だれかに話したくなる本の話

アウトプットの個性を磨きたいなら、人間としてのおもしろさを磨きなさい

提供: 新刊JP編集部

こんにちは、新刊JPの金井です。

「求めよ、さらば与えられん」――『新約聖書』の中でも特に有名な言葉です。
元の信仰上の意味は置いておいて、「物事を成就したければ(何かが欲しいならば)、あなたが自分から求めなさい」という解釈で、朝礼やスピーチなどにもよく引用されますね。

この「求めること」は大切なことだと思います。

例えば、私たちは取材の際に撮影も自分たちで行います。
そのとき、相手にしてほしいポーズや表情を、相手が勝手にしてくれることはほとんどありません。その道のプロであり、自分たちを綺麗に、もしくは可愛く魅せるポーズを研究しているモデルやグラビアアイドルは、ポーズをどんどん変えてくれますが、ほとんどの場合はこちらでどのようなポーズ、表情をしてほしいかを伝えなければいけません。

しかし、伝え方が稚拙だと、相手は困惑してしまい余計に写真は撮れません。「笑顔で!」といっても、歯を出す、出さない一つでだいぶ変わります。

写真教室で最初に教わったことは、まず自分が被写体になることでした。
数人のグループで、1人がカメラマンとなって、被写体となる残りの人たちにどんなシチュエーションで撮りたいか指示を出す。そして、一人ひとりに細かく「こういう感じで」と伝える。時には自分で演じる。

「修学旅行の夜、部屋のみんなではしゃいでいるワンシーン」を撮りたいと言った人のもと、僕は一緒に参加した同僚と「ドラゴンボールZ」のフュージョンポーズをとりました。
複数の人がいる状況で、全員が自分の個性を出すには、それぞれが「俺を見ろ!」と強烈に求め、主張しなければいけません。だからこそ、自分の存在を認識させるためには、「普通はとらない」というポーズのほうが良いのです。

まず、普通や当たり前や常識から抜け出すことが、個性的で素晴らしい作品をつくる一歩になる。それは撮影者側にもいえるかもしれません。

確かに囲み取材でも、ポーズをどんどん要求するカメラマンがいます。「そこまで求めるの?」というくらい求める人もいます。そして求めた方が良い構図になります。一方で、被写体も自分を綺麗に撮影してもらうように求めます。
戦っているようなそんな雰囲気が漂います。

先日、とある飲み会でカメラの話になったときに、作家さんにこんなことを言われました。

「つまらない写真ばかり撮れてしまうのは、自分がつまらないからだよ」

おもしろい人は、要求することもおもしろい。周囲をおもしろくしてしまう力があります。それは単なる技術よりも人間的なおもしろさにあると思います。
これは全てに言えること。どうしてもつまらないものになるならば、まずは自分をおもしろくする。おもしろさを要求する。
それが大切な事なのだと思って精進してまいります。

今日はこの辺で終わります。

今日の体重(5月27日計測)
身長:171.5cm
体重:69.2kg
BMI:23.5
体脂肪率20.8%

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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audiobook:「鼠わらし物語」(共作)

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