人間は誰かから認められたいという気持ちを必ず持っています。それは自分で自分を認めるということも同じ。しかし、なかなか自分をホメる機会ってありませんよね。
“ほめ方の伝道師”としてコーチングの分野で活躍している谷口祥子さんは本書で、“自分ホメ”の重要性について説いています。では、“自分ホメ”を具体的に実践するにはどうすればいいのでしょうか? ここでは“自分ホメ”の方法についてご紹介しましょう。
谷口さんは、「自分ホメ」は3ステップから成り立つといいます。
(1)ネガティブな感情を受け止める
まずは今持っている自分のネガティブな感情を素直に受け入れましょう。今自分はネガティブになっているんだということを認めれば、かえって楽になれるものです。
(2)パワーアップスイッチを入れる
これは成功イメージを高めるためのものです。かつての自分の成功体験を思い出すスイッチを作るのです。例えば谷口さんには自分の首のうしろ側にスイッチがあるといいます。そこを触ることで心のコンディションをベストの状態にします。
(3)肯定的なメッセージを唱える
何かをはじめるときにつきまとう「失敗したらどうしよう?」という想い。しかし、それではパワーを奪われてしまいます。そして案の定、失敗してしまうわけで、ここで自分に肯定的な言葉を贈ることが大切です。つまり“自分ホメ”です。
この3つのステップを実践することで、望ましいコンディションでプレゼンなどの本番に臨むことができます。
谷口さんは「自分ホメ」をするときに次の2つを心がけているといいます。ひとつは自分に「禁止命令」を使わない、そしてもうひとつは取るべき行動を明確にすることです。
「~しないようにしよう」という禁止命令は、禁止されている事柄に意識が集中してしまうためその事柄をイメージして引き寄せてしまう危険性があります。つまり、「脂っこいものは控えよう」と思うと、どうしても脂っこいものに目が向いてしまいます。
では、どうすれば良いのか。それは、もうひとつ目の取るべき行動、つまり「やるべき」ことを意識するのです。そして、自分をホメるときも「脂っこいものを食べないでよかったね」ではなく、「ちゃんと食事のルールが守れたね」と言いましょう。そうすることで、自分に理想の状態に近づくスピードが上がります。
自分ホメを実践するタイミングとして本書内で勧めているのが、起床直後と就寝前です。朝起きたらその日の理想の一日を設定し、口に出します。続いてそれに役立つ自分の魅力を言葉にします。窓を開けてすがすがしい空気の中で深呼吸するとよりいっそう効果的です。
就寝前は、その日よくやったと思うことを振り返り、ベッドに入ります。「作成した書類がいい出来だった」というようなちょっとしたことでもいいのです。良いイメージを持ったまま穏やかな気持ちで眠ることができ、潜在意識にプラスの影響を与えることができます。そして朝起きるときも「自分ホメ」でテンションをアップすることができ、好サイクルが生まれるはずです。
本書では、「自分にホメるところなんてない」という人や「どういう風な言葉でホメるのが一番いいの?」といった疑問に対しての答えがつづられているだけでなく、毎日が楽しくなる「ちょっとした工夫」など、誰もがすぐに取り組める具体的な方法もあげられています。
なかなか自分で自分をほめる機会はありません。しかしこの状態は、自分が自分の価値をなかなか認めてあげられないことにつながります。自分らしい生き方をするには、自分のことをちゃんと分かって、認めてあげる必要があるのです。だからこそ“自分ホメ”は重要だといえるでしょう。
もし、自分がイケてないな…と思うときはまず自分をホメてあげてみてください。そこから毎日が変わっていくかも知れませんよ。
第1章
「自分ホメ」で、100パーセントの私になれる!
「自分ホメ」で、眠っていた脳が目を覚ます!
ほとんどの人は、「ホメられたら伸びるタイプ」
「ちびまる子ちゃん」に学ぶ影響力
笑顔のはかり知れない効果
自分の魅力に気づくとき、自然とみんなに愛される
自分にやさしい人ほど、人にもやさしくなれる
「自分を高めるサイクル」が回り出す瞬間
あなたの魅力で、職場や家庭も明るく照らせ!
「使命(ミッション)」を見つけよう
第1章のまとめ
第2章
「自分ホメ」で、自分を高める最初の一歩
日常の中に、「自分ホメ」を取り入れよう!
「こうありたい自分」をイメージしてみよう!
言葉の使い方で、自分を強く納得させよう!
欠点を「チャームポイント」にしてしまおう!
合わないキャラクターを演じるのはやめよう!
目的をはっきりさせて行動しよう!
人生の問題を、人のせいにするのはやめよう!
起床直後と就寝前に、「自分ホメ」をしよう!
人にホメられたら、素直に受け入れよう!
第2章のまとめ
第3章
どうすれば、「ホメ所」を見つけられるのか?
心配を抱えるよりも、「未来」に期待してみる
恥ずかしがらずに「妄想」を膨らませてみる
「できない」と思うのをやめる
人と自分を徹底的に比較してみる
ちょっとしたことでも、「変化」「成長」を見つける
「うれしかったホメ言葉」を思い出してみる
人にホメられる前に、自分からホメてみる
悪口を「フィードバック」と考えてみる
第3章のまとめ
第4章
「自分ホメ」で、苦しい場面を乗り越えるコツ
対人恐怖症になって、初めて気がついたこと
カッコ悪い部分を、あえて周囲にバラしてみる
他人のセリフに引きずられる必要はない!
困難な仕事ほど、最後はあなたを高めてくれる
ネガティブな感情を、はき出してもOK
「幸せ」のありかを知りたいですか?
第4章のまとめ
第5章
毎日が楽しくなる、「ちょっとした工夫」
大好きなことをしているとき、あなたは輝く!
簡単な「運動」で、気持ちは大きく変わる
「いつもと違ったおしゃれ」で新しい魅力を!
自分を認めてあげる「お金の使い方」
「ホンモノ」は、あなたの意識を高めてくれる
「自信」に根拠なんかいらない
グッと距離が縮まる、自己紹介の方法とは?
第5章のまとめ
第6章
「自分ホメ」で、疲れた心と身体をいやす
お酒以外のストレス解消法も見つけよう
快適な睡眠のための3カ条
「あなただけのパワースポット」を見つける
つらいとき、誰かに話を聞いてもらう大切さ
自分を抑えるだけでは、「協調性」は発揮されない!
自分を許せたとき、他人のことも許せる
なにがあっても、やっぱり自分が一番!
第6章のまとめ
おわりに
参考文献