一つで、暖房や冷房・IТ・スマートホーン・ゲーム器など、食物も硬さから柔らかいもの、インスタント食品、顎を使わない、唾液が出ない、運動をするということは、血行を良くして、臓器を使うということ。逆に家に籠って何もしていないと、人間が本来持っている動物としての機能がどんどん低下していきます。だから視力にも悪影響が出てくるのです」

―本書で目が酸素不足に陥っていると書かれていますけど、血行が良くなければ酸素も目まで行き渡らないですよね。その酸素不足を放置していると、どうなってしまうのですか?

今野「西洋医学、東洋医学問わず、全ての病気の根源は酸素欠乏症にあるということは分かっています。ドイツの医学博士オット・ワールドやワール・ブルクがそれでノーベル医学賞をもらっているわけだから。つまり、目の不調も、生活習慣病も、究極言えば根源はほとんど同じなんです。」

―では、自分の目が疲れていると認識するためのポイントを教えて下さい。

今野「目を閉じて、瞼の上から押してみると良いです。そうすると、眼筋や水晶体が硬くなっているのが分かります。健康的な目、若い目は柔らかいから弾力性がありますけど、完全に硬くなっていると痛みも感じるようになります。」

―なるほど。

今野「そういう場合、すぐにできる疲れを取る方法の一つが、瞑想です。目をつむって、じっとハワイの美しい景色なんかを想像してみる。すると、脳が目の筋肉を弛緩させます。つまり、眼筋を緩ませると考えるのではなく、まずは脳を緩ませてあげないといけない。結局脳で見るわけだから、眼の筋肉が緊張してしまっていると、脳がイライラしてきます」

―それは本書の「7つの視力トレーニング」のところの「瞑想法」ですね。これは本当に効果があるのだろうかと思ったのですが、他のトレーニングとの組み合わせで相乗効果が生まれるのでしょうか。

「そうですね。だから眼の周りをタッピングして眼筋をほぐしてあげるのも大事だし、呼吸を整えるのも大事です。特にタッピングは、血行が良くなります。さっき言ったみたいに、目の周辺や目の各部位は、それぞれの臓器や器官と関係しているので、しっかりとタッピングすることで体全体に良い作用が伝わります。これは中医学の考え方に基づいています、是非やってみてほしいです」

■西洋医学と中医学の両輪で治療すべき

―最近では、レーシック(角膜屈折矯正手術)が流行していますが、後遺症のリスクもあることでも話題になっています。今野先生はどのように捉えていますか?

今野「手術することは決して否定していないけれど、その前に、どうして視力が落ちたのかという原因を追究することが大切ですね。視力が落ちました、じゃあ手術しましょう、高いお金をかけて、と。それは違うように思います。それで、安易に手術を受けたけれど、上手くいかずに目がブヨブヨになってしまったりすることだってあります」

―そんなことがあるんですか?

今野「角膜は薄いから、何度も手術は出来ません。血流がいかなくなって眼球が弱ってしまいます。

視力が低下した原因は必ずあります、それを探ってから改善していく方法があるはずです。ただ、改善していくのに時間がかかるから、もしその時間をどうしても短縮したければ手術をするという選択肢は出てくると思います。職業柄そうしたほうが良い人もいるのかもしれません。

でも、ほとんどの人は目の周囲の眼筋を鍛えることにまず挑戦してみるのもいいと思います。そもそも、この前、新聞に出ていたけれど、4割の人に後遺症が出ています。実際はそれ以上と思われます。術後の15年後20年後の結果はまだ、出ていないのです。すぐに視力が良くなるという宣伝ばかりが表に出ているから、リスクが見えにくくなっていますね」

―意外だったのは、本書の冒頭に書かれていた、「視力が悪いのは、遺伝だけが原因ではない」ということでした。

今野「例外を除いて遺伝が大きな要素ではないと思います。それよりも、やはり生活習慣が大きいですよ」

―でも、視力の低下を遺伝で片づけてしまうことは多いように思います。

「そうですね。ひどいお医者さんになると、『近視は病気じゃなくて誰もがなるものだから、心配するな』と言ったりもする。でも、実際は何かの原因で角膜がゆがんだり、屈折率が変わったりで、『原因がある』ということをもっと意識すべきです」

―医療や健康法の本を読んでいて、西洋医学と東洋医学の間にはすごく大きな壁があるように思います。今野さんはその点についてどう考えていますか?

今野「それは厚い壁どころじゃないよ(笑)だって、残念ながら、西洋医学は東洋医学を認めないのだもの。例えばテレビ局が私のところに取材に来るでしょう。するとね、その番組の監修を西洋医学の先生がしているものだと、その取材が丸々ボツになることがある。私は中医学だからね。

でも実際のところ、西洋医学の先生が中医学を勉強することはすごく大事なんですよ。また、勉強したほうが患者さんに、理論的にも説明が楽だし、より、名医に近づけます。ははは。病気を治療するのに、西洋も東洋もないわけですから。なんで垣根をつくってしまうのでしょう。

私も、もともとは大学病院の検査部に出向していて、科学的な治療が全てと思っていました。しかし、検査で分かっても、実際は治せません。また、薬を出すだけの治療に疑問を覚えて、効かなければ、『ハイ、次の薬』と薬漬け。それでどんどん患者は増えていきます。本当は病気になってからでは遅いのです。病気になる前に対処すべきだ、つまり予防医学をどうにかしないといけないと思いました。それが始まりなんです。

そして、よくよく勉強をすると、症状の8割は中医学でも対処できることが分かったし、西洋と東洋で喧嘩すべきじゃないし、協力し合うべきということも分かりました。西洋医学が特に優れているのは、検診です。たくさんの設備が投資されていることもあるけれど、何の病気かの診断は、科学も必要です。もちろん、出来たら両面の診断が理想ですが。そして、治療は中医学と西洋医学の両輪でやるべきです。そうしたことを訴えたくて、この本を書いたという部分もあります」

―普段からできる目のケアの方法を教えていただけますか?

今野「一番は目に負担をかけない環境づくりです。例えば、室内に植物を置いたり、マイナスイオン発生器や加湿器を使うだけでも違います。植物の効果は色の側面からも大きいですよ。緑色がストレスを軽減させてくれるというデータもあります。会社がそういう環境づくりをしてくれないのであれば、せめて自分の机の上だけでもやりましょう、と。自己防衛です」

―なるべく酸素が多い環境作りをすることが大事なんですね。

今野「そう。緊張したりストレスがたまったりすると呼吸が浅くなるから、なかなか酸素を吸えていない状況が生まれる。自分の体を維持するだけの酸素を取り入れていないのです。そこに劣悪な職場環境が重なると、酸素不足に陥るのは自明です」

―では最後に、このインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いできればと思います。

今野「やっぱり、人間にとって一番に大事なのは健康です。健康はお金じゃ買うことができませんから。その中でも、特に目はすごく大事。取り入れる情報量が一番多いのは視覚で、人間を動かしています。目の疲れは脳の疲れ、全身の疲れにつながります。その意識をもっと持っていただきたいと思います。
あなたの目は、あなた自身の視産です。その視産をしっかりと守らないといけませんよ、と伝えたいですね。それが健康に毎日を過ごす秘訣だから」