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財布はいますぐ捨てなさい
  • 著者:
    金川顕教
  • 出版:
    サンライズパブリッシング
  • 定価:
    1500円+税
  • ISBN-10:
    4434231669
  • ISBN-13:
    978-4434231667
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解説

目標を達成するためには、時には好きなものを我慢したり、余暇の時間を削ることも必要になる。

それはダイエットも受験勉強も同じであり、「収入アップ」も同様だ。

公認会計士から起業を経て、現在では年に5億円を稼ぎ出す金川顕教さんもまた、自分の収入を増やす過程でさまざまなものを捨てた一人。お金持ちになりたいのであれば、収入を増やすために不要なことは極力捨て、目標に注力する時間を増やすことが成功の近道のようだ。

では、収入を増やし、お金持ちになるためにどんなことを捨てればいいのだろうか。金川さんは本書の中でこんなものを挙げている。

人間関係を捨てる

人間はどうしても周囲にいる人の影響を強く受けてしまう。読書家の両親に育てられた子どもは本に興味をもちやすいし、仲間がギャンブル好きなら一緒にいるうちにギャンブルを始めることになりやすい。

お金についても同様だ、お金持ちはお金持ちと付き合い、お金がない人はお金がない人同士で群れる。もし年収1000万円を目指しているのなら、実際に1000万円を稼ぐ人と交流して、「年収1000万円のマインド」に触れる機会を増やすべきだ。

今の人付き合いの中で生活していては、おそらく収入は変わらない。お金を稼ぎたかったら、まず今の人間関係を捨てることが必要なのだ。

「がむしゃらな努力」と「自己流」を捨てる

収入を増やす方法は一つではない。今の10倍稼ぎたかったらサラリーマンのままでは難しいだろうし、年収1000万円であればスキルアップと転職で手が届く範囲だ。

いずれにしても、「がむしゃらな努力」と「自己流」は捨てた方がいいと金川さんは言う。

努力は正しいやり方を身につけてはじめて身を結ぶもの。自分だけの判断でやり方を決めてしまうのではなく、周りの成功者をよく観察してみよう。よく見ると、うまくいっている人の共通点が見えてくるはずだ。

「やりたいこと」を捨てる

私たちは「やるべきこと」より「やりたいこと」に流れがちだ。しかし、それらはえてして本来の目標と関係がなかったり、目標達成のための効果がなかったりする。

そもそも、現時点の自分の頭で考える「やりたいこと」は、たとえ実行に移しても現状維持にしかならない。稼げない人間が自分の頭で考えたことは、実行しても稼げないものだ。

それならば、自分としては気が進まなくても、今現在稼いでいる人や結果を出している人をリサーチして、マネすべき点を探してみよう。それがまずは「やるべきこと」なのだ。

収入を増やしたければ、行動も考え方も今のままではダメ。
今の自分の習慣の何をやめて、どんなことを始めるべきか、本書を読んで考えてみてはいかがだろうか。

インタビュー

――財布はいますぐ捨てなさい』について、本書で金川さんが伝えたかったことはどんなことですか?

金川: 何か目標があってそれを達成したい人や、新しいことを始めたい人は多いと思いますが、そういうものがうまくいかない時は、ほとんどの場合その原因は時間にあります。つまり、目標を達成するためにやるべきことをやる時間が取れないんです。

僕はこれまで大学受験や公認会計士試験、そして起業と、さまざまなチャレンジをしながら、目標を達成してきましたが、そのたびに彼女と別れたり、携帯を見るのをやめたり、「やらないこと」を決めることで、やるべきことに一点集中できる環境を作ってきました。

この本で、僕がこれまでやらないと決めたこと、不要だと思った習慣について解説していますが、皆さんが目標を達成する助けになればいいなと思っています。

―― タイトルにある「財布を捨てなさい」にはどんな意味があるのでしょうか。

金川: 昔、あるお金持ちの人に「現金を使う人は、お金的にも時間的にも貧乏になる」と言われたことがあります。

僕は大学生の頃、毎日コンビニに行ってジュースや水を買っていたのですが、コンビニで買うと一本100円ちょっとしますよね。これって一カ月にすると3000円以上になるわけですが、ネットショッピングでまとめ買いすれば、一本数十円で買えるばかりか、コンビニに行く時間の節約にもなります。

