書誌情報
営業マンになりなさい
著者:桑原正守
定価:1400円(税込)
ISBN:978-4-05-403880-6
出版社:学習研究社
目次
- 第一章
今こそ、時代の変化を見極める
ために - 第二章
本物のセールスマンシップを
身につけるために - 第三章
真のプレゼンテーションスキル
を身につけるために - 第四章
プロフェッショナル営業マン
への伝言
書評
「あなただから」と言われる営業マンになりなさい
「お客様は神様です」。
昭和の大歌手である故・三波春夫のこの名言を知らない営業マンはいないだろう。
顧客を第一に考える―この言葉は、時が経った現代でも営業の基本中の基本として、
営業マンの心の中に根付いている「鉄則」であり「心得」となっている。
しかし、本書はお客様を神様扱いすることに対し、こう疑問を投げかける。
35.お客様は神様ではない
・・・お客様と営業マンはどちらが偉いとか、どちらが「上」「下」というものではありません。
営業マンは価値ある商品やサービスを提供する、お客様はそれが欲しいと思ったらそれを買う、50:50の関係なのです。
もちろん、商品やサービスを選んでくださったり、買ってくださるわけですから感謝の気持ちは大切です。
しかし、感謝はしても、崇めるのはちょっと違うような気がするのです。(P84より)
買い手主導の時代は終わり、顧客を崇めるだけの営業だけでは体力は続かなくなっている。 そしてこの50:50の関係の上で、物を買わせるには他の決定的な「何か」が必要なのだ、という。 本書では、その「何か」を「あなた自身」としている。 「あなただから買った」とお客さんに言われるような魅力的な営業マンになるべきなのだ、と。
本書はそんな魅力的な営業マンになるための95の心得を紹介する、営業マンのための自己啓発書だ。
魅力的な営業マンになるには営業スキルだけを身につければいいのではない。
そこには人間としての「魅力」が必要なのだと著者は言う。
しかし、「魅力」は目には見えないのだから、具体的な磨き方をなかなかつかみにくい。
ではどうすればいいのか。それは、あまりにも普遍的なことであった。
「志を大切にする」「原因を探求する」「問題意識を持つ」「信じてやり続ける」など、
ほとんどが営業以外の、人としてどう生きるかという部分から生まれる言葉ばかりなのだ。
営業マンは毎日たくさんの人と出会うだろう。
しかし、その中には一期一会で終わってしまう人も少なくない。
それはお客さんにとっても同じこと。出会う大勢の人の中でいかに突出した存在になるかは、
その人の「人間としての魅力」にかかっている。
「あの人にもう一度会いたい」と思ってもらえるような人間になることは、
営業という仕事だけでなく、その人の人生そのものを輝かせる力になるはずだ。