― 本書の重要なテーマのひとつに「女性の自立」があるように感じましたが、どのような思いを持って本書を書かれたのでしょうか
今の時代は、女性の自立が叫ばれて久しく、すでに日本でも女性の社会進出も進んでいます。けれども、同じように社会で働く一人の女性として、「果たして、本当に今の時代の女性は自立しているのかしら?」というひとつの疑問が本書を書くきっかけになったものです。それは、フェミニズムなどとは少し観点の違う“女性から見た女性の自立”というコンセプトです。
― 田中さんが、日々の生活のなかで「お金のために働く」「お金を働かせる」といったキーワードを意識するようになったのは、いつごろからでしょうか?
もともとは、「お金のために働く」「お金を働かせる」という言葉は、投資家であり作家であるロバート・キヨサキさんの有名なフレーズです。この「お金のために働く」「お金を働かせる」という2つの道を分けているのが、今の女性たちにとっては自立であるということは、離婚後に社会に出た時点から自分で体験し、実感してきたことです。
― 独立しようと思った理由として「ご馳走されるよりも、ご馳走する立場に回りたかったから」と書かれていましたが、それ以外にも独立した理由はあったのでしょうか? また、実際に独立してみて良かったと思うことは何ですか?(とくにお金に対する考え方の変化などにおいて)
他に独立した理由があったというより、「ご馳走する立場に回りたかった」という私の性格なら、いつか遅かれ早かれどこかで独立していたと思います。やはり、金銭的なものも含めて、どこまでも可能性を追求できるのは、独立してこそだと思います。
― 本書のなかでも紹介されている離婚直後のエピソードが印象的でした。あのような苦境を乗り越えられた要因として、「与えることをモットーとしたから」を挙げていますが、そもそも田中さんはなぜ、このようなモットーを掲げようと思ったのでしょうか?
自分でも多くのものを与えられてここまでこられたわけですし(失うものも多かったのですが)、与えられたものは、情報であれ、物質的なものであれ、還元することでまた自分にも戻ってくるということがわかったからです。
― 本書では、周囲の人にきちんと感謝の気持ちを伝えることが、「お金を働かせる」女性になるための第一歩だと書かれています。「ホ・オポノポノ」の例を挙げられてもいましたが、田中さん自身、これまでの人生を振り返って、特に「感謝していること」を挙げるとすれば、どのようなことでしょうか?
先の質問にもありましたが、独立後、短い期間で自分を立てなおし、大きな豊さを得て、今、そのための方法を今度は皆様にお伝えできることに感謝しています。
― タイムマネジメントに関して、本書には「休み方」について直接的な言及はされていませんでしたが、この点について、どのようなことを意識していますか?
バカンスなどを取る際は、めりはりをつけてきちんと休む、ということでしょうか。本来は、休む必要がないほど毎日楽しいことをしている、というのが理想ですね。ただし、その場合でも睡眠時間をきちんと自分のリズムのパターンに組み込んで、健康に注意することが大切です。
― 本書には書かれてありませんでしたが、育児という局面において、「お金のために働く」女性と「お金を働かせる」女性の違いはどのようなところにあらわれるものなのでしょう?
私も子育てをしてきた一人として感じることですが、育児という面から考えても、はやりそのまま母親の考え方や行動は、長い年月をかけて子供にすべて伝わってしまうということです。つまり、「お金のために働く」親であれば、子供もそうなる傾向があるということです
― これから結婚や再婚を考えている女性に、アドバイスをお願いします。
本書にも書きましたが、もし結婚や再婚を考えている方がいらっしゃるなら、まず、自分が結婚や再婚に依存をしすぎないことです。つまり、結婚すれば、再婚すれば自分はこう変われるはずだから、と結婚・再婚をきっかけに自分を変えようとするのではなく、自分からまず変わることです。そして、自立できた女性には、自然と結婚、再婚が向こうから近づいてきてくれるのだと思います。
― 女性が自立していく上で、本書でも書かれているように、自分なりの「ルール」や「モットー」、「羅針盤」といったものが必要になると思います。田中さんご自身は、このようなものを、どのようにして作り上げていったのでしょうか?
すべて人生の中で体験を通して、ということです。
― 最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。
もし、あなたが「私って、お金のために働いている?」と思えたら、それは「お金を働かせる女」になれる大きなチャンスだと思ってください。本書にもあるような、日常生活の中にあるほんのささいな行動や考え方を改めるだけで、あなたは「お金を働かせる」側へいけるはずなのです。私と同じように、もっとたくさんの女性たちにも望むだけの豊かさを手に入れて欲しい、と心から願っています。