小玉歩様×山田るり子様対談
小玉
「こんにちは。るり子さんの本が発売されたということで、今日は会いにきてしまいました。
新宿のブックファーストに置いてあったのを買って読んだんですけど、与沢さん(山田さんの恋人で実業家の与沢翼氏)のインサイドストーリーというか、山田さんが与沢さんにどう影響を与えて、変えていったかというのを書かれているじゃないですか。
与沢さんは最近よくテレビでも活躍されていますし、いろいろなところで取り上げられていますけど、本当はどんな人なの?っていうところを、今日は彼を一番近くで見てきたるり子さんに聞いてみたいんです」
山田
「テレビで取り上げられてるのは、彼の1割くらいでしょうね。テレビでは演出も入るでしょうし」
小玉
「今日は、そういうテレビと違った、素の部分について伺えればと思います。世間から“金の亡者”と思われているところもあるでしょうし、
イメージアップになるかもしれない(笑)」
山田
「よろしくお願いします(笑)」
小玉
「本にも書かれていましたけど、与沢さんと最初に会ったのって、パーティーだったんですよね」
山田
「そうですね。ある方の誕生日パーティーがあって、私も彼もそれに出席していたんです。でも知らない人だし、お互いしゃべらずにいたんです。一時間くらいそのまましゃべらずにいたのかな」
小玉
「結構シャイなんですよね。恋愛にしても自分から仕掛けるタイプではないですし」
山田
「そうなんですよ。私も自分からは行かないタイプなんですけど、話しかけてくれた方がいたので、その方と少しお話していたんですけど、その間も彼はずっと黙っていて。それでこちらがひと段落したらまたシーンとしてしまったので、私の方から彼に“お仕事は忙しいですか?”“どんなお仕事をされているんですか?”みたいな社交辞令的なことを話しかけた瞬間、向こうがすごい勢いでしゃべりだしたんです」
小玉
「ちなみに、与沢さんはどんな仕事をしているように見えたんですか?」
山田
「“不動産関係ですか?”って聞きましたね。実際には当時アパレルの会社をやっていたんですけど。でもアパレル企業の経営者っていうとオシャレなイメージがあるじゃないですか。でも当時の彼はオシャレとは到底言えなかったです。目つきも今よりきりっとしていて、ギラギラしていましたね」
小玉
「そのパーティーの場でいろいろお話されて、付き合い始めるのは早かった」
山田
「早かったです。出会って10日でした。そのパーティーで、私は先に帰ったんですけど、その時に連絡先を聞かれたから教えたんです。そうしたら、その日から毎日メールや電話がきて(笑)
それで、その週の週末に食事に行く約束をしたんですけど、その前日に電話がきたんですよ。“ちょっとだけ電話していい?”って言ってかけてきたんですけど、結局朝の5時までしゃべりました」
小玉
「どんなお話をしたんですか?」
山田
「自分の過去の話でした。自分のプロフィールをすごく細かくしゃべっていて」
小玉
「知ってもらいたかったんでしょうね、きっと」
山田
「そうなんですかね(笑)でも、それを聞いていておもしろかったんですよ。だから悪い印象は持ちませんでした」
小玉
「そうこうして付き合い始めたお二人ですけど、デート風景がまったくイメージできない(笑)」
山田
「もう、本当に普通ですよ。一緒にゲームセンターに行ったり。でも、彼はゲームでも本気なんですよね、UFOキャッチャーの景品にかわいい人形があったんですけど、それを“絶対獲るから!”って言って。私はゲームセンターってあまり行ったことがなかったので、そういうのはすごく新鮮でした」
小玉
「当時すでに経営者だったんですよね」
山田
「そうです。仕事はものすごく一生懸命にやっていましたし、頭のいい人だなと尊敬していたんですけど、そういうプライベートのところでは、子どもっぽいところがありましたね」
小玉
「すごく忙しかったんじゃないですか。寝る時間もないほどじゃないかと思うのですが」
山田
「そうですね。ただ、デートの時間は作ってくれていました。毎日会いたいとか言って。その時は私にはまっていたんですよ(笑)
今は落ち着いていますけど、当時は本当にそんな感じでした」
小玉
「下世話な話ですけど、当時の与沢さんの収入ってどれくらいだったんですか?」
