新刊ラジオのパーソナリティーである
ブックナビゲーター・矢島雅弘が『お金の教養』の著者である泉正人さんが対談!
書籍の内容を中心に、泉さんの「お金」に対する考え方を聞きました!
ブックナビゲーター・矢島雅弘(以下矢島)
「本日は『お金の教養―みんなが知らないお金の「仕組み」』の
著者である泉正人さんにインタビューを行います。
泉さん、宜しくお願い致します」
泉正人さん(以下、泉)
「宜しくお願い致します!」
矢島
「最初の質問です。こちらの本を読んでいて、泉さん自身もお金の正しい使い方を知らずに
失敗してしまったということが書いてあったのですが、まず、こちらの体験談を具体的に聞かせて頂けますか?」
泉
「はい。今、この『お金の教養』という本を出させて頂いているんですけども、
私はお金について最初からプロフェッショナルだったりとか、扱いが上手い人間だったわけではないんですね。
もう10年、20年前の話になるんですが、入ってきたお金は間違いなく使ってしまって、
月によってはそれ以上使ってしまうような生活をしていた時期もあったんです。
で、給料が300万円にも満たないようなサラリーマンのときはなんとか苦しいながら、
ギリギリながら生活したのですが、それが転職などによって年収が倍近くになったことがありました。
そのとき、収入が倍になるというのは、傍から見ればすごく贅沢ができると思うじゃないですか。
でも、そうなったとき、私は自分でお金の管理が出来なくなってしまったんです。
倍のお金が入ってくるんだから倍の家賃でいいだろうだとか、
食べてるものをもっと美味しいもの食べたいだとか、それに旅行もちょっと贅沢なところ行ったりとか。
車も昔はローンも組めなかったんですが、年収があがるとローンも組めるようになりますから、 そのとき身の丈以上の車を買ってしまって、ローンが払えなくなったりしまったんですね。そんなことが続いましたね」
矢島
「なるほど」
泉
「そういった経験―つまり、自分自身の経験をベースにこの本を書かせて頂いたという感じです」
矢島
「僕も泉さんと同じようにお給料があがったらもっとお金が溜まるんじゃないか、という幻想を抱いていました。
で、今回人生の先輩としてお聞きしたいのが、いつ頃『お金の教養』というノウハウに気付いたのかということなんですが、
いかがですか?」
泉
「これは、この日を境に身についたというわけ明確なものはないんですね。
私の中では一つずつ身についていったというものなんです。
『お金の教養』というのは7つの教養があると思うんですけども、それを1つ1つやっていく上で、
本当に形付いたのは…今から3年前くらいの話ですね」
矢島
「わりと最近の話ですね」
泉
「はい。やっぱり大変だったのは『お金の考え方』の部分ですね。
『お金の考え方』がある程度固まってきて、キャリアアップや自己成長によって収入を高めるというところも
『お金の教養』の1つですし、使い方やお金の守り方あたりも教養なので、1つ1つ作り上げていったという感じがしますね」
矢島
「なるほど。この本はご自身の失敗を省みて、また、いろんな人のお金の使い方を見て、
お金の使い方を知らない人に読んで欲しいと思って書かれたのでしょうか」
泉
「使い方を知らない人だけではないですね。
やっぱりお金というのは、僕の中では重要なもの、お金が全てではないですけどもお金があることによって
解決できる問題はたくさんあるじゃないですか。それはお金があるなしに関わらず、いろんな人に必要だと思うんですね。
例えばこの本の中にも書いてありますが、年収3000万円でも貯金が0円の人と、
年収300万円でも貯金が500万円ある人であれば、僕は後者ほうがお金の教養がある人だと思うんですね」
矢島
「そうですね」
泉
「だからお金稼いでいる、稼いでいない関係なく、それにお金があるなしにも関係なく、教養を高めると」
矢島
「なるほど。実際に本を執筆しているときに具体的に想定していた読者像、
例えばその友人だったり知人だったりとか有名人であったりとか、そういった読者像ってありましたか?」
泉
「はい。この回答の1つは自分です(笑)。
自分自身に言い聞かせる。要するに、昔の自分自身に言い聞かせながら、それを書いていましたね」
矢島
「なるほど。こういう言い方は失礼かも知れませんけども、
昔の泉さんみたいに思っている人、お金が増えれば貯蓄できるんじゃないか、
年収3000万円あればウハウハだろうと思っている人は絶対いると思います。
そういう方は是非こちらの本を読んで欲しいなと思いました(笑)」
泉
「そうですね」
矢島
「で、本の構成についての話なんですけども、この本の章別構成は『第1章 お金についての考え方』、
『第2章 お金の貯め方』、『第3章 お金の使い方』これが、『小さなお金編』と『大きなお金編』に分かれていまして、
『第4章 お金の稼ぎ方』、『第5章 お金の増やし方』、『第6章 お金の維持管理』、
『第7章 お金を与えること』となっています。
これは泉さんの提唱する教養を7つに分類したものだと思うんですけども、 このうち、泉さんが一般の人に最も読んで欲しいと思っている項目はありますでしょうか」
泉
「それは人それぞれで違うと思うんですね。
読みやすく書かせて頂いているんですけども、例えば中学生や高校生も読めるような本なんですね。
やっぱそういう方々には第1章の『お金についての考え方』とかでベースのところから知って頂きたいと思います。
