新刊JP

解説

 たとえば、今あなたが学生や会社員だったとして、「起業する」「独立してビジネスを起こす」などと家族や恋人に話したら、9割9分「うまくいくわけがない。やめておきなさい」と止められるはずです。
 それほど、一般的には自分でビジネスを起こして成功させるのは難しく、実現困難なことだと思われています。しかし、本当にそうなのでしょうか。
 本書の著者で、これまでに40以上のビジネス立ち上げに携わってきた山中哲男さんは、「複雑にしてしまうと途端に難しくなる」といい、ビジネスは「『あったらいいな』を実現する」という、シンプルな視点で行う方がいいとしています。
 そのうえで、ビジネスを立ち上げる際にやっておくべき5つのステップを、本書の中で紹介しています。

■自分の強みを見つける

 どんなビジネスを立ち上げるにしても、「自分(自社)の強み」を把握することから起業はスタートします。
 これは何も「語学が得意」「税理士の資格がある」など、直接仕事になりそうなものだけでなく「笑顔が素敵と言われる」「何時間でもパソコンに向かっていられる」などでも構いません。
 大事なのはその強みを「どう使うか」なのです。

■「強み」をベースに「あったらいいな」を創造する

 強みを見つけたら、今度はその強みでどんなことができるかを考えます。
 「新しい価値を創造する」などと難しく考える必要はありません。
 「こんなサービスがあったらいいな」「これがあれば便利なのに」と、とにかくシンプルにアイデアを出していきましょう。

■仲間を探す

 うまく「あったらいいな」を見つけたとしても、それを実現しようと思ったら一人では難しいはずです。
 チームでビジネスを進めていくことを仮定して、自分の役割は何なのか。自分の他にどんな役割の人が必要なのかを考えたうえで、自分の計画に乗ってくれる仲間を探します。

■ビジネスをつくるための準備運動をする

 当たり前のことですが、ビジネスを作るのはヒトとヒトです。無用な摩擦や人間関係のトラブルを避けるためにも、メンバーが揃ったら、実際にビジネスを始める前に、互いのキャパシティ(どれくらいの量の仕事をこなせるのか)、力量(どんな分野に強いのか)、クセ(コミュニケーションのとり方や考え方)などを確認する期間を持ちましょう。

■マーケティングをする

 ここでようやくビジネスらしくなってくるわけですが、「自分たちのビジネスの顧客がどの層で、どんなところで必要とされるのか」ということは「あったらいいな」を探した時に、必然的に一緒に考えたはずです。
 だから、あとはその層の人にどう知ってもらうかを考えればいいだけ。ターゲットが決まっていれば、その方法にはさほど悩まないはずです。

 ビジネスを立ち上げて成功させることは、たしかに簡単ではありません。しかし、山中さんがいうように、必要以上に複雑で難しいものだと考えることもないのです。
 では、ビジネスを「シンプルに考える」とはどういうことか。本書にはそのための考え方と行動が詳しく解説されており、ビジネスのアイデアを持ちつつも、失敗リスクを恐れて実行に移せない人や、いずれ独立したい人の無用な不安を取り除いてくれるはずです。

目次情報

著者プロフィール

山中 哲男

1982年生まれ。株式会社インプレス代表取締役。文部科学省認定研究員。
高校卒業後、1年半のサラリーマン生活を経て20歳で地元兵庫県加古川市で飲食店を開業。
飲食店にまったく携わったことのないところからスタートし繁盛店に。
2007年、25歳のときに米国ハワイ州でコンサルティング会社を設立。
海外進出支援、M&A、事業開発など、中小企業から東証一部上場企業まで幅広く支援し、そこでの実績や視点、考え方が評価され、事業立ち上げの依頼、相談が途絶えなくなる。
30歳までの10年で40以上の事業の立ち上げに携わり、現在はアーティスト支援をはじ め医療、健康分野などさまざまな業界での「あったらいいな」からはじまった事業に取り組んでいる。

書籍情報

「あったらいいな」を実現するビジネスのつくり方

「あったらいいな」を実現するビジネスのつくり方

-顧客に求められる圧倒的価値の創造メソッド-

定価: 1500円+税
著者: 山中哲男
出版社: パブラボ
ISBN-10: 4434190067
ISBN-13: 978-4434190063
amazonでみる