山田
「彼が言うには2500万円くらいですね。でも税金を払ったり、家賃を払ったりすると、使えるお金は普通のサラリーマンと同じくらいだったと思います。収入の割に、家とか家具にかけるお金が多かったんです」
小玉
「彼は家が好きですからね」
山田
「そう。だからインテリアとかも買うんですけど、家に合っていないんですよ」
小玉
「さっきの服装のこともそうですけど、彼のセンス的なところは気になるところがたくさんあったんじゃないですか?」
山田
「ありましたね。私が変えていかなきゃと思いました」
小玉
「そういう、気になる部分があるから付き合わないという選択肢はなかったんですか?」
山田
「普通だったら付き合わないし、付き合ってもすぐに別れちゃうタイプですよね。
でも、あの人はものすごく素直なんですよ。だから、将来変わっていくかもしれないなと思えたんです。今はこうだけど、徐々に変わってもらえたらいいなと思っていたし、変わる確信がありました。
そんなこんなで、付き合いだしたんですけど、やっぱり“えーっ!?”となることがたくさんあるわけですよ(笑)
でも、それで別れちゃったら今までが台無しだから、変わってくれることを信じて付き合っていましたね」
小玉
「与沢さんを変えていくにあたって、まずどこを変えようと思ったんですか?」
山田
「まず“いろんな世界があるよ”っていうことと、“いろんな人がいるよ”っていうのを知ってもらおうとしました。
たとえばスパなんかも、最初は“気持ち悪い”って言って嫌っていたんですよ。だから“それは知らないからじゃないの?”って言って連れて行ったら、良さがわかったみたいです。
海外旅行も、行ったことがないと言うので一緒に上海に行ったんですけど、そこで大ゲンカしたんですよ」
小玉
「どんなケンカですか?」
山田
「タクシーに乗ったんですけど、運転手の中国人のサービスというか、態度が悪いといって怒り出しちゃったんです。日本のタクシー事情を基準に考えてしまったんですね。
でも、私たちは中国語をしゃべれないし、違う国で文化も違うんだから、仕方ないことなんだよ、と私は彼に言ったんですけど、納得いかなかったみたいで、“なんだこの人は!”みたいな」
小玉
「海外に行ったらそういうことはありますよね。電話しながら接客したりとか、日本では考えられないことだけど、海外では普通にある」
山田
「そうなんですよ。そこは日本との違いとして受け入れなきゃいけないのに、真っ向から本気で怒っていたから、この人と本当にやっていけるのかなと不安になった記憶があります。その件がきっかけになってケンカしたんですよ」
小玉
「ケンカした時の仲直りはどうされているんですか?」
山田
「お互い意地っ張りなんですけど、向こうから歩み寄ってきてくれますね。自分からも、一日か二日たって、もういいかなと思ったら普通に話しかけるんですけど、そうすると向こうも応じてくれます」
小玉
「そんな与沢さんですけど、その後に会社を倒産させてしまったり、挫折があったわけですよね。お金が目当ての人ならそこで離れていくと思うんですけど、るり子さんはそういう時期もそばで支えて、なかなかできることじゃないですよ」
山田
「それ、みんなに言われるんですけど、私は特に…。なんでそういう風に言われるのかわからないです。
ただ、彼の前の会社については、イケイケでやっていたので、このまま行ったらダメになるんじゃないかっていうのは頭の中にあったんです。まあ、そういうこともあるかなとは思っていました」
小玉
「じゃあ、その時も冷静に受け止められた」
山田
「そうですね。でも、彼は絶対また成功できるっていうのは確信していました」
小玉
「その予感はどこから来ていたんですか?」
山田
「過去の話を聞いても、孤独な時期があったりとか、結構いろんなところで失敗してきているんですよね。普通の人なら落ち込むような失敗を何回もしているんですけど、その度にはいあがってきた人なんだなというのはわかっていたので、心配はしていませんでした。
マインドというか性格の強さがあるから、何があっても大丈夫な人だとは思っています」
小玉
「与沢さんが強くいられるのは、るり子さんの存在も大きいと思いますよ。なんだかんだ言っても、本当に落ち込んだ時に弱みを見せられる人って、彼女か奥さんしかいませんからね。そこでどういう反応をしてあげるかによって、その先が変わってくると思いますし。