コンビニに立ち寄る時間なんて5分かそこらですが、毎日行くと積み重なって大きな時間になります。こういう時間が本当にやるべきことをやる時間を削ってしまう。このことに気がついてから、僕は財布を持たなくなりました。

―― 「やらないことを決める」というのは、目標達成の方法として合理的ですが、とてもストイックな姿勢でもありますね。

金川: 一種の「断捨離」ですよね。確かにストイックなのかもしれませんが、たとえば職人が一人前になるのって、20代の10年をまるごと修行に費やすことが必要だったりするじゃないですか。その期間だけは、周りがどんなに遊んでいようが自分は遊ばずに修行する、みたいに。

何かを達成するには、他のことを全て我慢してそちらに全力を注ぐ時期があっていいと思いますし、必要なことだと思っています。

―― 本を読んだ限り、金川さんご自身もものすごくストイックです。

金川: がんばるしかない、という状況に置かれることが多かったからかもしれません。僕は大学に入るまでに2年浪人しているのですが、浪人生活が2年目に入ると高校の友達はみんな働いているか、専門学校に行った人ももう就職が決まっていたりするわけです。

それを見ると自分が出遅れているのを痛感しますし、浪人している間もずっと親にお金を出してもらっていましたし、高校もほとんど底辺の学校だったので、そこを出て2年も勉強して大学に受からないとなると本当の落ちこぼれになってしまう。必死にやらざるをえなかったんです。

起業した時もそうで、それまで世界一の規模を誇る会計事務所デロイトトウシュトーマツグループである有限責任監査法人トーマツに勤めていたのですが、辞めてしまってもう稼ぐしかありませんでした。

―― 本の中で「学歴」や「肩書き」は不要なものだと書かれていました。これは、お金を稼ぐという意味では不要ということですか?

金川: そうです。僕自身、以前は学歴や肩書きをすごく求めていたところがあって、いい大学を出て、いい資格を持って、いい会社に勤めていればいい生活を送れると思っていました。

でも、25歳くらいのときに『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで、その考えに疑問を持ち始めました。いい大学を出ていい会社に入ることと、いい生活を送ることって、実はあまり関係がないように思えたんです。

これって実際にそうで、一度会社に入ってしまえば、学歴が仕事の評価に繋がることも、役職で仕事の結果が決まることもほとんどありませんから、学歴や肩書を手に入れることを目標にするのはあまり意味がないと思います。

僕の本を読む方はもうどこかで働いていて、学歴を今から変えられる人は少ないと思いますが、社会人になってきちんとプライドを持てる人って、学歴ではなく別のところにプライドを持っている人なので、あまり学歴にこだわらずに実力を伸ばしていっていただきたいですね。

―― 『財布はいますぐ捨てなさい』では、目標達成のために余分な行動習慣を切り捨てることを説いています。たとえば「もっとお金を稼ぎたい」というのが目標としてある人はどんな能力を磨いていけばいいのでしょうか。

金川: まずはコミュニケーション能力でしょうね。コミュニケーション能力というのは営業力であったり、的確な質問をする力であったり、プレゼンテーション能力だったりします。

それと、わからないことを調べて自分なりに分析するリサーチ能力や、どんな人が何を求めているかを把握するマーケティング能力も収入と直結する力だと思います。これは会社の中で出世することにもいえますし、起業を成功させることにもいえます。能力的にはこの3つではないでしょうか。

ただ、それと同じくらい大事なのがマインドです。お金のことを嫌っていたり、「俺なんて稼げるようにはならない」と考えている人は、能力が高くてもやっぱり稼げるようにならないんです。

お金を好きになって、お金についてもっとよく知って、お金についての考え方を変えることも意識するべきだと思いますね。

―― 「貯金」についても不要だとしています。これはなぜなのでしょうか。

金川: 僕の本を読んでくれる方は、どちらかというとお金持ちというよりは、これからお金持ちになりたい人だとか、お金について不安がある人だと思いますが、そういう人が今稼げるお金を貯金したところで、そんなに人生変わらないですよ。