それこそ年収3000万だけどお金がたまらないという人はお金の使い方が間違えていますよね。 使い方とか維持管理とか、この辺が足りていないところだと思います。 優れているところと足りないところが人それぞれあると思いますから、全体のベースをあげていく必要があるんですね。
例えば『キャリアアップしたい、年収あげたいけど…』という人には第4章の『お金の稼ぎ方』だったりとか、 マイホームを買いたいけど、買ったほうがいいのか借りた方がいいのか悩んでいる方にとっては『大きなお金の使い方』とかを 読んでもらいたいです。 でも、結局は色んな人によって読み方が違うんですよね」
矢島
「参考までに僕の例ですと、僕はそんなにお金が貯まっていないので1章の『お金についての考え方』と、
2章の『お金の貯め方』、生活費とか貯め方の割合があったじゃないですか。
実行していたはずなんだけどうまく貯まっていないので、
もう1回、第1章をしっかり読んで今月から貯めていこうかなと思っています。
で、ですねこちらのインタビュー、『お金の教養』をまだ読んでいない方も多いと思うので、 泉さんから何かひとつ、「明日からできるぞ」というものをご紹介願いたいのですが」
泉
「はい。一番重要なのは、私はお金の地図…お金の地図というのは分かりやすく言うと
家計簿みたいなものなんですけども、普通、家計簿は収入と支出を書いてあるじゃないですか。
それだと表面的なお金しか見えないので、実際には企業でいうバランスシート、
貸借対照表というのが僕には家計にも必要だと思っていまして、
その家計簿とバランスシート2つがお金の地図になると思っているんですね。
例えば60歳までに5000万円貯めてハッピーリタイアしたいとなったとき、 その5000万円は不動産価値で5000万円なのか、現金なのか、株なのか。
それが分からないじゃないですか。あくまで5000万円はアバウトなものであって、 5000万円あったら幸せだろうなと思っていても具体的にならないので、 やっぱりお金の地図という人生の行き先が必要なんですよね。
で、将来のお金の地図を作って、今、目の前のお金の地図も作る。 要は現在の位置と将来の行き先が分かるということです。
それを作ったうえで、プランを考えていくという必要があると思います。 将来のお金の地図を作るのはちょっと難しいかも知れないんですけど、今のお金の地図は簡単に作れます。 現状をただ把握するだけでいいので」
矢島
「そうですね。記録することによってお金の重みとか大切さを知ることが出来るかも知れませんからね」
泉
「そうですね」
矢島
「では、これは僕が気になった項目だったんですけども、この本に載っている項目に
『お金は汚いという幻想を取り払おう』というものがありました。
『第1章 お金についての考え方』の中の1つのトピックスなんですけども、 具体的に『お金のきれい・汚い』という概念はどんな弊害を生みやすいのか教えていただけないでしょうか」
泉
「はい。あの、お金がきれい・汚いというのは、
『あの人は金稼いでるから悪いことやってるんじゃないか』とか、
お金を稼いでいる人に対して汚いという偏見の目で見ちゃう場合があると思うんですね。
そうなると自分自身もお金に対して真正面に考えられない自分ができてしまうと思うんですね。
例えば。『誰々はこんな汚いことやってお金を貯めた』となると、 じゃあ『私はお金なくて別にいいわ』ってなった場合、 実際に老後になってしまうと本当にお金ないと苦労しちゃうんですよね。 確かにお金は汚い稼ぎ方とかもいっぱいあると思うんですけども、きれい・汚いではなくて、 私はお金は中立的なものだと思うんです。 ものの価値も、100円と1万円のものだったら、1万円のほうがいいものだってだいたい分かりますよね。
それに、1000万円の家と1億円の家だったら1億円の家のほうがいいですよね。 そういう風にものの価値観として中立的であるのがお金だということです。
その考え方を中立的に持つのが第一で、考え方をちょっとずらしちゃう、 汚いとかいう目で見てしまうと、自分がお金に対して真正面に迎えないので損になってしまう… マイナスになってしまうんじゃないかなと思うんですよね」
矢島
「なるほど。今回、本を読んだ上で泉さんと直接お会いして思ったんですが、
泉さんが経営していらっしゃる日本ファイナンシャルアカデミーという会社があるじゃないですか。
ここでの仕事での経験もこの本の執筆に役立っている部分はありますか?」
泉
「もちろんそうですね。
やっぱり、私のスクールでは会計から経済から投資までいろいろなことを教えているんですが、
実際には私は経済の専門家ではなかったので、私がこのスクールを立ち上げたときから、
自分自身が一生徒だったわけですね。専門家の方をお呼びして話してもらうんですが、
私が必ず学びたいという意思があったので必ず運営をしながら勉強をしていた、と。
そして、自分が知りたいことは他の方も知りたいだろうということをベースに一般個人の側に立った スクールを開催しているので、私は自分のスクールで学んだというのが相当ありますね」
矢島
「なるほど。ありがとうございました。
そろそろお時間となりましたので、最後に泉さんの方から読者の方々にメッセージをお願い致します」
泉
「現在、年金不安だとかいろいろ言われていますので、
お金を考える機会はあっても話す機会とか勉強する機会ってほとんどないと思うんですね。
正しい勉強とか周りの方、家族の方と話すことによって正しいお金の知識を身につけて、
その結果、将来豊かで不安のないライフスタイルが手に入れられる、と。
お金って私はすごく重要なものの1つだと思いますので、正しい知識をつけて頂ければなと思います」
矢島
「ありがとうございました!」