僕も本人から聞いたんですけど、倒産してしまった当時は相当落ち込んでいたそうですね」
山田
「落ち込んでいましたね。だからこそ、こっちはしゃんとしていなきゃというのはありました。“こんな風に歩くのも楽しいね”とか、本当は楽しくないんですけどね(笑) とか、“3年後にはこれもきっといい思い出になってるだろうね”みたいな話をしたのかな」
小玉
「そういう経験はまちがいなく人としての深みになっていきますからね」
山田
「それはありますね。彼もその件からすごく変わったと思います。社員への接し方も変わりましたし。もちろん、もっとこうすればいいのになというところはたくさんあるんですけど、それでも出会った頃から比べるとだいぶ変わりました。そういうのがあるから、これからも変わっていくんじゃないかと思っています」
小玉
「ブログを始めたのも、るり子さんの方が先だったんですよね」
山田
「ブログは、もともと彼も書いていたんですけど、3カ月に1度更新するようなペースでやっていたんですよ。
でも、彼の話は面白いから、もっと書けばいいのにと思って“起業家物語みたいな感じで、ブログで半生をつづって、それがそのまま本になる人もいるんだよ”みたいな話をしたり、いろんなブログを見せたりしていたんです。
彼はものすごく素直だから、おおそうか、じゃあ毎日書く、みたいな感じで書き始めました」
小玉
「本当に素直なんですね」
山田
「本当に、ものすごく素直なんです。素直すぎて、いろんなものに影響を受けてしまうんですよね。仕事だと、ある程度自分を持っているところがあるんですけど、それ以外のところだと、言われたこと全てに影響されちゃう(笑)」
小玉
「素直な半面、自分から心を開かないし、自分から輪の中に飛び込んだりする性格ではないですよね」
山田
「確かに、基本的にシャイというか、ものすごく人見知りなんですよ」
小玉
「本当はそんな人なのに、全く知らない人から見ると、マスコミの取り上げ方もあってそうは見えない」
山田
「普段はただのおとなしい人なんですけどね。今だとそう見えてしまうのかもしれません」
小玉
「僕は普段の彼を知っていますから、素直だし、シャイなところもあってかわいいなと思います」
山田
「仕事をしているときと普段とのギャップがすごいので、そこはかわいいですね」
小玉
「確かに、仕事に関しては真面目ですね、本当に。仕事への情熱はすごいものがある」
山田
「そこは最初から今に至るまで変わらず凄いなと思っていて、尊敬しています。仕事に関しては到底敵わないですね。すごい努力家ですし」
小玉
「最後に、彼にこれからどうなって欲しいとか、自分はどうやって彼を支えていきたい、というようなことがあれば教えてください」
山田
「今は、メディアに出ていることもあって、人が寄ってきたり、調子に乗りやすい時期だとは思うんですけど、40歳、50歳になった時に、誰もがかっこいいと思う成功者になれるように、少しずつ変わって行ってほしいですね。
素直なところはすごくいいんですけど、もっと知的というか賢くというか、なっていってもらいたいです」
株式会社Free Agent Style創業者。読者モデル。
1984年9月3日生まれ。日本大学卒業。
高校生のころより、芸能事務所に所属し数々のテレビ番組などに出演するも、大学入学を機に辞め、ファッション雑誌『PINKY』(集英社)の専属読者モデル(スーパーピンキーズ)としてデビュー。卒業後、読者モデルをしながら一般企業に勤務。その後、現・株式会社Free Agent Styleを設立し、アパレル、ネット関連事業を展開する。2012年11月まで代表取締役社長として、同社の発展に力を注ぐ。
現在は、自身のビジネスだけでなく、読者モデルとして、『美人百花』(角川春樹事務所)、『CLASSY.』(光文社)、『姉ageha』(インフォレスト)、『steady.』(宝島社)などでも活躍。また、TBS系列「有吉ジャポン」「私の何がイケないの?」、フジテレビ系列「情報プレゼンター とくダネ! 」「森田一義アワー 笑っていいとも! 」など、さまざまなメディアに出演し話題となっている。