ストレートな物言いで毒舌、ヒステリックなところもある。
「魔王」とまで呼ばれた女優・タレントの杉田かおるさんに対してそんなイメージを持つ人が多いかもしれません。
しかし、本書からは、あるきっかけによって杉田さんが世間のイメージとは対照的な、穏やかで優しい人にすっかり変わってしまったことが読み取れます。
7歳で子役としてデビューし、またたくまに人気者となった杉田さんの私生活はとても幸福とは言えないものでした。
まだ子供だったにも関わらず親に金銭面で依存され、13歳で所属事務所から独立した時には借金も背負いました。当時売れっ子だった杉田さんですが、事務所が月給制だったために月収がたった13万円だったこともあったとか。
幼い頃から芸能界で揉まれ続けてきたことで、普通の子供なら見ることのない社会の汚い部分を見ざるを得なかった当時の杉田さんが、人間不信に陥ってしまうのに時間はかかりませんでした。その経験は後々まで彼女を苦しめることになります。
転機が訪れたのは2009年でした。
10キロのダイエットを敢行した時に出会ったオーガニック野菜がきっかけとなって食生活が変わり、さらにそこから考え方までが変化したのだそうです。
なかでも大きいのは「執着」から自由になれたこと。
「お金」「恋人」「仕事」…。人は誰でも、何かに執着しているものです。
今では農業に携わり、自分で作物を育ててもいる杉田さんは、「自然に盾突いたところで100%負けます」といい、自然に触れることで何かにこだわることの無意味さに気付いたと語っています。
自然は、人の力で制御できるものではありません。それならば自然に身を委ねて、右にも左にも動ける柔軟なスタンスを取った方が楽。そのことに気づいてから、杉田さんの生き方が変わったのです。
オーガニック野菜や農業は、あくまで一つのきっかけに過ぎません。
しかし、杉田さんが40歳を過ぎてから生き方を根本的に変えたように、その気になれば人間は何歳でも変わることができます。
本書には、杉田さんのこれまでの歩みと、考え方・生き方の変化がつづられています。
波乱万丈な人生を送ってきた彼女の言葉は、人生に悩む多くの人々を勇気づけるメッセージとなっているはずです。
(新刊JP編集部)

7歳の時にドラマ「パパと呼ばないで」(日本テレビ系)に出演し子役デビュー。中学生の時にドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)で妊娠する中学生を演じ、大きな話題に。その後、ドラマに多数出演。女優業以外にもバラエティ番組に出演し、人気に。2004年、24時間テレビ」のマラソンランナーとして100キロを完走。
2009年、10キロのダイエットに成功。その様子は、「杉田かおるの毒だしダイエット」(アスコム)に収録されている。美容や健康、農業などに興味を深め、自然農にも挑戦。
著書に「杉田かおるのオーガニックライフ」、写真集「Reborn」などがある。
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