だれかに話したくなる本の話

イラン映画と真夏の法事

提供: 新刊JP編集部

こんにちは。編集部山田です。

私の人生はヒマなことがほぼ唯一の美点だったのですが、今月は珍しく所用がかさんで忙しくしておりまして、先日も親族の法事で静岡まで行っておりました。

具体的には母方の祖母の三回忌です。私、母方の親族とは疎遠になっておりまして(仲が悪いわけではない。会ってないだけ)、顔を合わせるのは小学生の時以来でした。この祖母の通夜葬式は、妻が高熱を出したので欠席してしまったんですよね。

ところで、葬式や通夜と違って「〇回忌」は故人を偲ぶというより、普段会わない親族が顔を会わせて飲み食いすることが実質的にはメインだったりします。私も久しぶりに親戚に会うのを楽しみにして行きました。

が、どうも私の風貌が変わっていたらしく、私を親族と認識してくれない事態が……。

結局法要が終わっても私が誰だかわからなかったそうで、「寺に出入りする業者の営業マンだと思ってた」とのこと。無関係な法要に交じってお経を聞いて焼香して墓参りする出入り業者がいるわけないだろう。。。まあはじめに名乗らずにぬるっと参加してしまった私が悪い。

その後の会食で、年配の親族にいそいそノンアルコールビールの酌を始めた私を見て、**「さすがにおかしい」**となり、ようやく認識された次第です。

これが最後に会った頃。
表紙

生牡蠣。
表紙

本人からするとそんなに変わってない気がするのだが、どうだろう。

さて、おっさんのビフォーアフターを見せて終了というわけにもいかないので、今日は変わった催し物の紹介を。

今年もイラン文化センター(在日イラン大使館)主催の「東京イラン映画祭」の季節がやってまいりました。

表紙

「イラン日本外交関係樹立90周年」とありますが、実はこのイベント定期的にやっていまして、都内のイスラム・カルチャー愛好家と在日イラン人の間では知る人ぞ知る……つまりあまり知られていません。

イラン大使館があまり告知しない、かと思いきや開催数日前になって突然告知するという気まぐれっぷりなので、一般的にも知られる機会が皆無。今回のように二週間前に告知するのは初めてかも。

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実際こじんまりしたイベントで、あいさつもそこそこに朝から晩までひたすらイランの映画を観るというストイックなものです。

前回参加した時は、タイムスケジュールが押していることに焦った司会役の大使館職員が、映画と映画の合間にカタコトの日本語で「休憩時間は……(時計を見て)1分です」とすさまじい発言をしてトイレに行きたい来場者をざわつかせる場面も。

映画の方は、ハリウッド映画のような派手さはないものの、しみじみいい作品が多い、という印象。今回は日本のイスラム研究の第一人者・井筒俊彦氏の生涯を紹介する「シャルギー(東洋人)」が目玉的な扱いですね。

営利目的ではなく文化交流事業の一環なので、無料です。予約も必要ないとのこと。
まあ何かと誤解を受けやすい国ではあるので、オープンにしてイラン文化を知ってもらおうということでしょう(の割に全然告知をしないわけですが)。

興味がある方はぜひ遊びに行ってみてください!と書いてみて気づいたがド平日じゃないか。

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山田洋介

1983年生まれのライター・編集者。使用言語は英・西・亜。インタビューを多く手掛ける。得意ジャンルは海外文学、中東情勢、郵政史、諜報史、野球、料理、洗濯、トイレ掃除、ゴミ出し。

Twitter:https://twitter.com/YMDYSK_bot

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