
- 定価:
- 1,500円+税
- 著者:
- 佐々木 惇
- ISBN-10:
- 4827208999
- ISBN-13:
- 978-4827208993
■副業でネットビジネス、結果を出すために必要なことは?
――もともとインターネットビジネスはされていたのですか?
佐々木:本格的な形ではやっていませんでした。ヤフーオークションで要らないものを売るくらいはしていたのですが、そのくらいですね。

――佐々木さんは現在31歳ですが、ちょうど思春期くらいにパソコンが普及して、インターネットが当たり前になった頃ですよね。
佐々木:そうですね。そういう意味ではすんなりネットビジネスに入れたと思います。
――「Amazon輸出」というビジネスに出会ったきっかけは?
佐々木:書店で山村敦さんの『月に100万稼げる「Amazon輸出」入門』を見つけて、これは面白いと思ったのがきっかけですね。
もともと私は公認会計士の論文式試験に合格して監査法人で働いていたのですが、将来は独立してビジネスを興したいという想いがありまして。そのやりたいことの一つが輸出という世界を相手にする事業だったんです。そんな中で山村さんの本に出会ったので、自分の探していたものが見つかったかもしれないと。
――山村さんの本が出版されたのが2012年の年末ですが、実際に佐々木さんがAmazon輸出をはじめたのは?
佐々木:2013年7月くらいですね。ですから、今は輸出を始めてから1年半くらいです。
――ビジネスが軌道に乗ったのはいつ頃ですか?
佐々木:その年の11月か12月くらいです。だいたい5ヶ月から半年くらいです。そこで実績が出てきて、「こうやれば売れる」という確信を得られたかなと思いました。12月は欧米諸国ではクリスマスなどがあるホリデーシーズンのおかげで、、月商700万円を超える売上をあげることができました。
始めた頃はまずノウハウを頭に叩き込んで、実践しながら修正していくというやり方をしていました。情報が少なかったので、先輩方のブログをたくさん読んだりしながら、かなり手探りで進めていきましたね。
――「Amazon輸出」は他のネットビジネスと比較してどのようなところにメリットがあると思いますか?
佐々木:一つはライバルが少ないという点ですね。輸出ということもあって、英語が必要になるのではと尻込みをしてしまう人が多いようです。ただ、今はネットの翻訳機能もあるので、敷居は下がっていると思います。
また、市場の広さも魅力的です。日本国内だけだと人口が約1億2000万人しかいませんが、輸出となると世界の約70億人と対することになるわけですから。将来性はありますよね。
日本の製品が世界で人気が高いのも大きなメリットです。
――ただ、「Amazon輸出」を実践している大半の人が成果を上げていないと本書の中で指摘されています。それはどうしてなのでしょうか。
佐々木:これは「Amazon輸出」に限った話ではないのですが、やめるのが早い方が多いです。軌道に乗る前にやめてしまう。これは非常にもったいないことです。厳しい言い方をすれば、ダイエットや習い事もそうですが、最初に目標を立てずに勢いではじめて、少しやってみて大変だからやめようという人は、何をやっても結果が出ないと思います。自分なりに試行錯誤をして続けていかないと稼げるようにはなりません。
また、ネット上に転がっている情報を鵜呑みにしてしまう人も多いです。出回っている情報は少し古いので、そればかりに頼ってしまうと失敗してしまう可能性が高くなりますよね。
もう一つ、作業量が不足しています。副業となると手軽に片手間でというイメージを持ってはじめる人が多いのですが、最低限の作業量がなければどんなビジネスでも簡単に上手くいくものではありません。例えば1日1、2時間くらいは時間を持つ。それを半年続けられたら、かなりのレベルまで行けると思いますよ。そもそも1日10分程度の作業で月に10万円稼げるビジネスがあれば、みんなやると思います。
でもそういうビジネスはないわけで、特に始めてから3ヶ月くらいはある程度の作業量が必要なんです。月に50万円以上の利益を上げている方など、成功している方に話を聞くと初期の段階では1日7、8時間くらいは(作業に時間を)割いているという人が多いです。ここでの「作業」というのは勉強をしている時間ではなく、実際に手を動かしている時間のことです。
――なるほど。
佐々木:それでも他のビジネスと比較して、同じ労力をかけたときに成果が出やすいビジネスだとは思います。ただ、私自身は「楽」だとは全く思っていません。
――『Amazon輸出の教科書』というタイトルをつけられたのは、そういったビジネスの基礎的な考え方を教えるという意味で込められた。
佐々木:そうですね。ノウハウは無料で取得することができますが、考え方がすっぽり抜けていることが多いんです。ノウハウはいずれ通用しなくなりますので、考え方がないと稼げなくなってしまいます。最初に考え方のフレームを作っておけば、ノウハウを生み出すこともできるので、そのための考え方を体系化してまとめた本ですね。
――佐々木さんが「Amazon輸出」をする際にご自身で工夫されている点を教えて下さい。
佐々木:私も最初は副業から始めたのですが、作業が増えていくとなると、いずれは手が回らなくなるということは分かっていました。これは今副業でやっている主婦の方やサラリーマンの方も感じていることだと思います。
私の解決方法は、効率化のためにはお金や労力を惜しまずに投資をするということです。例えば、それまで1時間かかった作業を10分でできるようになるツールがあればそれを買うとか。外注で作業をしてくれる方を見つけて給料を払い作業をお願いするなどです。ただ、ツールやシステムなどに投資をしすぎると固定費が増えすぎてしまうこともあるので、そこはちゃんと考えなくてはいけません。
――特にどのような点を効率化されたのですか?
