仕事の実力は本来年齢とは無関係のはずですが、それでも経験値の差が仕事に与える影響は無視できないものがあります。
特に20代のビジネスパーソンの場合、まだまだ実務経験が少なく、先輩社員に後れを取ってしまう場面が多いはず。
しかし、だからといって同僚や先輩、上司から認められる方法がないわけではありません。
本書は20代のビジネスパーソンに向けて、社内外の人から一目置かれる存在になるためのルールが紹介されています。
仕事のあらゆる要素で後れをとっている若手が、社会人の先輩たちに認められるために、一体どのようなことをすればいいのでしょうか。
■ 指示された仕事は「フライング」で始める
仕事の質が上司や先輩に劣るのであれば、せめて仕事をこなすスピードだけでも彼らに負けないようにしたいという思いは、若手社員の多くに共通する意識ではないでしょうか。しかし、普通にやっていてはスピードでも百戦錬磨の彼らに適うものではありません。
ただし、仕事というものは終わり(締切)は決まっていても始まりは自分で決められるもの。いくらでもフライングが許されます。
スピードで劣るならスタートを前倒しすれば、先輩よりも先に仕事を仕上げることも可能。仕事そのものの締め切りよりも先に自分の中で期限を決めてしまい、それに間に合うよう逆算して仕事にかかることが「仕事が早い」といわれる人の条件なのです。
■ 細かい仕事でも必ず報告する
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の重要性はいまさら言うまでもないことですが、上司から依頼された細々とした雑用となると、つい報告を怠ってしまいがち。
これを改めて、細かい仕事まできっちりと完了報告を入れるだけで、上司からの評価は変わるはずです。完了報告は、仕事を指示した人を安心させてあげる、思いやりの行為だと心得て、細かい仕事でも、忙しい時でも、確実に行うようにしたいものです。
■ 上司からの評価は評判で決まる
出世への意欲が高い人も、そうでない人も、上司から自分がどう評価されているのかが気にならない人はいないはずで、よほどの天の邪鬼出ない限りは高く評価されたいと思っているものです。
しかし、評価を上げようと上司に取り入るのは何だかスッキリしませんし、仕事を楽しむことができません。
仕事を楽しみながら評価を上げていくための方法として、著者の福田さんは「評価」より「評判」を意識することを挙げています。
評価が上司からのものであるのに対し、評判は周囲の人々の評価が口コミで伝わったもの。つまり、顧客や取引先をはじめとした周囲の人々みんなを喜ばせようと努力していくことで、あなたの評判は上がり、結果的に上司からの評価にもつながるのです。
本書には、20代の若手ビジネスパーソンが、周囲の人の「目に止まる」ために身につけるべきルールがまだまだ取り上げられています。
若いうちは下積み、と割り切っていては、その他大勢のなかに埋もれてしまうだけ。
少しでも早く頭角を現したいという人は、本書で明かされているルールを今のうちにしっかりと自分のものにしておきましょう。
第1章 「若いのにすごいね」と目にとまる人のルール
(スピードの出し過ぎはむしろ安全
仕事が早いと言われるカギはスピードよりスタート ほか)
第2章 「楽しそうに仕事をする」ので目にとまる人のルール
(最初の人は記憶に残る
前例がないとはチャンスがあるということ ほか)
第3章 なぜか「まわりに人が集まる」ので目にとまる人のルール
(人それぞれの当たり前
「頑張ってるね」より「頑張ったね」 ほか)
第4章 「周囲も驚く成長スピード」で目にとまる人のルール
(上司の関心、課題、期待に先回りせよ
誰がやっても同じ仕事はない ほか)
第5章 「何であの人はいつも元気なの」と目にとまる人のルール
(やる気よりやれる気
人の力を借りる力も実力のうち ほか)
穴吹教育総合研究所所長、中小企業診断士、社会保険労務士。
慶応義塾大学卒業後、大手流通業を経て、現在は専門学校を核とした穴吹カレッジグループで人材育成、研修、教材開発などに携わる。系列のIT・ビジネス系の専門学校の理事でもある。30歳を目前にUターンで郷里岡山の専門学校に転職。30歳の新入社員として再出発したが最初は苦労の連続。
その中で、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士などの国家試験にいずれもストレートで合格。成功と挫折の繰り返しの中で、徐々に仕事術を身につけてきた。そのノウハウを新入社員や若手ビジネスパーソンなどを対象に講演や研修で伝授し、「目からウロコ」「面白くてためになる」「もっと早く知りたかった」と好評を博している。とくに「スーパー社会人養成講座」は学校でも会社でも教えてくれない超実践的なプログラムとして高く評価されている。著書に『いつも目標達成している人の勉強術』(明日香出版社)などがある。