それなら、貯金ではなく自分に投資して稼ぐ力を身につけたり、稼ぐ方法を覚えたりする方が効率がいいというお話です。

貯金が悪いということを言いたいのではなくて、今稼げていない人にとって貯金は投資効率が悪いですよ、ということを伝えたいです。

―― 今の貯金や財布をはじめ、本書では実に様々なものを不要なものとして、そぎ落とすことをすすめています。これを実践した結果何が生まれるのでしょうか。

金川: 自分の目標なりやりたいことを達成できるでしょうし、おそらく手元には自分にとって本当に必要なものだけが残ります。

本の中で人付き合いも不要なものだと書いているのですが、これは実際自分がやっていたことで、大学受験の時にそれまで付き合っていた友達との交流をやめたんです。でも、それで友達がいなくなったかというとそんなことはなくて、本当に仲のいい人との関係は切れませんでした。

人付き合いは、自分が考えている以上にお金も時間もかかるものです。大勢でわいわいやるのもいいですけど、どうしても自分のために使える時間は減ってきてしまう。

友達を過ごす時間を削ってやるべきことに集中するのと、自分の時間がなくなっても友達を楽しく過ごすのと、どちらがいいかという話です。厳しいことを言っているかもしれませんが、それくらい身の回りのものをそぎ落として時間を作らないと結果なんて出ないですよ。

「そんな人生楽しいの?」って思う人もいると思いますが、それは違うと思います。僕は大学四年間のほとんどを公認会計士試験の勉強に費やして、皆が遊んでいる中でひたすら勉強していました。でも、当時つまらなかったかというと全然そんなことないですよ。今思い返すといい青春だったと思いますし、合格もできて満足していますし。

―― 金川さんは今もビジネスの分野で様々な目標に取り組んでいます。モチベーションはどんなことですか?

金川: 僕は今、お金を稼ぐ力を身につけたり、お金を増やす方法を教えるスクールをやっているのですが、起業したい人ですとか、脱サラを目指す人だとか、色々な人が来ます。

そういう人に自分の知識やノウハウを教えて、その人がうまくいったとすると、それは誰かの人生を変えたわけで、感謝されるとやはりうれしいです。それはモチベーションかなと思っています。

―― 最後になりますが、達成したい目標がある人や、金川さんの本の読者である「お金持ちになりたい人」に向けてメッセージをいただければと思います。

金川: 目標を達成できなかった人って、「できることをすべてやっても達成できなかった人」ではなくて、途中で諦めてしまった人の方が多いと思います。

そして、途中で諦めてしまった人のうち、「十分に時間があったのにやるべきことをやらなかった人」は単なる怠け者ですが、「時間がなくて必要な訓練なり勉強ができなかった」という人も多いはずです。

本の中で、「新聞を読むな」とか「テレビを捨てろ」とかいろいろ書いていますけど、こういう人こそ自分の行動を整理して、目標への取り組み以外にやることのない状況を作っていただきたいです。それが目標達成への一番の近道なのではないかと思います。

書籍情報

目次情報

  1. はじめに
  2. 序章 いろいろやめて「成功するための時間」を作り出す
  3. 第 1 章 マインド編
    • 99%の人は「方法」を知りたがる。
    • 成功する 1 %の人は「確信」を高める
  4. 第 2 章 環境編

    今の環境で異なる結果は得られない

  5. 第 3 章 人間関係編

    人間関係を変えない限り何も変わらない

  6. 第 4 章 お金編

    「お金の先にあるもの」を大事にする

  7. 第 5 章 ビジネス編

    報われない働き方から卒業するための2つの選択肢

プロフィール

金川顕教(かながわ・あきのり)

起業コンサルタント・事業家/
株式会社 Social River 代表取締役
1986年三重県生まれ。東京都港区在住。立命館大学産業社会学部卒業。偏差値35から大学進学を志し、2浪の末立命館大学に入学。大学合格発表直後から受験勉強を資格試験に切り替え、在学中に公認会計士試験に合格する。世界一の規模を誇る会計事務所デロイトトウシュトーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。新入社員から年収600万円が保証される生活に「これで一生安泰の人生が送れる」と思ったのも束の間、自分自身の時間が削られていく不自由さに耐えきれず、毎日の激務をこなしながら起業 のための勉強を開始する。
勉強期間中の副業で給料の10倍を稼ぎ出し、軌道に乗ってきた2013年に独立。以来、事務所なし従業員なしの会社は年々売り上げを伸ばし、4年間で9億円を売り上げる。サラリーマン時代には想像できなかった「経済的」「時間的」「人間関係的」に自由な日々を送る。