佐々木:具体的には、例えば、私は出品する商品を探す際にはデータを集めてきてそれを絞って出品していくのですが、その部分ですね。ランキングや値段などがエクセルですぐに一覧で確認できるようにしています。例えば、1つ1つ商品を細かく確認するようなことはあまりしていません。ある程度、売れる可能性が高く、利益を積む商品を数多く出品するということが最初に目指したスタイルでした。
利益が多額に出る面白い商品を見つけて、その1個を売るというやり方もできなくはないのですが、同じ商品にライバルが出てくると詰まってしまうんです。
――「Amazon輸出」にとって最も重要だと思うポイントはどこになりますか?
佐々木:しいて言うならば値段の設定ですね。Amazonでは購入者が比較するところがほぼ価格しかないんです。赤字にならない範囲で値段を下げる。でも利益を出さないといけない。この本にも値段設定の重要性は重点的に書いたつもりです。
■「Amazon輸出」の世界の“神”とは?
――「Amazon輸出」は米国など海外のAmazon内で商品を売るわけで、通貨のレートが大きく影響してくるものだと思うのですが、いかがですか?
佐々木:よく言われるのですが、私はあまり関係がないように思います。円安だから輸出に有利という話も、かなり規模が大きい企業にならないと大きな影響にならないと思います。そもそも為替レートが上がるということは、それを反映して、市場の商品の価格が下がりますし、仕入先の商品の値段も上がることが多いですから。
――佐々木さんはこれまで「Amazon輸出」を続けてきて、こちら一本で生計を立てようと思ったのはいつ頃でしたか?
佐々木:これは私も師匠から教わったのですが、本業の月収よりも多く稼ぐ期間が3ヶ月以上続くということが、本腰を入れる一つの目安になります。私自身はもう少し(期間が)長いほうがいいと思いますが。たまに12月など、商品が良く売れる時期に本業の月収を超えてしまうことがあるんです。数か月で見るのではなく年間で見たときにAmazon輸出の稼ぎが本業を超えるようであれば、それは本物だと思っていいと思います。
――佐々木さんはご自身で会社を設立されていらっしゃいますよね。
佐々木:これはひとえに取引先に対する信頼という点が大きいです。例えば商品を仕入れる際に、個人の名前で話をしにいくと遊びだと思われてしまい、相手にされないことが多いです。会社を設立してからはその交渉がやりやすくなりました。若いのに頑張っていると声をかけられることもあります。
――他の「Amazon輸出」を実践されている方々とは交流があるのですか?
佐々木:あります。普段、海外のAmazonで出品しているライバルをチェックしているのですが、誰がどのセラーかは大体わかります。
――実際にお会いしたりも?
佐々木:そうですね、会いに行きますし、よく飲みに行きます。ただ、ノウハウを教えてもらうことはあまりないです。それぞれの方の独自のノウハウですし、いきなり聞かれても(教えることを)嫌がるのも当然ですよね。自分が何も教えていないのにいきなり聞くのも失礼だと思います。だから、例えば飲んだついでにちょっと聞いてみたりしています(笑)
――「Amazon輸出」の世界で“神”みたいな人はいるのですか?
佐々木:いますね。有名なところでは永木さんという方で、EIKINGという名前で、Amazon輸出のブログでも良く知られています。他にも小規模輸出の世界でも圧倒的にすごい方と仲良くさせていただいていますが、あまり外には出てきません。いずれもっと外に出したいなと思っているのですが、本人は出版などをして世に出るのを嫌がっているので(笑)。
――今後、佐々木さんはどのようなビジネスを展開していきたいとお考えですか?
佐々木:もともと私は、沖縄に旅行したときに、琉球ガラスという伝統工芸品に魅せられて、こういうものは世界にニーズがあるのではないかと思って、輸出ビジネスを始めたんですね。だから、今は、自分の会社で日本の伝統工芸品をプロデュースして世界に販売をしていくことが目標です。
ただ、このビジネスについての事例はほとんどなく、正解がありませんので、マーケティングや広告、ブランド戦略なども含めてトータルで勉強していかなくてはいけないので、とてもやりがいがあるビジネスだとと感じています。
――本書をどのような方に読んでほしいとお考えですか?
佐々木:自分もそうだったので、サラリーマンや主婦の方々、また、今の生活を少しでも豊かにしたい人、夢がある人に参考にしていただきたいです。夢は大小関係ありません。旅行に月に1回行きたいでもいいし、独立をしたいでもいい。何かをやりたいと思っている人の背中を押してあげられたらいいなと思っています。
実はこの本を書く前に、書店にある同じテーマの本をほとんど全部読みました。でも、その多くが例えば登録の仕方だけなど初歩的なことばかりが書かれていて、実際に「稼ぐ」ための考え方やノウハウについてはあまり書かれていませんでした。それでは稼げませんよね。もちろん素晴らしい本もあり著者も知っています。この本は真面目に実践すればある程度結果が出るように順を追って書いているつもりです。だからもし「Amazon輸出」をするのであれば、時間を割いて真面目にやって、ぜひ成果を出してほしいと思っています。
――「あとがき」にも書かれていましたが、この「Amazon輸出」で副業としてビジネスを行う経験は、本業に良い影響が出そうですね。
佐々木:そうなんですよ。自分でビジネスをしてみると、会社がお金を生み出すことの大切さや人を雇うということの難しさを学ぶことができます。自ら進んで無駄を省くようになりますし、チームワークや能率が良くなり本業でも結果が出せるようになるので会社での評価も良くなってていくと思います。自分で考えて会社に利益をもたらすことができる人間はどこにいっても通用しますから、その会社に無理にしがみつく必要もなくなると思いますし、仕事に余裕も出てきますよね。「Amazon輸出」にしっかり取り組むということは、本業に良い影響を及ぼすと思います。 ただし、もちろん、副業ができるかどうかはきちんと会社に確認を取って下さい。
――では最後に、読者の皆様にこの本の読みどころやメッセージをお願いできますか?

佐々木:かなり内容を凝縮しており、文章も拙いので、読んでいて難しいと思うところもあるかもしれませんが、思考錯誤しながら諦めないでやってみることが第一です。また、副業として「Amazon輸出」などの事業を始めようと思ったときの自分の気持ちって、おそらく「何かを変えたい」というものがあるはずなんです。その気持ちとしっかり向き合っていただきたいです。その一歩を踏み出すお手伝いができたらこれ以上に嬉しいことはないと思っています。ありがとうございました。
(了)
- プロローグ
Amazon輸出ビジネスの全体像を見る -
- この章で学ぶこと
- 世界最大級のオンラインストアの1つ「Amazon」
- Amazon輸出ビジネスを徹底解剖する
- 海外のAmazonで人気の日本の商品はどんなもの?
- 【コラム1】英語ができなくてもAmazon輸出はできますか?
- 第1章
Amazon輸出ビジネスを始める準備をしよう -
- この章で学ぶこと
- Amazon輸出に必要なもの
- ペイオニアって一体どんな会社?
- Amazonのセラーアカウントを作ろう!
- セラーセントラルの使い方を把握する
- 送料と配送までの日数の設定
- 輸出できない商品や出品してはいけない商品を知っておこう
- 【コラム2】輸出が規制されている商品はチャンスの可能性も?
- 第2章
本当は教えたくない「無在庫販売戦略」の考え方と実践 -
- この章で学ぶこと
- Amazon輸出の販売方法は大きく分かれると3つだけ
- 理想のビジネスモデル?なぜ無在庫販売が稼ぎやすいかを考えよう
- 無在庫販売のデメリットを把握しよう
- 出品は簡単。でも本当に大切なことは他にある
- 売れるために必要なのは出品よりも価格改定
- 出品後の在庫管理が本当に大切
- Amazonの規制(ポリシー)違反に要注意!
- ターゲットをあえて決めない?
- 【コラム3】Amazonの経営理念から見えるAmazonという会社
- 第3章
本当は教えたくない「商品リサーチ」の考え方と実践 -
- この章で学ぶこと
- リサーチする上で大切なこと
- 日本人セラーとしての強みを生かそう
- 商品リサーチと出品戦力との切っても切れない関係
- ライバルに差をつける具体的な商品リサーチ方法と実践
- 具体的なリサーと手法の解説
- 【コラム4】ツールは必要か必要でないか?ツールに対する大事な考え方とは
- 第4章
本当は教えたくない「出品と価格設定・改定」の考え方と実践 -
- この章で学ぶこと
- すべらない価格設定方法とは?
- 販売価格はなにかできているか?
- 具体的な送料の設定方法
- EXCELでの効果的な送料の設定方法とは
- ペイオニアの手数料と為替の影響はどうする?
- 売れるために利益計算はどうする?
- 利益率ってなに!?
- 昨日の敵は今日の友?ライバルセラーと比較
- 実はみんな知らない、さらに売れる方法
- BUYBOX(ショッピングカート)の謎を追う
- セラーの価格比較は一瞬
- 出品時の価格設定の実践
- ツールを使った出品価格情報の取得
- 価格改定の実践
- 【コラム5】実店舗で商品が売れる仕組みを考えてみよう
- 第5章
実は一番大切!?無在庫販売での「在庫確保」の考え方と実践 -
- この章で学ぶこと
- 無在庫販売の急所は在庫管理
- 在庫確保の方法と制する者が無在庫販売を制する
- 手動で商品情報を取得する場合
- 大量架空在庫を自在にマネジメントする方法とは
- 【コラム6】価格改定と在庫管理の大切さの体験談
- 第6章
ライバルに差をつける「仕込業務と発送業務」の考え方と実践 -
- この章で学ぶこと
- 利益を増やすために真っ先に検討すべきこととは?
- 大切なのはより上流から仕入れること
- ライバルに差をつける仕入方法:小売店からの仕入をマスターしよう
- より上流の仕入先である卸売問屋やメーカーからの仕入れに挑戦しよう
- 仕入の効率化に意外なほど便利な厳選アプリ
- 女性が強い仕事!梱包作業は丁寧さが大事!
- 【コラム7】マイルやポイントをためて、1粒で2度おいしいAmazon輸出
- 第7章
さらに月100万以上の「売上を伸ばす」考え方と実践 -
- この章で学ぶこと
- 月商が100万円を超えたあたりから業務の外注化を考えよう
- さらに売上を伸ばすための外注化にあたって考えなくてはいけないこと
- バイトさんと外注さん、どっちがいい?
- 《実例》外注化の流れ
- 実際にSOHOさんを雇うにはあのサイトを使おう
- 作業のチェックはキーポイントを設定することが重要
- 【コラム8】外注化によって被災地に雇用を創出し社会貢献する
- 第8章
Amazon輸出で困ったときのQ&A -
- Q:海外発送でトラブルになったときはどうすればいいですか?
- Q:Amazon輸出の実践者が多くなってきて稼げなくなりませんか?
- Q:海外発送はちゃんと届かなかったりしませんか?
- Q:アカウントの「審査」が入ったときはどうすればいいですか?
- Q:アンダーバリューはしたほうが得って聞きましたが?
- Q:英語の翻訳をうまくするコツはありますか?
- Q:やっと売れた商品の在庫がない! どうすればいいですか?
- 【コラム9】相手も人間だもの、きっとわかってくれます
- あとがき

佐々木 惇(ささき・あつし)
1983年7月生まれ。神奈川県伊勢原市出身。マリールイズ美容専門学校卒。
合同会社TRUSTJAPAN 代表社員/CEO。公認会計士協会準会員。
高校卒業後、美容師として4年半務める。最難関資格試験の一つである公認会計士試験受験を決意し、まず専門学校の学費を貯めるため、金融機関に派遣社員として入社。しかし勤務と勉強のハードな生活がたたり、尿管結石を患い、金融機関を退職、勉強に専念。公認会計士試験論文式試験を突破(2015年1月公認会計士修了試験受験予定)。合格後、東京都千代田区にある中堅監査法人に勤務しながら、独立に向けて副業で海外販売を開始する。Amazon輸出での年商が4500万円を超え2014年7月に会社を設立し、コンサルティングを開始し、自身のノウハウを伝えた弟子が次々と稼ぐようになっている。
◎ホームページ
http://trustjapan.co.jp
◎ブログ
http://atusicpayusyutu.com/attackonworld/

- 定価:
- 1,500円+税
- 著者:
- 佐々木 惇
- ISBN-10:
- 4827208999
- ISBN-13:
- 978-4827208993